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究極のワイン

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このマガジンでは、アメリカのすごいワインに関連する話題を取りあげます (50本)。 「ワインにはあまり興味がない」 「ワインをおいしいと思ったことはあまりない」 このような方々に…
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#最近の学び

いま売っているいちばん高いアメリカワイン 〜泥棒ワイン!?〜

Thief。 650万円強で販売中です。 おそらく、今売っているアメリカワインで、いちばん高いものだと思います (mL換算)。 どうしてこんなに高いのでしょうか。 実はThiefというワイン、Robert Parker Wine Advocateからもっとも多く100点を獲得しているアメリカワイナリー「シネ クア ノン」が立ち上がる前に造られたもっとも古い作品なのです。 シネ クア ノンは、前回ご紹介しましたとおり、ファーストヴィンテージは1994年であり、一夜にし

2番目に高い販売中のアメリカワイン

先日、いま売っているいちばん高いアメリカワインをご紹介しました。 今回は、2位をご紹介したいと存じます。 Sine Qua Non Gewürztraminer With No Name 1999です。 本日時点で300万円強で販売中のようでした。 1位のものはラスベガスで販売中ですが、こちらはロンドンで販売中です。 Hedonism Winesというお店で、わたしがもっとも行ってみたい場所のひとつです (ヘドニズム: 快楽主義)。さまざまな写真をみる限り、内容もさるこ

一夜にしてカルト化したシネ クア ノン

「私を信用してください」と、パーカーはクランクルに告げた。「何度も同じようなことを経験していますから。私の次のニュースレターが発売されたあと、ものすごい数の電話がかかってくるようになります。…」 [引用: ワインの帝王 ロバート・パーカー (エリン・マッコイ著)] マンフレッド クランクルは、ロサンゼルスでレストランを経営していました。 一方で彼は、「濃密でリッチ、際立って個性があり複雑、そして世界に二つとないワインを造ってみたい」との思いがあったそうです。そして、妻エ

幻のゼロヴィンテージ !?

「2008」というだけで、価格に2倍のちがいがあるんです。 Promontory (プロモントリー) というワインで、あのハーラン家の新しいプロジェクトです。 2008年ヴィンテージがどのくらい高いかと言いますと、本日wine-searcherで調べてみたところ、15万円前後で世界で3か所のみで売られているようでした。 一方、例えば2012年ヴィンテージの価格をみてみますと、それでもかなり高いのですが、半値の7、8万円前後で多くの場所で売られています。 それではどうし

すばらしいワインには「バランス」と「複雑さ」も大事 !? 〜 BLICのススメ 〜

「何も言わずにワインをテーストすることはできる。しかし、どうして何も語らずに意思の疎通をはかることができるだろうか!」 (ワインテースティング入門 M・ブロードベント 著より) 先日、ロバート パーカーの言葉を用いて、すばらしいワインとは「低収量」と「熟したブドウ」で決まるかもしれないと書きました。 それらは、各々、”凝縮感”と”熟した果実味”を生み出すと考えられます。 しかし、それ以外に重要な要素はないのでしょうか。 忘れてはならないと考えられるのは、「バランス」と「複

ワインの味に影響をあたえるもの

リストにヴィンテージ — ぶどうが収穫された年 — を明記していない店は、やる気がないかだらしない。極端な例になるが、あるとき僕はルーマニアのブカレストでシュールなほど時代遅れなレストランに入ってしまった。なんとその店のワインリストには、ヴィンテージどころか作り手の名前もなかったのだ。僕が頼んだカベルネならぬカブルネは、ペンキの剥離剤とおぼしき、すさまじい味だった。 (NYスタイル ワイン・ブック  マーク・オールドマンより) ワインの味に影響をあたえるものはたくさんあると

賞味期限がいちばん長いアメリカワイン ?!

ワインはアルコールや高い酸性度などの影響で腐らないといわれていますが、酸化などによる劣化は存在します。 ものによりピンキリですが、赤ワインでは5〜30年くらいに飲むべきとされるのが一般的かもしれません。 ロバート パーカー ワイン アドヴォケイトの評価には「Drink Date」というものがあるため、それがいちばん長いアメリカワインを調べてみました。 ワインは満点のものを採用しました。 その結果驚くべきことに、賞味期限 (?!) が「2080年」のワインが存在することがわ

11つの悪いワインからみた良いワイン !?

良いワインとはどういったワインか、味の観点からもう少し考えてみたいと思います。 良いワインのコメントはしばしば聞きますが、悪いワインのコメントはあまりきいたことがありません。 そこで、ロバート パーカーがこれまでに「容認できないと思われるワイン」 (50-59点: A wine deemed to be unacceptable) としたアメリカ赤ワインを調べてみますと、11つありました。 具体的なワインにはふれませんが、有名なものも含まれていました (コメントは下に)。

いくらのワインがお得なのか?

先日、アメリカワインの過半数がいいワインとして評価されていることをご紹介しました。 それでは、それは価格によらないのでしょうか? RPWAのデータを用いて、価格 ($) を横軸に、90点以上と評価されたアメリカワインの割合 (%) を縦軸にして作図してみました。 ご覧いただいてお分かりいただけますように、60ドルくらいまでは急勾配ですが、それ以降はなだらかになっています。 急勾配ということは、(その価格帯では) 評価が一定していないと言えるかと思います。一方で、なだらか

ワインを買う 〜Wine-Searcherの活用〜

気になったワインをどうしても手に入れたいのであれば、Wine-Searcherがとてもおすすめです。 世界中で特定のワインを売っているお店を探すことが可能です。 探し方は、画面中央の白い空欄に、ワイン名を入力し、ヴィンテージとお店がある国を選ぶだけです。 お店がある国として日本を選ぶ場合には、これ以上の説明は不要と思いますが、海外の場合には英語でのやり取りが必要かもしれません。 むしろ、ワインの在庫やお店の対応を確認するために、お店がある国が海外の場合には、購入前にメー

11つの数からみるアメリカワイン

アメリカワインに関する11つのナンバーをご紹介します。 カリフォルニアやナパが主体になりますが、ひとつでもお役にたてれば(!?)幸いです。 4すべてのカリフォルニアワインの4%がナパ ヴァレーで生産されている。 一方、最大の生産地は内陸の広大なセントラル ヴァレー。 33ナパ ヴァレーには33種もの土壌が見られる (世界の半分)。 なお、土壌がワインの “風味” へどういった影響を与えるかは明らかになっていない…。 51ナパ ヴァレーに植わる品種の51%がカベルネ ソー

「ワインセラーとか持ってるの?」

「ワインセラーとか持ってるの?」 わたしが誰かにワイン好きであることを伝えたときに、多くの方々からいただく言葉です。 これは、わたしがワイン関係の仕事をしているわけではないことも大きいかもしれませんが、日本に特徴的なことだとも思います。 日本の場合、ワインを愉しむ文化が定着していないこと (約4本/年)、部屋の温度が高くなることが主な原因ではないかと考えます。 すなわち、「保管にお金を費やすほどワイン好きなんですね」というあいづちなのかもしれません。 ということで、

ワインと健康 〜 適量なら自分次第 ?! 〜

ワインは健康に良いのでしょうか、あるいは悪いのでしょうか? おそらく現時点で言えることは「飲み過ぎは良くない」ということだと思います。 「それってあたりまえでは?」 と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのとおりで、 「それ以上に明らかになっていることはあまりない」 ということなのではないかと思います。 以前よりワインと健康との関係には興味があったのですが、最近、中田敦彦のYouTube大学で「酒は百薬の長ではない?」という動画をみて気になっていました。

マスターオブワイン

マスターオブワインをご存知でしょうか? ワインの資格の世界最高峰で、現在わずか493人が保有しています (日本人は2人)。 ソムリエとの違いをざっくりと言えば、ソムリエがサービスに力を入れる資格であるのに対して、マスターオブワインはより知識に力を入れている資格と言えるのかもしれません。 今回は、マスターオブワインの友人が受けたインタビューの一部をご紹介させていただきます! 彼がマスターオブワインを目指すことを決めた瞬間とその後に大切にしたことに心惹かれます。 (英語や