エマニュエル・トッドが警告するアメリカの自由の衰退と学資ローンの危機
「最悪の事態はまだ来ていない」エマニュエル・トッドが本当に恐れる未来とそうでない未来とは
以下 記事を備忘録用として、「エマニュエル・トッドが示唆するアメリカの現状と未来についての洞察を深い分析、経済的自由の枠組みが変化する中で、アメリカの学生たちが直面する学資ローンの危機とは? トッドの見解を基に、アメリカ社会の構造的課題とその影響について」を…解り易くまとめさせて頂きます。
アメリカにおける教育と経済的自由の変遷
トッドは、アメリカにおける基本的自由の衰退に注目し、特に学資ローンの問題に懸念を表明しています。彼によれば、高等教育はかつてアメリカで経済的成功を収めるための鍵であり、グローバル化の厳しい影響から人々を保護する手段でした。
私立化する教育機関と学生の借金問題
教育機関の私立化が進む中、高額な学費によって多くの学生が銀行からの借金を背負うことになり、社会に出る前から借金の奴隷となる可能性に直面しているのです。
政治的対応とその限界
ジョー・バイデン政権はこの問題に対処しようとしていますが、トッドは問題の根本が容易に解決するとは考えていません。歴史の教訓から、個人的な借金が人々を奴隷のような状態に導く第一歩であることを警告しています。
現代アメリカの苦悩と未来への不安
トッドは、アメリカにおける市民の自由が19世紀の政治思想家たちが想像した状態から遠ざかっていると指摘しています。
生活水準の向上とその裏側
彼自身、生活水準の驚異的な向上を経験してきましたが、グローバル化やコロナ禍を通じて、産業システムの崩壊や物質的な困難を目の当たりにしています。
政治的・社会的不安定性の増大
フランスでは乳幼児の死亡率の上昇、アメリカではバイデン政権下での銃乱射事件や連邦議会議事堂の襲撃事件が発生するなど、西洋社会における政治的な機能不全と社会的な不安定性が顕著になっています。
世界的な視野での楽観と懸念
トッドは、西洋社会に悲観的な一方で、世界的な視野では楽観的な部分も持っています。
国際情勢と先進国の弱点
ウクライナ情勢や先進国の人口構造の不均衡など、国際政治における不安定化の可能性については、必ずしても必ずしも悲観的でないと述べています。しかし、先進国の出生率の低下と高齢化は、大規模な戦争が不可能になるほどの弱体化を示しています。
欧州の未来とアメリカの影響
トッドはドイツとロシアの関係性にも言及し、アメリカがどのようにこれらの国々の関係に影響を与えているのかを分析します。彼は、ドイツとロシアが最終的には協力関係を築くことが双方の利益になるだろうと予測しています。
未来を見据えた普遍的価値の可能性
社会が階層化し、分断される中で、トッドは普遍的な価値が新たなブロックを構築する可能性についても言及しています。異なるイデオロギーや価値観を持つブロック間を橋渡しする普遍的価値の創出には、特に現在の西洋社会における悲観的な状況に対する対策としての重要性があります。
パラドックスとしての姿勢
トッド自身のパラドックスな姿勢についても語ります。西洋人としての彼の悲観主義は、自国や自身の世界のみならず、世界全体の動向に基づいていることを強調しています。
最後に
トッドの考察は、社会的・経済的な問題だけでなく、国際政治における深い洞察を提供しています。彼が恐れる「暗い未来」への意識の欠如は、我々全員にとって重要な議論の起点となるべきです。現在のアメリカの状況についての理解を深め、将来に向けての備えを考えるきっかけを得ることができるからです。
感想
国民への投資は、根本は「教育」であり、老若男女問わず 大学院まで無償化するべきだと改めて思いました。図書館のように自由に学べる機会を全国民に与えることは、未来への投資であり、少子化に歯止めをうち、最大のコミュニティーの場所にもなり得ます。同時に政治に関する意識の向上に役立つものと考えます。僅か数兆円で実現可能な「大学院まで無償化」をやらない理由は、特権階級が一般大衆にそうなってもらっては困るから???かも???しれません。
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