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ワインの味に影響をあたえるもの

リストにヴィンテージ — ぶどうが収穫された年 — を明記していない店は、やる気がないかだらしない。極端な例になるが、あるとき僕はルーマニアのブカレストでシュールなほど時代遅れなレストランに入ってしまった。なんとその店のワインリストには、ヴィンテージどころか作り手の名前もなかったのだ。僕が頼んだカベルネならぬカブルネは、ペンキの剥離剤とおぼしき、すさまじい味だった。
(NYスタイル ワイン・ブック  マーク・オールドマンより)

ワインの味に影響をあたえるものはたくさんあると思います。

樹、標高、地形、方位、土壌、樽・タンク、価格、評価(評価者)、料理、色、ボトル(ラベル・コルクの状態)、デキャンタージュ、順・量、どこで、誰と、雰囲気、目的…..。

それでは、特に大きな影響をあたえるものは何でしょうか

以前、ロバート パーカーの言葉を引用して、”低収量”と”熟したブドウ”が重要である可能性を述べました。これらには、「生産者」「日射量などの天候 (国/地域) 」が大きく関係しており、ワインの味に影響をあたえる最たるものだと思います。

それでは、「生産者」と「日射量などの天候 (国/地域) 」以外には、どういった因子が考えられるでしょうか。

人それぞれだと思いますが、わたしは特に以下の4つが大きいと考えました。

「ブドウの種類」
「熟成させた期間」
「ワインの温度」
「グラスの種類」

それぞれ以下のように思います。
・ブドウの種類が変われば、大きく違う飲み物に変化する。
・適度に熟成したワインでは、熟成香が複雑さに寄与してくれる。
・冷え過ぎたワインでは、香りと風味を愉しむことが難しい。
・厚く小さなグラスより、薄く大きなグラスでのんだ方がおいしい。

折角のワイン。品種、年、温度、そしてある程度いいグラスにはこだわりたいものです。

これらを当然と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はこれらが軽んぜられるケースは少なくありません。

例えば、

「(お店の方より) 赤はグラスでフランスワインとイタリアワインがあります」とか、

「(ワインリストに) シャトー・ラトゥール ボルドー/仏 ¥.....」(つまり年なし) とか、

「はいどうぞ (とキンキンに冷えたそこそこの赤ワイン)」だったり、

「はいどうぞ (と厚く小さなグラスで…)」

だったり、などなど…。

大したお店に行ってないからじゃないの?
という意見もあるもしれませんが、実はそこそこのところだったりするのです。

つまり、ワインが料理のお供として軽んぜられている可能性があり、また真のパフォーマンスを引き出してあげれていないケースがあると思うのです。

ワインの味は販売前だけで決まるものではなく、販売後の影響も大きいのではないか、というお話でした。

長年かけて販売にいたったワインの旅は、販売後のまれるまで終わらないといえるかもしれません。

年齢に対しては、こだわりがあり、公開までされることが多い日本。
例えば、その幾分かをワインの年に傾けることができれば、さらに豊かな方向へ少なからず変わっていく気がします…。

(Photo by Theme Photos on Unsplash)

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