週末の深夜に2時間ドラマの帝王が帰ってきた/土ドラ『テイオーの長い休日』
ドラマ『波よ聞いてくれ』が終わってしまい、週末の楽しみが一つ減った。マシンガントークキレッキレのミナレも、ニヤニヤする麻藤も大好きだったのでとても寂しい。
話は飛ぶけど、2週間違和感のあった膝を診てもらおうと決心し、週末整形外科を受診した。もし人生初水を抜かれても、週末2日ぐらい安静にしていれば大丈夫かなと思って。案の定、触診、レントゲンときて、水抜き&注射という流れ。水抜きは激痛だったが、これで膝の違和感がなくなるなら、とこらえた。見せられた液体は透明な薄黄色で、先生は「正常。問題なし」と言った。レントゲンの結果も異常なし。なのに、帰宅後数時間も経たないうちに今度は膝上部がみるみる腫れてかなり痛い。病院に行く前までは鈍痛ながらも歩けたし膝は曲がったのに、水を抜いたら歩けない&膝が曲がらないとは、一体どういうことなんだろう。つらい。週明けからのバイトは大丈夫だろうか。まさかの負の連鎖続行中……。
心が折れそうなので、先週から新たに始まったフジの土ドラ『テイオーの長い休日』を観て、なんとか持ちこたえている。
“帝王”といえば、2時間ドラマの帝王・船越栄一郎さんである。このドラマでは、芸能事務所「オリジンプロダクション」(通称オリプロ)に所属するも、昨今のドラマ事情により1年以上も仕事が無い元2時間ドラマの帝王・熱護大五郎を演じている。名前からして、面倒くさそうな人物じゃないか。
(以下、ドラマの内容を若干含みます)
テレ東さんで放送されたドラマ『警視庁考察一課』は、2時間ドラマでお馴染みの人たちが集結したドラマだったのを覚えているだろうか。今回のドラマでも、2時間ドラマや事件モノに欠かせない人たちがレギュラー出演している。
例えば、熱護のマネージャーになったシングルマザーの吉田ゆかり役には戸田菜穂さん! 多くの役柄で、普通に暮らしているのに悲しい事件に巻き込まれやすい戸田菜穂さん! ドラマ『JIN-仁-』では喜市っちゃんのおっ母さん。不幸にも辻斬りに遭って亡くなってしまう、あの母親だ。2時間ドラマでも、だいたい悲しい過去を引きずるか、つらい人生を歩んでいる。
私が戸田さんを認識したのは、彼女が主演したスペシャルドラマ『葡萄が目にしみる』。葡萄畑の広がる田舎で暮らす、劣等感に悩む普通の高校生役だった。ラスト近くの駅のシーンは、とてもよく覚えている。朝ドラ『ええにょぼ』のヒロインを演じたのは、もっと後だったと思う。2000年前後、ドラマ『ショムニ』で演じた秘書課のリーダー・美園を覚えている人は多いかもしれない。
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プライドが高く偏屈だが演技には定評がある熱護と、そんな彼に振り回されながらも再び芸能界で彼を輝かせるために奔走するゆかり。ドラマは、この2人を軸に進んでいく。「オリプロ」の社長は木場勝己さん、デスク・藤本は久保田磨希さん、大手芸能事務所「トレランス」の取締役・寿は、旅番組と刑事モノの準レギュラー的存在・前川泰之さんが演じている。
物語は、夫が残した洋食屋を一人で切り盛りしていたゆかりが、店のボヤ騒ぎから営業を諦め、独身時代にキャリアを積んだ芸能事務所のマネージャー職を探すところから始まる。ゆかりがマネージャーになることを認めない熱護だったが、彼女の事情や子どもたちに接し、ある決断をする。
数々の2時間ドラマに出演した船越さんが熱護を演じるとあって、過去の出演作のパロディが登場。ちなみに初回は、土曜ワイド劇場の『火災調査官・紅蓮次郎』だった。他局だけど。
果たして熱護はスターに返り咲けるのか? 人生のリベンジをはかる熱護とゆかり。登場人物の生き方だけでなく、ドラマづくりの内情にも触れながら気軽に観られるのがいい。
そして私は、この膝をどうにかしたい。
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