ないないないや

思ったこと。自由に。

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最近の記事

マッチ売りの

夢売るマッチ売りの少女は   冷たい街角で微笑む   その小さな灯りは   僕の迷いを映し出す鏡 「何が欲しいの?」   と、問いかけられても   僕はただ黙っている   願いを叶えるその光が   僕の無力を暴くから 笑ってくれ、少女よ   僕は行き場を失った船   波に流され漂うだけの   意志薄弱な魂 灯りが消えるその時まで   僕は君に嘲笑されていたい   夢を売るその笑顔に   僕の儚い希望を預けて

    • いきなり短歌

      こぼれたる紅茶のしずくに君の笑  ひそやかに浮かぶ夏の午後かな

      • いきなり短歌

        口にする 言葉の響き 懐かしき ふと気づいたら 祖母の声がする くそみたいな短歌書いてみました。 亡くなったおばあちゃんは 甲子園負けてる方を応援する人だったから 常に応援チームは負けてたな

        • あの頃

          あの頃の自転車は   まるで翼だった   風を切り裂き、遠くまで   地図も知らない道を   ただ進むだけで良かった 世界が少し見えてきて 金で買える距離があることを知った 海の向こうに何かがあると信じて   線路の上を滑るように   けれど、心はいつも置き去りだった そして、ある日ふと気付いた   進むべき道に必要なのは   金や乗り物じゃなかった   夢見る心、旅立つ勇気   それを無くしてから 空の下はこんなにも遠かった あの頃の俺が   まだ心の中で走っている

          東京の空 二章

          タカシの笑いへの情熱は、幼少期に遡る。彼が初めてお笑いに触れたのは、小学校の運動会でのことだった。クラスメイトたちが必死に競技に取り組む中、タカシはおかしな動きをしてみせたり、変な声を出してみたりして、みんなを笑わせることに夢中になっていた。笑い声が響くたびに、タカシは胸が温かくなり、自分が特別な存在であると感じた。 中学生になると、タカシはお笑い番組を見て、その魅力に引き込まれるようになった。テレビの中の芸人たちが観客を笑わせる姿を見て、自分もいつかあの舞台に立ちたいと強

          東京の空 二章

          一章 東京の空 

          東京の夜の葛藤 一章 タカシは東京の夜景を見下ろせる高層ビルの屋上に立っていた。光の海に溺れるような感覚が彼を包み込み、ビルの影が空を彩る頂上を見上げると、その壮大さに息を呑んだ。 「この都会の煌めきは無限の可能性を秘めている」とタカシは感じた。星が見えなくなるこの街で、彼は自分の夢を諦めたくなかった。夜空に浮かぶ星々が消え失せた代わりに、ビルの灯りがその役割を果たしている。タカシはその灯りの一部になりたくはなかった。 「自分でありたい」と彼は心に誓った。この街を彩る夜

          一章 東京の空 

          ドーナツの穴をのぞいて

          「ドーナツの穴を覗いてみて」と言う言葉が好きだった。ミナは、小さなカフェの窓辺に座り、ホットコーヒーとお気に入りのシナモンドーナツを手に取った。子供の頃、祖母がよくこの言葉を言っていたのを思い出す。ドーナツの穴はただの空間ではなく、時間や季節、思い出が詰まった特別な窓だったのだ。 最初にドーナツの穴を覗いたのは秋のことだった。紅葉が色づき、風が冷たくなり始める頃、ミナは大学生になり、初めての一人暮らしを始めた。新しい生活に期待と不安が入り混じる中、カフェで一人静かに過ごす時

          ドーナツの穴をのぞいて

          ドーナツ

          ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、季節が変わってしまった   ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、顔に皺ができてしまった   ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、あの子が大人になった   ドーナツの穴を覗いてみて   また君が笑ってくれた   ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、空に星が瞬いた   ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、夢が形になった   ドーナツの穴を覗いてみて   ほら、涙が乾いてしまった   ドーナツの穴を覗いてみて   また君がそばにいた  

          特別な夜さ

          今日は特別な夜さ それでも君はここにいない 夏の夜風が優しく吹き抜ける 月の光が足元を照らすたび 君の面影が浮かんでは消える 今日は特別な夜さ 君を繋ぎ止める言葉が見つからなかった 星々が瞬くけれど その光は遠く手が届かない 街灯の明かりが揺れる影 夜の静寂が耳に染みる 君の温もりを思い出すたびに 心に無いはずの夏の冷たい風が吹き込む 今日は特別な夜さ それでもさようなら 君と歩いたこの道を 今は一人で歩いているけれど 君はもうここにいない 川辺に広がる蛍の光 そ

          まっさらな

          まっさらな僕らは   額に冷たいシールを貼り   まだ誰も歩いたことのない道を   裸足で踏みしめた 青空が無限に広がり   ひまわりの向こうに   忘れられた夢のように   心は浮かぶ 蝉の声が織りなす五線譜 一瞬の永遠を奏でる   でもその手が   砂に溶けるように 夏の夜は、瞬きのように   僕らを包み込んで   星々の輝きが   目を閉じると消える あの日の光景は   今も心に残っている   けれどそれは   まるで幻のように   ただ、遠くで 夏の終わりを

          興味あるもの

          月の光よりも古い謎を解くよりも   深い海の底に眠る宝物よりも   遥かな星の彼方に広がる宇宙の謎よりも 君の心の中に潜む答えが 最も難解で最も解き明かせない 万物の起源を知るよりも   遥かなる時の流れを測るよりも   無限の銀河を旅するよりも 君の瞳の奥に隠された秘密が 最も深く最も見通せない どんな迷宮を彷徨い どんな書物を紐解いても   君の心の謎には 未だに辿り着けずにいる 心は数学の定理よりも複雑で 宇宙の法則よりも曖昧で   君と私の間に広がるこの無限

          青空ピース

          青空は未完成のパズルのピース 雲の隙間に広がる青は未だに 何かを探し続ける心の隙間 天の川は白いキャンバス 夜空に輝く大三角は 50年後の未来を指し示し その光が今も変わらず凛としている 陽射しが心を照らし その温もりに包まれた瞬間 全ての隙間が埋まっていくように 夏の夜が完成の予感を秘めている 心の隙間を何かで埋めたいですね

          雨に打たれて

          波打ち際で流れる砂の音   夏の日差しに焼かれた肌   時雨にうたれず何が夏か   遠くで鳴る波の音   青空に浮かぶ雲のかたち   海風が運ぶ潮の香   冷たいビールが切ない   君の笑顔を思い出す   時雨にうたれず何が夏か   夕焼けに照らされた想い   一瞬の幸せを追いかけて   胸を締め付ける思い出 夜空に散る星の光   波音が聞こえる夜は   時雨にうたれず何が夏か 夏の夕暮れ、海岸沿いのカフェで青春の群像が繰り広げられていた。 ビーチには若者たちが集

          蝉が泣いたバス停

          バス停で待つ僕は   蝉の声が胸を刺す   長すぎる夕焼けが空を染める頃   君の影が遠くなっていく 神社の鳥居がいつもより明るく見える   お月様が優しく微笑む夜 蝉が鳴いた、僕はまだ泣いていない   蝉が泣いた、君ももう泣いていた 過ぎ去った季節の中で   二人の影は交差し   静かに消えていく 夏の夕方、バス停で待つ僕は蝉の声が胸を刺す。暑い日差しの中でバスが来るのを待ちながら、時間がゆっくりと流れていくようだった。周りには静寂が漂い、ただ蝉の声が響いている。

          蝉が泣いたバス停