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賞とは無縁=サンクチュアリ

おはようございます!!! 書評行きます!!!

みつばの郵便屋さん 階下の君は (ポプラ文庫) 
ポプラ社 2020年出版 小野寺史宜著、273P

(以下は読書メーターのアカウント https://bookmeter.com/users/49241 に書いたレビューです)

2年ぶりの新作。微妙に面倒な案件にぶつかっても誠実に対応していくのが素晴らしい。誠実にやろうがやるまいが給料は一緒だしクレームが来てもクビになるわけじゃない。末端は人が足りてないのだ。そこでどういう選択をするか。真面目過ぎても心身を擦り減らすし。答えは意外な形で飛び出した。ところで秋宏も三十歳。もし異動したら題を変えて新装開店かな。大歓迎。できたら毎年この時期に出して欲しい。ドラマ化してもいいのでは? イケメンの双子はキャストが限られるからアニメの方がいいか。よろしく。第一作の単行本初版からのファンより。

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シリーズ第6弾。郵便配達人・秋宏が日々一生懸命働き、ささやかな幸せを自分にも他人にももたらしていくハートフル短編集です。第一作の単行本が2012年出版。文庫になったのが2014年。そこからは文庫書き下ろしで少しずつ新作が出ています。

私がこの作家を知ったのは2012年。当時毎月買っていた文芸誌「小説すばる」に短編が載っていたのです。題は忘れましたがギャルママと口の悪い息子の話でした。「この人の小説もっと読みたい」と思って巻末の著者一覧を見たら、最新刊として「みつばの郵便屋さん」が紹介されていました。

率直な感想は「ほっこり」。だからいろいろな人に「ほっこりするよ」と勧めてみました。すると読んだ人がみんな「本当にほっこりした!」と喜んでくれて、また他の人に勧めてくれたのです。こういう連鎖は書店員冥利に尽きますね。

読み易くて話の内容も軽い。でも馬鹿にできない。何も起きない日常系。だからこそ、不条理な毎日を耐え凌いでいる一般庶民の胸に響く。どうしてメディアミックスしたりSNSでバズッたりしないのか不思議です。いや、そういう欲塗れの淀みとは無縁の聖域みたいな作品だから癒されるのでしょう。直木賞候補には絶対ならない。でも直木賞受賞作に負けないぐらいあなたの心身にそっと寄り添ってくれる一冊です。

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