親愛なる自分を愛せない"ご自愛女子"を愛したい
現代社会で闘う女子たちは、魔法の武器が必須である。
いや、そう言い聞かされている、と言ったほうが正しいのかもしれない。
少し前から度々、「#ご自愛消費」など”ご自愛”を冠する#を見るようになった。それに深ーくうなづきつつ、その社会記号に少し腹を立てているのである。
「#ご自愛消費」とは
じ‐あい【自愛】 [名](スル)
1 自分をからだを、大切にすること。「時節柄ご自愛ください」
主に手紙の結びの言葉として、基本的に誰かに対してかける言葉だ。
「#ご自愛消費」とは、その言葉通り自分にベクトルが向いている。自分の健やかな心と体のために、ちょっといいコスメを買ったり、ちょっと贅沢な食べ物を食べたり体験をしたりして、自分の機嫌をとるように消費をすることを指す。
これはあともうちょっとでHPがなくなる、、、そのタイミングで、エナジードリンクを投入するのと感覚が似ている。
ヘトヘトな時、駅近のドラッグストアのコスメエリアに吸引される。明るい照明、キラッキラと陳列されるコスメたち。
こんなボロボロな自分を、このリップが、このクレンジングが、このラメが、変身させてくれるかもしれない!!ーー効果絶大で、女の子が楽しいと思う瞬間である。
この時の高揚感を私は知っている。そして、この効力は長くは続かないことも。
自分を愛したいのに、愛することができないから、「#ご自愛消費」はそのギャップを埋めるために消費を促す社会記号であり、こういったギャップを抱える愛すべき女子たちを、ご自愛女子とここでは呼ばせていただきたい。
ご自愛女子の部族たちーー女子見聞録
突然だが、どうしようもないギャップとストラグルする女子が最高に可愛いと思っている。(控えめに言うが、そこに自分も含めている。にこり)
ご自愛女子にはいくつか特徴がある。
・友人からは相談される側で、気配り上手
・世渡りは上手な方
・過去の自分の言動が気になって尾を引いてしまう
・完璧主義がち
などなど
自分のモヤモヤを誰に吐けばいいかわからない。そもそも自分のモヤモヤが人に言うほどなことではない、病名のない小さなモヤモヤにすぎない、と思う(けど自分には重大)。人に相談する時間や、気を遣ってもらうのも申し訳ない。気軽に押せる「ヘルプボタン」があればいいのに。しいたけ占いを見てひとりでに今日がんばった自分をなんとか救出し、明日も平静を装うために武装する。。。この武装の一つが、コスメや癒しグッズなのだ。
ちなみに、ご自愛できる力は、「自分はできると信じる力」=自信と強い結びつきがある。最近読んだ本の中で、"自慈心"として紹介されており、テキサス大学教育心理学部で学術的に研究されている、注目の概念だそうだ。なんじゃそりゃ
自慈心
自分を粗末にしないで、人であるがゆえの強さと弱さを全て受けいれ、人間らしくあることを促す。
自信をつける過程にある"リスク"を受け入れやすくする、セーフティネットの役割を果たす。
なるほど。
堕ちきる前に、「ま、そんなこともあるよねん」と、華麗に舞い戻る力と言える。自分を飛ばし続けるのに重要なスキルだ。
それを理解してなお、思うことがある。
消費じゃ自分を愛しきれない
ウッセー!知ってる!わかってる!
それでも、限定色のコスメで、お酒で、ちょっとリッチなパックで、ハーゲンダッツで、なんとか自分のご機嫌を取ろうとしているんジャン!
その通りだ。し、これからも自分を必死に愛するための武器を自分は買うだろう。
ただ、ご自愛する力は、習得するものだ。習慣であり、マインドセットだ。お金で買える代物ではない。まとめサイトを見て獲得できるものでもなく、もっと素朴なものだ。
そして、思っているより多くの女子たちがこのギャップに対して戦っていることを、最近本当によく感じる。間違いなく私はその1人だ。
私的去年六月目標(壁に貼ってた)
自分だけが自分をコントロールできないダメなやつでは、絶対にない。(あ〜〜ん、よかったーーー!)
だから今日も「まーた暗い顔して、しょうがないやつだな〜」と言って可愛がり、来る明日に備えるのである。
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