【書評】 なぜか「なんとなく生きづらい」の正体
心の小さな傷に光を当てる革新的な一冊
私たちの人生には、大きな出来事だけでなく、日々の些細な出来事が積み重なっていきます。
一見取るに足らないように思える小さな心の傷、それが「スモール・トラウマ」です。
本書は、これまであまり注目されてこなかったこの「スモール・トラウマ」に焦点を当て、その影響と向き合い方を詳しく解説しています。
著者のメグ博士は、40カ国以上で翻訳され世界的に注目を集めているこの分野の第一人者です。
本書では、日常生活で経験する些細な出来事が、どのように私たちの心に影響を与えていくのかを、豊富な事例とともに紐解いていきます。
特に注目すべきは、本書が提唱する「AAAアプローチ」です。
これは「気づき(Awareness)」「受容(Acceptance)」「行動(Action)」という3つのステップで構成される実践的な方法論です。
このアプローチを通じて、読者は自身のスモール・トラウマを認識し、それと向き合い、そして克服への道筋を見出すことができます。
本書は全11章で構成され、各章でスモール・トラウマが私たちの生活のさまざまな側面にどのように影響を与えているのかを詳細に解説しています。
例えば、完璧主義や先延ばし癖、食事の問題、睡眠の質など、日常生活に密接に関わる話題を取り上げ、スモール・トラウマとの関連性を明らかにしています。
特筆すべきは、本書が単なる理論書ではなく、実践的なワークブックとしての側面も持ち合わせていることです。
読者は「ライフ・アセスメント」や「ライフ・プロット」といった具体的なエクササイズを通じて、自身の状況を客観的に見つめ直すことができます。
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本書を読んだ感想として
本書を読み進めていく中で、私は何度も「なるほど」と頷かずにはいられませんでした。
日々の生活の中で感じる微かな違和感や、説明のつかない不全感の正体が、実はスモール・トラウマだったのかもしれない。そう気づかされる場面が数多くありました。
特に印象的だったのは、「永遠の幸せ」を追い求めることそのものが、新たなスモール・トラウマを生み出す可能性があるという指摘です。
常に幸せでいなければならないというプレッシャーから解放され、人生の起伏を自然なものとして受け入れることの大切さを、本書は教えてくれます。
また、本書の特徴的な点として、読者に寄り添うような温かい語り口調があります。
著者は決して高圧的な態度を取ることなく、むしろ読者と同じ目線に立って、スモール・トラウマと向き合う方法を提示してくれます。
本書の実践的なアプローチも非常に印象的です。
特に「AAAアプローチ」は、理論と実践のバランスが絶妙で、読者が自分のペースで取り組めるよう工夫されています。
具体的なワークシートや演習は、自己理解を深める上で非常に効果的です。
本書を特におススメしたい人
・なんとなく生きづらさを感じている方
・日々の小さなストレスに悩まされている方
・自己理解を深めたい方
・メンタルヘルスに関心のある方
・カウンセラーや心理療法家を目指している方
・人間関係に悩みを抱えている方
・完璧主義から抜け出したい方
・自己成長に興味のある方
本書とあわせて読みたいおススメの書籍
・潜在意識は1秒で変えられる! 潜在能力を顕在化し自己成長できるメソッド 近藤 祐子 著
・新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい ジュリア・キャメロン 他1名 著
・心の絶対法則 なぜ「思考」が病気をつくり出すのか? 内海聡 著
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本書のまとめ
スモール・トラウマは、私たちの人生に静かに、しかし確実に影響を与え続けています。
本書は、これまで見過ごされてきたこの小さな心の傷に光を当て、その重要性を説きながら、具体的な対処法を提示しています。
著者が提唱する「AAAアプローチ」を通じて、読者は自身のスモール・トラウマに気づき、それを受け入れ、そして適切な行動を取ることができるようになります。
本書は、完璧な人生や永遠の幸せを追求するのではなく、人生の起伏を自然なものとして受け入れながら、より充実した生活を送るためのガイドとなっています。
日常の小さな出来事が持つ意味を理解し、それらと向き合うことで、私たちは本来の自分を取り戻すことができるのです。
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