「脱却」からの「復活」
いい表情をしていると思いませんか?
元・阪神タイガースで現在は四国アイランドリーグplus・愛媛マンダリンパイレーツでプレイする伊藤隼太選手のYou Tubeです。
開幕戦で右肩に怪我をしたという話は聞いていました。思いのほか重症だったようです。↓によると今季の通算成績は12打数2安打。入団時には「圧倒的な数字を残してNPBに復帰する」と宣言していただけにかなり悔しいはず。
怪我は不運でした。ただ大事な入団会見の直前にインスタライブをやったり(一瞬マスクを外して「サービスショット♪」とか)、シーズン中も阪神の矢野監督がヤクルトの村上選手へ暴言を吐いた件にツイートしたりと、どうにも覚悟が伝わってこなかったのも事実です。
でも今回の動画を見て「やっと己の置かれている状況を理解したな」と確信しました。表情が違いますから。後がない者の悲壮感。
本来なら昨年阪神をクビになった段階でこうなっていなければおかしかった。守るべき家族もいるわけですし。でも当時は「俺が戦力外なんておかしい」「復帰できるに決まってる」という感じで現実を直視できていなかったのかもしれません。
私は昨年春にそれまでの職場を離れました。いろいろあっての自主退職です。当初は「すぐに次は見つかるだろう」「俺ぐらいキャリアの豊富な書店員はそうはいない」と楽観的に構えていました。でもまさかの不採用が続き、かなり焦りました。こんなはずじゃなかったと。
緊急事態宣言下で多くの書店が休業し、短縮営業を強いられる状況でした。でもそれが理由ではない。不採用の原因は私自身の驕りです。言葉や態度の端々に出ていたんだと思います。働いてあげてもいいよ、みたいなものが。
自分を見つめ直しました。そして「週何日でも何曜日でも大丈夫です」「書店員は天職。他の仕事なんて考えられない」「どんなことでもチャレンジします」と腹を決めて面接に臨みました。それでやっと採用されたのです。
いまの伊藤選手の表情にはあの頃の私と同じ何かを感じます。彼も脱却できたのでしょう。ここからの復活、期待しています。