【現代詩】『晦日の正夢』
『晦日の正夢』赤黄緑紫
“全員で分かりあえる平和があなたはやってくると思いますか”という質問に
中学生の僕は堂々YESと答えた
今は総ての人が分かち合うことの出来ないその事実を今日の価値に感じ、大人になって鹿尾菜(ひじき)を好きになれた絶妙じゃないけど その真実こそを 生命の長所に感じる
全員が分かり合うことを平和と決めてしまった時の 英雄にも殺人者にもなってしまったような、その身に巻き起こる薄ら寒さ居、畳まれなさ√なまあたたかさ。たった無邪気な“俺っぽちの人生”に 僕らをどうしてこんなにも辛く地獄漬けにする必要があるのか、今問いなおすー
馬鹿に晴れた晦日の空に手鏡を向けて さも、初々と。
一人一人の独占できる生々しいその空気を称賛する為以上に 毎朝 全く別の辞書を一つずつ引き直さなければ解読することのできない刷新の記事を
明朝からは配達してくれ、よー。
俺の寂れた懐一杯 君の言語をはたまた今日はお前のコードを 優しい言葉で解体しながら読み進めていく言語にならないこの時間 そうして生まれた感情を 誰に発表することもなく只一つ愛と決められる瞬間の瑞々しい心。そんな時には珈琲を飲みたい或いはルイボスティかもしれない
鹿威しが満を持し傾いてゆく一刻の様に一人一人をごくごく自然に肯定出来てゆくのならー平和なんて言葉なくてもよいのだーこの瞬間を生命の中に一斉に棲まわせ皆で明日にジャンプできたらどんなに良いか 平和なんて言葉、そんなもの 遠の昔に糞喰らえだった、嗚呼今日もきっと。明日の朝には目醒めて何一つ知る由もない√無責任で美しい
天衣無縫の揚羽蝶(アゲハ)に為りたいー。
あかきみどりむらさき
2024ねん
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