ファンを生むのは「選手」だけではない
なんと。
まさかの先行販売。しかもサイン本です。興味のある方はぜひ。
昔の職場では、年に2回ぐらいサイン会をおこなっていました。1階の階段から会場のフロア(けっこう上の階)まで長蛇の列が伸びていたのを覚えています。
特に印象深いのは、2013年に引退されたプロレスラー・小橋建太選手のサイン会。いつにも増して問い合わせの数がすごかったのですが、電話を受けた同僚たちが異口同音に「どのお客さんも礼儀正しい」と話していました。ファンとして誇らしかったです。
当日は選手のすぐ近くでTシャツを売っていました。カッコいいデザインだったので自腹で購入し、ワイシャツの上から着ました。すると小橋さんと一緒に来られた事務所の方に「それ買ったの?」と訊かれまして。「はい」と答えたら「後でサイン入れてあげて」と小橋さんに言ってくれました。
書いていて思い出したことがあります。
初めてプロレスを観に行ったのは11歳の春。全日本プロレスの後楽園大会でした。メインは6人タッグで、まさに小橋さんが戦っていました。得意のムーンサルト・プレスに歓声を上げた記憶が残っています。
立見のチケットでした。バルコニーのどこにも隙間がなく、まごまごしていたら背広姿のスタッフらしき方が他のお客さんに「この子を入れてあげて」と。嬉しかったです。帰る際に見掛けて頭を下げたら笑っていました。
誰だったんだろう、と後で調べたのですが結局わからずじまい。故・馬場元子さんも同じような気遣いをしてくれたという声を耳にしました。そういう好印象の積み重ねも手伝い、私はいまでも90年代の全日本プロレスに深い思い入れを抱いています。
選手だけじゃなく、周辺で働く人たちもきっとファンを生むことに貢献している。その意識を忘れず、いつか職場でサイン会があったときは全力でお手伝いしたいです。