私らしい私は、まだみつかっていないけれど。
物を書いたり作ったりしていると。
色々な方から批評されたりスルーされたり
色々だけど。
いつだって書くことや発表することから
怖さは遠のかないので、書くぞって覚悟
するまでに時間がかかる。
そんなわたしにも、かけてもらっ忘れられない
言葉がある。
はるか昔のこと。
わたしが投稿ばかりに精を出していた頃、はじめて
短歌を選んでくださったのが、蜷川幸雄さんだった。
はじめは蜷川さんの舞台演出での熱を放つ力を、
雑誌などのうわさで聞いていただけに、
短歌の選者である蜷川さんにわけのわからない
不安とおそれを感じていた。
でも、どこにも所属していなかったわたしは
そんな他流試合をこなすことでしか、短歌との
つながりがみつけられなくて、毎月何首かの歌を
詠んでは、マガジンハウスの<鳩よ!>の
編集部宛てにせっせと送り続けていた。
冒頭ちかくの蜷川さんの文章は、そのコーナーで
採用してくださった時の文章だった。
応募作に対して、たくさんのダメだしや言葉の上
での<灰皿>が、短歌めがけて飛んでくるかも
しれないことを想像していたわたしは、その真摯さに
こころ打たれたことを思い出す。
いつもいつも選ばれることはなかったけれど、
蜷川さんに頂いた短歌への評語はいま読み返すと、
ほんとうに励みになることばかりだった。
蜷川さんはいつも<短歌たち>と人称化して
呼んでいらっしゃったことも、あたたかくて
懐かしい。
今、バックナンバーをしずかにめくりながら
いろいろな想いに取り囲まれている。
あの頃の焦燥ややるせなさや、うまくいかない
日々を回収できなくてもやもやしていたあの
時間のことを。
それは今もどこか変わらない表情でわたしの
前にあるような気がする。
ずっと変わらないんだなって思いながら。
あれからも短歌を辞めたりまた続けたりしながら
ここのnoteで再び出会い直したようなそんな
気持になっている。
こころのずっと奥底に響いてくるような蜷川さんの
肉声がいま一瞬、聞こえたような気がしていた。
🍃ライラック杯の短歌部門に参加します!🍃
今回は、審査員もご一緒させて頂くことになりました。
みなさんのすてきな作品にたくさん出会えることを
楽しみにしております。
〆切は25日まであります。まだまだ大丈夫ですね!
どうぞよろしくお願いいたします🍃