「新人賞に落選し続けたイチ書店員」がNJC決勝前に思うこと
「夢ありませんか?」
SANADA選手が昨年末に言い続けたコメントです。
2005年におこなわれた新日本プロレスの入門テスト。合格した内藤哲也選手が挑戦者で、落ちた自分は王者として東京ドームのメインに立つ。その感慨をアピールしていました。
夢があると感じるファンもいたでしょう。私は乗れなかった。「そういうのを自分で言っちゃうのは」と思ったからです。
一方、そのSANADA選手を破り「NEW JAPAN CUP 2024」の決勝戦へ進んだ後藤洋央紀選手。彼はリング上でこう話しました。
「皆さん、力を貸してください」
「天国の親父、あと一回、力貸してくれ」(※2月にお父様を亡くされていたようです)
後藤選手はいま44歳。新弟子時代に肩の怪我で一度退団するも、リハビリを経て新日本へ再入門した不屈の精神の持ち主です。
これまでに最高峰のIWGPヘビー級王座(3年前に生まれ変わった同世界王座には未挑戦)に8回挑戦してすべて敗退。それでも腐らず、与えられた立ち位置でいい仕事を続け、主に対戦相手やタッグパートナーを輝かせる役割を担ってきました。
かくいう私も小説の新人賞に何度も応募し、すべて跳ね返されてきました。いまはnoteで毎週日曜に掌編小説「ハードボイルド書店員日記」を発表する形に切り替えています。これはこれで悪くない。自分に合っている。でも作家になりたい&著書を出したい気持ちが消えたわけでもないのです。
軽々しく「夢がある」とは言えません。ただもし後藤選手が優勝し、4月の両国大会で内藤選手の持つIWGP世界ヘビー級王座へ挑み、悲願の奪取を果たしたら。。。
今年1月、万城目学さんが「八月の御所グラウンド」で直木賞を獲りました。実に6度目のノミネートでした。だったら今回も。
決勝戦は今日です。後藤選手、あなたの闘いに少しだけ我が身を重ねさせてください。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!