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メンタル不調のメカニズム~対策編
前回の記事では、メンタル不調は花粉症と同じメカニズムだということを書いた。
花粉症と同じようにメンタル不調も、①体質、②量、③防衛方法で考えられる、という内容だった。
「花粉症」を引き起こすのは言わずもがな「花粉」だが、「メンタル不調」を引き起こすトリガーは「ストレス」である。
当たり前のことではあるが、このストレスをコントロールできれば、メンタル不調は防げる。
今回は、その方法について書いていきたい。
メカニズムと対策
花粉症やメンタル不調のメカニズムがわかれば、自ずとその対策も見えてくる。
すなわち①体質、②量、③防衛方法に対応して
①体質を改善する
②ストレスの絶対量を減らす
③ストレスへの防衛手段を講じる
ということだ。
①体質改善
花粉症なら「体質」だが、メンタル不調の場合は、「気質」といったほうが良いのかもしれない。
心身相関なので、ここでは同じような意味として使っていく。
これについては「メランコリー親和型」という、メンタル不調になりやすい気質のパターンがあるという内容を、以前のコラムに書いた。
メランコリー親和性は、真面目で心遣いができる、いわゆる「良い人」が持ちやすい傾向だ。
対策についても書いたので是非読んで欲しいのだが、その一つに、いい人すぎて、メンタル不調になるくらいなら悪い人になれ、と、あえて極端なことを書いた。
要は、今までの自分でメンタル不調になるくらいなら、考え方を大きく変えてみようということだ。
自分の考え方を変えるほど難しいことはないと思われがちだが、私は他人の考え方を変えるよりはよっぽど簡単だと思っている。
むしろ、変えられるのは自分だけ、ともいえる。
他人を変える、他人が変わるのを待つよりは、自分の考え方を変えてしまうほうが、よほど効率的で効果的だと私は常に考えている。
それでも、決して簡単なことだとは言えないし、それがとても難しいことなのもよくわかっている。
あくまで、他人を変えるよりは、という比較の話だ。
でも、一度考え方を変えてしまうことができれば、意外となんだ簡単なことじゃないか、となるのが常である。
できるできないは一旦置いておいて「やってみる」のがよい。
ダメなら元に戻せばいいだけなので。
そう考えたら気軽でしょ?
②ストレスの量を減らす
これが一番難しい。
これができればメンタル不調になんかなっていない。
ストレスの原因から離れたいのに離れられない、逃げたいのに逃げられないから苦しいのであって、そう簡単にストレスの量を減らすなど言えないことはよくわかっている。
ストレスを減らすいちばん思い切った方法は、転職や引越しで環境を変えてしまうことだ。
花粉でいえば、在宅ワークメインの会社に転職をして外出をしないとか、花粉の少ない地域に引っ越すとかだ。
もちろん、それができればいちばんよいが、そこまでできなくとも、ストレスを少しでも減らす工夫をするだけでも違う。
ストレスは花粉と同じように体内に積もっていくものだ。
何事もまずは手のつけられる身近なところから変えればよい。
例えば、ダイエットのために控えていた夜のアイスを、食べたくなったら食べてしまう、とか、本当に小さなところから。
毎日ストレスの中頑張ってるのだから、それくらいのご褒美を自分にあげても良いと思う。
何事にも備えて鞄の中の荷物が多い人は、思い切って荷物を減らしてみても良い。
荷物が重いのも体にはストレスになっている。
ストレスは心のものと思われがちだが、物理的に体に与えているストレスだという説もある。
そうして知らず知らずのうちに我慢している小さなことに気付いてあげて、それを破ることをやってみてはどうだろうか。
③防衛手段
②ストレスの量を減らす、とも似ているが、避けがたいストレスに晒されたときにどう心身を守るかということだ。
花粉症ならマスクや、帰ったら顔をを洗うとか、鼻うがいをするとか。
上記の転職や引っ越しでストレス源に近寄らないのはいちばんの防衛ではあるが、ストレスに触れているときと、その後をどう対策するかだ。
これについても過去のコラムにいろいろと書いているので読んでほしい。
最近、私がストレスに晒されたときに行う対策として、注目しているのは、「怒る」ということだ。
対人関係で、ストレスを与えられたときに、「自分が悪い、自分のここを改善すれば」と思うのは意識的にやめようと思っている。
もっと怒っていい。
怒る人が嫌いだから、知らず知らずのうちに怒らないようにしていないだろうか?
怒れるひとを羨ましいとさえ思っていないだろうか?
自分も怒ってしまって良いと思う。
なぜなら、怒れることは元気のバロメーターでもある。
心身が病んでくると、怒ることもできなくなるので、要注意だ。
怒れることはまだ病んでない証拠と思って、積極的に怒ってしまおう。
あとは、趣味など何かに没頭する時間は必要だ。
月並みだが、リフレッシュの時間は絶対に必要だ。
運動でも音楽でもゲームでもなんでもいい。
そもそも過剰労働で、リフレッシュの時間がなくなると危険なのだが。
日本では仕事一筋が美徳になってしまっているが、仕事以外の夢中になれるものは必要だ。
趣味が高じて副業になってもよいし、それでうまくいけば本業をやめてもいいのだ。
どんな趣味でもいいので気楽にやってみることだ。
ただし、そうしたリフレッシュの趣味がある人でも、心身が病んでくると、それすら億劫になり楽しめなくなることもある。
普段できていた趣味が、なんだかやる気が起きない、というのは鬱の症状の一つなので、その場合は要注意だと自覚したほうがよい。
ほかにもメディテーションがよいなど、いろいろとあるのだが、メンタル不調は最終的には自分で自分にあった対策を見つけるしかない。
他人の励ましは効果がないし、時間が解決してくれるわけでもない。
ただ、
①体質を改善する
②ストレスの絶対量を減らす
③ストレスへの防衛手段を講じる
ことを、自分で行うことだけ効果が得られる。
他人からのアドバイスで役に立つのはこの部分だけだ。
とにかく情報収集をして、トライしてみて、自分のやり方を見つけてほしい。
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