見出し画像

幻のゼロヴィンテージ !?

「2008」というだけで、価格に2倍のちがいがあるんです。

画像1

Promontory (プロモントリー) というワインで、あのハーラン家の新しいプロジェクトです。

2008年ヴィンテージがどのくらい高いかと言いますと、本日wine-searcherで調べてみたところ、15万円前後で世界で3か所のみで売られているようでした。

一方、例えば2012年ヴィンテージの価格をみてみますと、それでもかなり高いのですが、半値の7、8万円前後で多くの場所で売られています。

それではどうしてこのようなちがいが起きているのでしょうか?

これは、希少価値によると考えられます。

プロモントリーは、2009年ヴィンテージをファーストリリースとして、特定の方々に売りに出されました。しかも、5年近く経った2014年に...。

しかし、実は、幻の2008年ヴィンテージが存在していたのです。

このあたりが、(アメリカ)ワインの魅力のひとつであると思っています。

ちなみに、2008年ヴィンテージのテイスティングノートは、Robert Parker Wine Advocateにも存在していません。

何らかの情報媒体で、2008年ヴィンテージもつくったような記載をみかけたことがあったので、数年前にワイナリーに訪問した際に、

「2008年はないのか?」

と尋ねてみました。

すると、

「あります」

との返答をいただきました。その時の感動は忘れられません。

画像2

当時、2008年ヴィンテージはwine-searcherにもでておらず、世界で販売しているお店はゼロでした。予備知識に加え、人に直接会うこと、そしてダメもとで尋ねてみることの大切さを学んだ瞬間でもありました。
ちなみに、750ドルであったと記憶しています。

つまり、ワイナリーに訪問した客にしか売ることのない幻の”ゼロ”ヴィンテージが存在していたわけです。

正直わたしはヴィンテージ間の味のちがいはわかりませんが、味のちがい以外の部分におもしろさを感じます。

ヴィンテージの背後にあるストーリーを少々気に留めて、価値のちがいを愉しんでみることはいかがでしょうか。

パーカーは最終的にプロモントリーに100点を与えることはありませんでしたが、その後を引き継いだLisa Perrotti-Brownが一昨年と今年、2016年ビンテージに100点をつけました (飲み頃はなんと2065年まで)。

そのテイスティングノートから香りと風味の部分をご紹介します。(以前別のワインで触れたことがありますが、ここでもcrème de cassisが出てきました!)

..... bold scents of black cherries, blueberry pie and licorice, leading to a slowly emerging core of crème de cassis, dark chocolate, black soil and truffles plus touches of cumin seed, mossy bark and beef drippings. The full-bodied palate is densely packed with muscular fruit, backed by a rock-solid structure of very firm, exquisitely ripe, grainy tannins and fantastic tension.

2008年の”ゼロ”ヴィンテージが騒がれる日は遠くないかもしれません。

画像3

森林や斜面に囲まれ、大変美しいところです。

(Header Photo by Clem Onojeghuo on Unsplash)

いいなと思ったら応援しよう!