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芸術と仕事に生きた女性たち@「竹下夢二 版画展」

こんにちは、画廊カンヴァス城山です。

西武東戸塚S.C.西武館2階にて「竹下夢二 版画展」を開催中です!
会期期間も終わりに近づいてまいりました。
港屋さんによる名品が集結する本展をぜひお見逃しなく!


紹介動画新シリーズが始まります!

そして、画廊カンヴァス城山のダルメシアン「カンちゃん」が特別展の作品を紹介する「おしえて!カンちゃん」シリーズがInstagramにて始まりました。

作品についても深ーく解説しておりますので、ぜひ夢二ファンや美術ファンの方にみていただきたい動画シリーズです!

このnoteを書いている筆者の私は最近パペットスンスンというキャラクターにハマっており、はじめてカンちゃんが動いて喋っている姿をみたとき、ふわふわでピュアなスンスンみたいでひとめぼれしちゃいました。

元気いっぱい可愛さいっぱいのカンちゃんの活躍にご期待ください!(私自身もカンちゃんの活躍が楽しみです!(笑))

昔と今の女性の姿

さて、今回は「竹久夢二 版画展」にいらっしゃった女性のお客様とのお話を紹介いたします。

お陰さまで本展は多くのお客様にお越しいただいております。
なかには、昭和の最初の頃に生まれ、竹久夢二の作品がずっと好きだという熱烈なファンの方も!

そんな熱心な夢二ファンのお客様とは、夢二や作品について語らう中で「今と昔の女性は全然違うわよね~」なんてお話をすることがあります。

とある昭和初期頃生まれのお客様からは「座敷で寝転がっていたらおばあちゃんに怒られたのよ。他にも、お兄さんの馬の鞍にまたがっただけですごく怒られたの!」というエピソードを聴きました。
当時の女性は上品さや優雅さが今よりも強く求められていたということがよくわかるエピソードだなと思いました。

先日いらっしゃった女性のお客様は「私は大正ロマンが大好き。あの頃の女性たちが一番美しかった」と夢二について語ってくれました。(その時のお客様のうっとりと幸せそうに微笑む姿がとても印象的でした。)

夢二の美人画は、時代を越えてみる者を魅了する究極の理想が詰まっているといえるでしょう。

モデルだけじゃない!芸術家、ワーキングウーマンとしての顔をもつ女性たち

そんな男女問わずみる人をうっとりとさせる美人画は、夢二が愛した三人の女性たち――岸たまき、笠井彦乃、お葉(佐々木カネヨ)――をモデルに制作されたことはよく知られています。
しかし、彼女たちは、ただ理想的に描かれ、ただ見られるという受動的な存在ではないのです……!
彼女たちは芸術や仕事に励んだ能動的な女性でもあったのです。

例えば、笠井彦乃は夢二に勧められ、美術学校に通っていた画家志望の女性でした。

金沢湯涌夢二館では、そんな画家を志していた彦乃にスポットライトを当て、貴重な彦乃の絵が描いた作品や遺品を展示する企画展が過去に行われていました。

彦乃の描く絵は、夢二の美人画(何も知らないまま「夢二の作品だよ」と言われたら、うっかり信じてしまいそう……!)とも似ていて、恋人である夢二の強い影響と存在を感じさせます。
けれども、彦乃の描く伝統的で優美な植物に囲まれた女性は聖母のような温かさと清らかさといった独自性があります。

彦乃は残念ながら、23歳で短い生涯を閉じてしまいます。
もし長生きをしていたら、女性の芸術家として活躍し、日本美術史に名前を刻む作品を多く残していったのではなでしょうか。(とても惜しい……!)

最初の奥さんだった岸たまきも、「港屋絵草紙店」の店主も務めたしっかり者のワーキングウーマンであり、日本画の知識も有していました。(たまきの最初の夫・喜一も日本画家でした。)

お葉も短い生涯ですが、裸婦モデルとして活躍し、日本画家たちに大きな影響を与えた生きざまは大胆で先進的です。

夢二式美人の女性たちは守ってあげたくなるような儚く繊細な雰囲気があります。しかし、実際にモデルとなった女性たちは仕事に励んだり、芸術活動に勤しんだり、それぞれ懸命に生きていたのですね。
夢二を魅了した彼女たちの美しさは内面から顕れたものだったのではないでしょうか。

モデルとなった女性たちの人生を知った上で作品を鑑賞すると前とは違った見方ができるかもしれません。

ぜひご来廊お待ちしております!!

ご案内

画廊カンヴァス城山 開廊23年記念「竹久夢二 版画展」
西武東戸塚S.C.西武館2階=特設会場
1月12日(日)~2月28日(金)
10:00~20:00

※今後のご成約の状況につき展示内容が変更になる場合がございます。また本記事でご紹介した作品は予告なくお取り扱いを終了する場合がございます。

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