エル・デスペラード出演の「さんま御殿!!」で学んだこと
何年かぶりに「踊る!さんま御殿!!」を見ました。
新日本プロレスのエル・デスペラード選手が出ると聞いていたからです。
テーマは「神メンタル vs 弱メンタル」。デスペ選手は「弱メンタル」側の席に座っていました。「名前が長くてすいません。デスぺでいいです」に「エルでええんちゃうか?」と返されたのが印象に残っています。プロレスファンからしたら「いや、エルいっぱいいるし」って話ですが、たしかに言い易い。
今後バラエティに出る際は「エルでいいです」「さんまさんが命名してくれました」というネタが使えそうです。
改めて感じたのは、さんまさんのMCとしての手腕。個性の強い連中を相手にことごとく見事な受け身を取り、笑いに換える。デスぺ選手がアマレスの話をした際も「バックを取って」と知らない人がイメージできる合いの手を入れてくれました。
往年の名レスラーであるリック・フレアーを思い出します。
様々な選手が話していました。「フレアーと戦えば誰もがスターになれる」「誰と対戦しても、彼は相手が互角なライバルに見えるようにしてくれる」と。
武藤敬司さんの著書によると、フレアーは試合前の煽りインタビューであまり相手を口撃しなかったとか。さんざん褒めて「でも俺はもっとすごい」で締めていたそうです。
さんまさんもそんな感じでした。出演者の特徴やセールスポイントをつかみ、その人ならではのトークを引き出して場を盛り上げる。「○○って面白いな」と視聴者に好イメージを植えつける。でも終わってみれば「なんだかんだで、いちばん面白いのはさんまだな」が真っ先に頭に浮かぶのです。
これも「利他」の精神でしょうか? 誰かのキャリアを作ることに協力すれば、必ず己に返ってくる。自分の利益だけを考えていたら、却って誰のためにもならない。
どのジャンルでも名人は違いますね。またひとつ学びました。