私のガラケーがついに壊れた 「2026年の3月末日でガラケーは使えなくなるので、部品もないし、修理はもう行ってないですよ」と、NTT ドコモのつれない言葉。 夫のガラケーはまだ健在だ。認知症で要介護3の夫は、デイサービスやショートステイを利用した帰りには「これから帰る」と、必ず私の携帯にかけてくる。そうすれば"帰ったらすぐ飯が食えるから"ということらしいが、とにかくもう習慣になっている。それが中断となり、長引いてしまうと携帯を使えなくなってしまうかもしれない。 それはまずい!
道路を挟んで向かいの家の奥さんから電話があった。 「ご主人、うちに来ているので心配しないで。お昼まだだって言うから、うちのお父さんと一緒にご飯を食べているから」 「えー。……」 慌てて飛んで行ったら、夫はニコニコしてお昼ご飯をごちそうになっていた。そして私に 「美味しいよ。お前の作るのとは全然違うよ。料理上手な奥さんが作るこんな美味しいのを、いつも食べてるなんて、いいなあ!」 ふざけるな!と言いたかったが、懸命にこらえた。 そもそも、お風呂時なのに、どうしてこうも図々しく、よ
-----------------2021.06----------------- 「飯は何?」 「まだ決まってない!!」 「なんでそんなにイライラしてるの?俺は飯は何?って聞いただけだよ。別にお前の作る飯がまず言っていったわけじゃないだろ」 病院の前。暑い中。タクシーの順番待ちの長い列。そんな中でのやりとり。 私たちの前の上品な老婦人が、笑いを押さえるようにして下を向いたとき、初めてシマッタ!と思った。 認知症の夫の脳外科受診の付き添い。いつもだと二時間半ほどなのに、今回
インフルエンザなどの予防接種は、いつも、夫と二人で一緒に受ける。それで、特に支障をきたすこともなかった。 コロナワクチン接種も、同じようにと一回目と二回目を申し込んだ。早く済ませることが最優先だと思い、接種場所が家の近くの行きなれた医院ではなく、集団接種会場となっても、あまり気にしてなかった。 予診票は、それぞれ自分で書くようにしている。認知症の夫は住所表示が変わってもう何年も経つのに、相変わらず旧表示で書いてしまう。 「まあ、予防接種と年賀状の時ぐらいだから、仕方ないわね
逡巡 後編というか、解説?介護をされている方へのメッセージになります。 まず、認知症の介護で大変な夜の尿失禁ですが、手術で軽減される可能性があります。 父も手術で軽減されました!(でも、軽減です) 母がエッセイにしたためるのは、まだまだ先になるので、この件だけは先にUPしておこうと思います。 !!!!!手術で尿失禁は軽減される可能性があります!!!!!!!! 介護、大変ですよね。 特に介護者を追い詰めるのが夜失禁ではないでしょうか。 オムツにパットを当て、防水巻きスカート
私の住んでいる地区は、住宅供給公社の抽選による分譲地。もう四十三年目になるから、高齢者ばかりといっても過言ではない。今の時代は二世代同居も難しいようでほとんどない。 そして、主のいなくなった家は、空き家として放置されることもなく、すぐ更地になる。住宅会社のノボリが立ち、まったく別の家族が移り住む。 地区の友人たちは、上野千鶴子の『おひとりさまの老後』を地で行く。 「生まれてくる時だって一人だったんだから、死ぬ時だって一人よ。心中しない限りはね」と。 「気負わず、今を楽しくね
白内障の手術をした。みんなに「よく見えるようになる」と言われて期待していた。 確かに、鏡を見て驚いた 「わあーいやだぁ。私ってこんな顔してたんだ」 「そうだよ。だからなあ、お前のそんな顔でも、ずっと我慢してきた俺ってえらいだろう」 認知症で要介護3の夫がそう言いおった。 「とにかくあなたのご主人にはオウム返しが一番。すぐに同じ言葉を返しなさいよ」 友人から常々言われているのに、間髪を入れずに返すことができない。まず、グサっとなってしまい、それから何たる奴!と憤慨する。その後
夫のいびきが酷いので、今を挟んで別々に寝ている。にもかかわらず毎朝四時ごろには私の部屋のドアを開け顔を覗かせ、 「今日は何曜日?」 「えー、ドアの前に”今日は●曜日”って書いた紙が貼ってあるでしょ。見てないの?」 「いや、どうせならお前の顔見て聞いた方がいいから」 「そうかあ、美人の女房の顔がそんなに見たいのね」 「ぶ人だろ、お前ちゃんと鏡を見てきたら」 「あ~ら、鏡よ鏡よ鏡さん、こんな亭主にはもったいないほどの女房です」 まるで版を押したような、こんなやりとりで一日が始ま
!!!!!!!!!!!実家に仕送りする前に、実家の家計の見直しを!確定申告を!!!!! 母の「あれこれ」というエッセイを読んだとき、姉が以前に「お母さんの人生って何なんだろう。ずっとずっといつまでも…」と泣いていたのを思い出しました。 ずっとずっと介護と金欠と。。。。。 さて 年金額は、まともなのに、こうやって介護費に収入が消えて赤字の老親をもつ人もいるでしょう。 介護サービスの回数を減らして黒字といかないまでも、トントンにする。若しくは実家に仕送りをする、この二択になる
かかりつけの眼科で、白内障の手術を勧められている。三日ほどの入院とのこと。まず初日に片方の目を翌日にもう一方を施術して、次の日に退院になるらしい。 いまや白内障の手術は、どこの眼科医でも、自分のところで日帰りでやってくれるそうだ。しかし、夫と私が通っているこの眼科医院では、それがない。紹介状を書いてもらい、大学病院で手術を受ける、という形をとっているのだ。 「白内障は治るものじゃない。人生は九十年ですよ。八十歳を過ぎてするよりは、今のうちにやったほうがいい。その間、ご主人には
認知症の夫の歩き方が、この頃大分おかしくなってきた。普通の歩き方から直ぐに赤ちゃんのようなヨチヨチ歩きになってしまうのだ。したがって転倒しやすくもなる。夜中の尿失禁も増えた。 どうやら“水頭症”によるものではないか、と診断された。手術をすれば、歩き方も尿失禁も認知症の度合も改善されるらしい。しかし水頭症では説明しきれない点もあるから手術しても変化はないかもしれない、とのこと。 でもこのままだと、もっと悪くなるのは目に見えている。 「おれは、手術は嫌だ。怖いし痛いし絶対受けたく
洗面所の鏡に映る自分の顔をじっと覗き込んでいたら、夫がそばに来て 「どうしたの?」 「う~ん、髪形をボブにしてみたんだけど…」 「いい感じじゃないか。お前の行っている美容院、上手だよ」 「でもね、電車で見た人は、私と同じ位の歳で、とっても素敵だったのよ」 「お前、大事なこと見落としてるよ。顔、見た?その人美人だったろ?」 確かに、とは思ったけれど、黙っていたら 「腕のいい美容院なのに、なんで顔もなんとかできないんだろう。おっ、すごい殺気、危ねえ危ねえ」 「しめ殺すからね」 私
要介護3の認知症、だけど生存本能だけは無駄に強い弁の立つ夫と天然でガラケーな妻の日常 母が原稿用紙に綴ったものを娘が日々UPしていきます。 なお、先に皆様に読んでいただきたいもの(失禁対策や介護費用対策)からUPしているため、時系列がまちまちのアップになってしまいますがご了承ください。少しでも、同じような悩みを持っている人に早く届けばなぁ、と くすっと笑えるものもあればそうでないものも。 笑えるものには”笑いあり”と記載しておきます。 また、母のエッセイにあまり手を加えたく