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短歌一首 ~ 熙子

月寂し
かかる夜には芭蕉翁の
明智の妻の咄し聞きたし
 

 松尾芭蕉の「月さびよ明智が妻の咄しせむ」という句があります。「寂しい月あかりのもとだが、明智光秀の妻の昔話をしようか」と、おそらくは光秀がまだ貧しかったころに、妻の熙子が黒髪を売って金を工面したという話だったのでしょう。その時の芭蕉の語り口はどのようなものだったのか、とても興味があります。
 そういえば、2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』では、木村文乃さんが熙子役を演じていましたね。志半ばで亡くなり、麒麟を連れてくる十兵衛(光秀)の姿も、子供たちの成長も見ることができなかった煕子でしたが、とても素敵な夫婦像、夫婦愛を見せてくれました。

あの人の言葉
歌を詠むことで、日常に立ち止まる時間が生まれ、言葉にするために、もう一度味わい直すことができる。
~ 俵万智(歌人・エッセイスト)
 

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