老化防止の賜物。
半年前、実家への正月土産はPPバンドだった。手先を動かすことが好きな母は、暇さえあればPPバンドでバッグを編む。最初はグリーンセンターなどで売られている白、黄、青のバンドで編んでいた。あるとき他の色を探してほしいと頼まれてネット検索したら、ハンズマンの通販にあるではないか。実店舗へ行ってみたら、豊富な品揃え。実用よりクラフトという趣味の世界での需要が大きいのかもしれない。そんなわけで、注文を頼まれたときは母が欲しい色+私が勝手に選んだ色を買って帰るようにしている。
先月帰省したら、私がオーダーしていたグレー×レッドのバッグができていた。
以前は編み物をよくやっていたが、さすがに目が辛くなったらしい。そんなとき、たまたま知人に教えてもらったのがPPバンドのバッグづくり。今さら「老化防止」と言うのもおかしかいけれど、とにかく手先を動かすのだけは止めない人である。最近は、姉が通販で頼んでくれるソーイングキットもやっているみたいで、布ぞうりもそのひとつ。夏、部屋で履くと気持ちいいのでひとつ持ち帰った。
こういう人は料理も好きと思うでしょ?
ところが、そちらは好んでつくる人ではなくて。ただし加工品は別。もともと農家なので、「もったいない精神」がそうさせるのだと思う。だって大量なんだもの、旬の野菜が。食べても食べても、次から次に収穫できちゃう。この時期になると、大量のゴーヤーの佃煮が冷凍されることになる。
そんな母が最近はまっているのは、きゅうりの辛子漬け。実家で私も食べた。これは程よい辛味があっておいしい。でも食べ過ぎて、塩分過剰摂取になるパターンだ。
分量を教えてと言ったら、持ち帰った野菜の中に手書きのメモが入っていた。う……、砂糖と塩の量が半端ない。この2つの調味料を3分の1の量に、また酒と粉辛子を半分の量にし、きゅうりをカットしてトライ。分量教えてもらった意味ないやん、というのは置いといて(笑)。
ジッ〇ロックに全部放り込んで、ときどき揉み込んだら大量の水分が出てきた。冷蔵庫で数時間漬けて、あげてみた。うーん、それでも濃かったかな。カットをもう少し大きくすればよかった。でもおいしくて箸が止まらない。
先日、新たに収穫した大量の野菜が送られてきた。きゅうりの辛子漬け、リベンジしよう。
その前に、大量のゴーヤーを下処理。毎日毎日ゴーヤーだ。一部は瑞々しいうちにサラダで食べた。翌朝は、たっぷりパンにのせて食べた。茹でて下処理した芋のつるも入っていた。ただ炒めて味つけすれば完成。ありがたい。
そんな実家の野菜も、来年あるかはわからない。私はただ、ありがたく恩恵にあずかっているだけで何も返していない。おいしくお腹におさめるのがお返しみたいなもんである。