高度な技術を受け継ぐ江戸友禅「引染め職人」の話2_機械化せず頑なに手仕事を守り抜く理由とは?
▶︎前回の記事の続きです。
今回、引染め職人中村氏のコンサルをさせていただき率直に思ったことが
業界自体が非常に閉鎖的であると感じました。
また、流通自体呉服屋や問屋から下請けである「染物職人」たちに注文が流れる「縦割り構造の流通」が現在でも当たり前のように受け継がれてきてしまっている為、売上〝ピーク〟が1970年代と言われる着物業界で、1970年代から現在の時代の流れを考えても、少子化や着物を着る機会も変わり、機械化やプリント技術で安価なポリエステル製着物など販売され、後継者問題も含めて現状打破をしていかないと非常に厳しい状況であると感じました。
なぜ3代目を受け継いだのか
厳しい状況の中、中村氏が3代目を受け継いだ理由として
学生時代は稼業に正直無関心で、敢えて東京から離れた地方の大学に行き
卒業後は、日本中を転々とする建築の現場監督の仕事をしていたそうです。
実家を離れたことで稼業や家族のことを客観的に見ることができ自分の育った環境や伝統工芸の仕事に興味を持ち実家に戻る決意をしたそうです。
それから20年の修行を経て「引染め」の技法を身につけたとのこと。
素晴らしい技術を後世に残すには
中村氏の言葉で印象的だったことが「自分はこの仕事に誇りを感じているが自分の子どもが「父さんの仕事カッコいいな」と思ってもらえるよう、欲を言えば安心して継いでもらいたい。その為には、今の厳しい現状を変えていきたい。」とおっしゃっておりました。
お客様は呉服屋やデパートなど売り場で直接着物を手にしたり購入する機会があるかと思いますが、着物自体がどのような工程を経て作られるのかなど表に出にくいのが、職人の世界だと思います。
「売り方」も「発信」も自由な時代
D2CというIT用語を目にしますが、
私がペットブランドを立ち上げた15年以上前の当時も自社サイト直でうちの場合販売していたので若干今頃感はありますが、
「売り方」や「流通方法」を変えることで
消費者に届くまでの「価格」も中間マージンが削減されるので安くなるというメリットもあります。
※弊社の場合は問屋流通や下請けはしないやり方なので、定価は最初から一定を保っております。
ただし、D2Cをやるにはポイントがいくつかあって「他社との商品やサービスの優位性とブランディングの確立」が欠かせない為、仕入れて販売するだけの「どのECサイト」でも購入可能な商品ではなく「オリジナルで作った唯一無二のこだわりが詰まった商品」がベスト。また競合が多い業種や大手が参入しているサービスだとどうしても価格で負けてしまうことがあるのでそこも視野に入れて競合他社との差別化を考えた上での唯一無二の商品開発やターゲットの心を掴む「ブランドの魅せ方」など戦略的なテクニックが必要不可欠。
ヒアリングしないと何とも言えませんが、要は根っこの深い部分から考えて組み立てていかないといけないので、正直単純作業ではないので弊社のようなブランディングデザインや新規事業立上げ経験があるプロにご相談ください(笑)
作り手の温度を感じる唯一無二の手仕事の現場を見て
これらを考えても機械では表現できない繊細な手仕事で作られる「伝統工芸士」のモノ作りは唯一無二の商品であると考えられます。
また、手仕事による商品にストーリー性が生まれ職人の想いが詰まったこだわりがある商品になるので、手にした時の「特別感」や「感動」が倍になって生まれるのかなぁと感じました。
続く