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加速主義

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2019年7月の記事一覧

左派加速主義の書、ニック・スルニチェック&アレックス・ウィリアムズ『未来を発明する』

左派加速主義の書、ニック・スルニチェック&アレックス・ウィリアムズ『未来を発明する』

ドゥルーズ=ガタリの脱領土化を極端に押し進めるのが新反動主義だが、その一潮流である加速主義の書。加速主義もいろいろあるが本書は左派加速主義とよばれるものである。ながらく邦訳出る出る詐欺が続いている。

まず昨今のOccupy Wall Streetなどの左翼の運動をFolk politics(素朴政治)、個別的、即物的、具体的、局所的であると指摘し、一定の成果はあったもののネオリベラリズムに全く対

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Twitterと私とMMTと

Twitterと私とMMTと

 昨日のこゆるぎ岬さんのTwitterは自我のゲップってのはなるほどたしかになあと思ったのだ。僕も10年以上も続けてしまっていて、くだらないと思うことはよくあるものの自分の一部になっていることは否定しがたい。前みたいにむきになってあれこれ書くことはなくなったし、大事なことはnoteの有料エリアに書いてるけどね。

 いま僕のTLで話題なのはなんといってもMMTとそれに付随して消費税増税反対とかだ。

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医学部入試における性別のとりあつかいにまつわる諸問題

医学部入試における性別のとりあつかいにまつわる諸問題

先日の記事で女性医師が増えるとどうなるかみたいなことを書きかけてやめたのでその続きを。

昨年の東京医科大学の入試における女子の不利な扱いに端を発するこの問題であるが、ずっとなんらかの操作が行われているだろうととまこしやかに囁かれており、やっぱりそうだったかという感じであった。
特に首都圏の私立医学部は、超難関の慶応をのぞいておおむね7対3くらいに男女比が維持されており、これは不自然だろうといわれ

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選挙、祇園祭、キャプテンマーベル

選挙、祇園祭、キャプテンマーベル

 今年も祇園祭にいってきた。例年、宵山が来ると梅雨明けというイメージだが、今日の宵々は雨降りだった。そのせいか例年の蒸し風呂のような暑さはなく、また人出も少なめで快適だった。

 そうそう、祇園祭に出かける前に参院選の期日前投票に行ってきたのだ。休日出勤の選挙管理委員会のみなさんご苦労様である。そして生まれて初めて出口調査なるものに協力してしまったので、恥ずかしすぎる私の投票などを有利エリアに書い

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書評『夫婦格差社会』

書評『夫婦格差社会』

 『夫婦格差社会』は2013年に発売された新書で、格差についてずっと論じてきた経済学者橘木俊詔氏とその大学院生であった迫田さやか氏によるもの。夫婦間の格差が広がっているということはそれに関心のある人たちには周知であったが、それをさまざまな統計を用いてわかりやすく示したのが新しかった。

 いまや毎日Twitterを賑わせている女性の上昇婚志向であるが、当時はまだそういう性向があることは人口に膾炙し

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Twitterで狂ってしまう人々

Twitterで狂ってしまう人々

昨日の記事でTwitterにのめり込みすぎるのはよくないよという話をした。これは一般人にもおかしい人にもいえることだ。しかしおかしい人はよくないどころかツイッターで狂う可能性がそれなりにある。おかしい人の定義はいろいろあるけどフォロワーが数千人を越えている人はわりとおかしい可能性が高いし狂ってしまうポテンシャルがあると考えてもらっていい。

おかしくなり方はいろいろあるけど、僕がみた範囲でもすごく

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Twitterに時間を使いすぎると不幸になる

Twitterに時間を使いすぎると不幸になる

 いやいまさらなんですが、Twitterに時間をかけすぎてしまうと不幸を引き寄せがちだよなあと思う。旦那が家事しない、鬼嫁がどうしたこうした、セクハラmetooなどなど、もううんざりですね。こっちのメンタルまでやられるわ。

 世の中の男女はそんな極端じゃないんすよ。それらの中間で悩んだり上手くやってたりするんですよ。僕自身はリーマンショックのちょい後からTwitter始めて、いろいろなモンスター

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『トゥモロー・ワールド』は資本主義リアリズムという名のディストピア

『トゥモロー・ワールド』は資本主義リアリズムという名のディストピア

資本主義にたいする絶望感をわかりやすく表現したことで著名なマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』の第1章に映画『トゥモロー・ワールド』が紹介される。

この映画の世界ではもう10年以上も原因不明のまま人類は出産不能になっている。未来の世代もいないのに文明活動だったり紛争だったりをあいかわらず人類は繰り返している。

そんな中、主人公のクライブ・オーウェンやジュリアン・ムーアは10数年ぶりに妊娠

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