蝉が泣いたバス停
バス停で待つ僕は
蝉の声が胸を刺す
長すぎる夕焼けが空を染める頃
君の影が遠くなっていく
神社の鳥居がいつもより明るく見える
お月様が優しく微笑む夜
蝉が鳴いた、僕はまだ泣いていない
蝉が泣いた、君ももう泣いていた
過ぎ去った季節の中で
二人の影は交差し
静かに消えていく
夏の夕方、バス停で待つ僕は蝉の声が胸を刺す。暑い日差しの中でバスが来るのを待ちながら、時間がゆっくりと流れていくようだった。周りには静寂が漂い、ただ蝉の声が響いている。
長すぎる夕焼けが空を染める頃、君の影が遠くなっていく。あの日、僕たちはどこか遠くへ行く約束をしていた。君は笑顔で待ち合わせ場所に来てくれた。でも、どこか彼方へ向かっていく君の姿に、僕は寂しさを覚えた。
神社の鳥居がいつもより明るく見える。夕暮れの神聖な空気が漂い、神秘的な雰囲気に包まれたその場所で、僕たちは手を繋いで歩いた。お月様が優しく微笑む夜、君の笑顔がまぶしく、その光景は夏の夜をカラフルに染めた。
蝉が鳴いた、僕はまだ泣いていない。
君との別れが近づいていることを知っていた。その切なさに気付くことができなかった。蝉が泣いた、君ももう泣いていた。君の目に映る星空が、今も僕の心に響いている。
過ぎ去った季節の中で、二人の影は交差し静かに消えていく。時間が過ぎ、季節が移ろう中で、僕たちの思い出の夏も徐々に遠ざかっていく。ただ君の笑顔はいつまでも心の中で輝き続けている。
それから数年が経った。あの夏の日々は、遠い昔の出来事のように感じる。しかし、時折思い出すと、あの日の景色や君の声が鮮明に蘇る。今でも、あの日の君との出会いが、僕の人生の中で最も大切な瞬間だったと思い出すだろう。
なんてね。
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