- 運営しているクリエイター
#短編小説
YEAHHHHH!!!!!!
デデッ!!!と爆音のギターが鳴り響きました。二本足で立ち、喋ることができる白ねこのまち子さんは「ブンブンサテライツの『キック・イット・アウト』だにゃ~」と思いました。それは外から聞こえてきました。まち子さんはベランダに出て、団地9棟5階の高さから視界いっぱいに立ち並ぶ団地を眺め、それがどこから聞こえてくるのか、耳をすましました。
デデッ!!!
わかりました。団地の公園近くにある集会所からでし
短編小説『すなぎもちゃん・スマッシュ・ヒッツ』
『すなぎもちゃん・スマッシュ・ヒッツ』
僕はすなぎもちゃんと暮らしていた。
すなぎもちゃんは白ねこで、当たり前のように喋って、二足歩行で歩き、僕の家、廣井家で家族のように暮らしていた。
すなぎもちゃんを飼った覚えはない。
ある日、すなぎもちゃんは突然やってきて、いつからか当たり前のように居候していたのだ。
「パパさん、お仕事お疲れ様ですにゃ。ママさん、ご飯美味しいですにゃ」すなぎもちゃん
短編小説『ねこのまち子さん、フレンチクルーラーを食べる!!』
「今日はよろしく頼むにゃ」
自由猫猫党(じゆうにゃんにゃんとう)の元党首は我々取材陣と握手をしながらそう言った。
元党首の笑顔と肉球の柔らかさが印象的であった。
元党首が一人がけのソファーに座る。
スタッフが照明を元党首に向けると、元党首は「眩しいもんだにゃ。いくらやってもこういうテレビの取材には驚いてしまうにゃ」と静かに言った。
私の手には元党首に聞きたいメモが握られていた。
自由猫
短編小説『ちゃん呪』
『ちゃん呪』
「じんちゃ~ん!この駅でぇ~写真撮るとぉー、幽霊がうつりこむって話にゃよ~!!」と酔った友達でねこのきいちゃんが呂律回らずにそう言うので、私はうへうへ笑いながら「じゃあ、撮ってみようよ~!」ってiPhoneのインカメラできいちゃんと「いえーい!」って言ってたらきいちゃんが「あ、動画だったにゃー!」って言って「動画かーい!」って突っ込んでいたら、そんな私たちの背後に叫ぶ顔をしたような
短編小説『ねこのまち子さん、市民税を払いに行く!!』
白ねこのまち子さんは二足歩行で歩き、喋ることができるので、税金を納めなければいけないのです。
鉄球をぶつけられる寒い山荘で夜通し討論する番組『浅間で生テレビ』で「徹底討論!喋る猫に納税の義務は違憲なのか!」というテーマが放送されたとき、「喋る猫の生活党」の党首である道場さんは「我々、歩き喋る猫は進化でありまして」と言ったら、田原総一朗に「ちょっとまって、まだ管さんが喋ってるから」と遮られたので