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〜訪問看護師として想う日々のあれこれ。訪問看護師たねあかし〜

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長年、訪問看護師として働いてきた、私自身の仕事観、考え方、私を支えるものなどの話です。
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#仕事観

訪問看護師働き方改革

こんにちは。久しぶりの投稿になってしまいました。 訪問看護という仕事柄、身近な問題として2月は新型肺炎の対応に追われてしまいnoteを開くのも久しぶりとなった次第です。 病気を持たれた方への自宅および施設への訪問看護を行うという仕事は、ご利用いただく利用者さんにとっても、私たちスタッフにとっても配慮と工夫が必要となります。 今回は、私たち働く側の工夫について、実際行っていることをご紹介します。(少しでも参考になれば幸いです) ①事務所近隣在住スタッフの自宅からの直行直帰体

訪問看護でお会いして、お見送りをした方々が「自分に何を教えてくれたか」を心に刻み、共に生きるということ

綺麗な三日月の夜に旅立たれた、Mさんの四十九日が過ぎ、私から担当を引き継いでくれたスタッフナースと担当ケアマネジャーの3人で、Mさんのご自宅にお伺いした。 ・・・ ドアを開けた奥様の顔が「ぱっ」と明るい笑顔になり、「わー、懐かしい。来てくれてありがとう。」と私たちを招き入れて下さった。 すっきりと片付けられたリビングには、Mさんの柔らかな笑顔の遺影とともに小さなお仏壇があった。 山が好きで文章を書くことが好きな、Mさんらしい戒名。 最期のとき「夕焼けが見たい」と言われたMさん

ドラえもんにお願いして、タイムマシンで過去に戻ったとしたならば。

「チャレンジすべきか、あきらめるべきか、それが問題だ。」 以前からチャレンジしたいと思っていたが、 今回、私はずいぶん迷った。 やらない言い訳・できない理由がいくつでも浮かんでくる。 出願準備が大変だから。 試験勉強をする暇が無いから。 仕事が忙しいから。 家庭のことや子どものことで大変だから。 疲れているから。 会社に許可を取らないといけないから。 仕事との両立は大変だから。 挙げるときりがない。 「だから、あきらめよう。」と自分で自分に言い訳を探した。 だけど、私は受

1杯のコーヒーのような、看護。

今回の退院時カンファレンスは2時間に及んだ。 私はカンファレンスの後、病室で待つYさんにご挨拶をし 「それでは、次はご自宅でお会いしましょうね。今日はありがとうございました。」と病室を後にした。 病院玄関を出た頃には、すっかり日が落ちていた。 自宅退院をされ訪問看護を希望される方の支援として、入院中に病院に伺い、退院に向けてのカンファレンスを行うことがある。 病院の主治医・病棟看護師・理学療法士・ケースワーカー、ケアマネジャー、訪問看護ステーションスタッフ、訪問診療の医

昨夜は綺麗な三日月だった。

ここのところ、台風や雨、多忙の為の私自身のゆとりの無さも手伝って、夜空を見上げる機会がなかった。 昨夜、夜に外出したこともあり、久しぶりに夜空を見上げた。 雲のないひんやりとした夜空に、綺麗な三日月が浮かんでいた。 それからしばらくして、スタッフからMさんの訃報が届いた。 私が、夜空を見上げていたちょうどその頃、Mさんは旅立たれたそうだ。 ・・・ 私はサテライト看護部門開設準備のため、途中でMさんの担当を外れることになってしまったが、その後もずっと気になっていた方だっ

「裏切られた」という感情は好きではない

今日は散々な日だった。 「なんで」「どうして」「私は信頼していたのに」 「あんなにあなたの事を守り、擁護してきたのに」 「あなたも私の事を信頼してくれていると思っていたのに」 「ずっと嘘をつかれていたんだ」 「私に相談してくれなかった」 「あの時のあの言葉は本心ではなっかたのか」 相手に対する疑念ばかりが湧いてきた。 仕事上の関わりとはいえ、いや、仕事上の関わりだからこそ、同じ目標と価値観に向かって、この1年彼女と一緒にやってきたはずだった。 彼女に対して「確信」に近いも

私の仕事における「日常」とは「非日常」であることを忘れてはいけない。

日曜日から娘の熱が下がらない。 何の症状もなく、急な発熱と頭痛。季節の変わり目の体調不良かと思いきや40度の高熱と頭痛のため、前回の季節外れのインフルエンザも疑い、翌日、急病診療所へ1回目の受診をした。 インフルエンザ検査はマイナス、解熱剤処方にて様子を見ることになった。 3日経っても熱が下がる様子はなく、色々な可能性を予想しながらも、小さい頃にお世話になっていた、かかりつけ医へ2回目の受診をした。クラスでインフルエンザが出ていたこともあり、再検査をお願いするもマイナス。

こんな日は、つらい。

「もう、私、仕事を辞めたい。」 数年間、一緒に訪問看護をやって来た同僚からの言葉。 彼女は訪問看護を志して入社し、一緒にやってきた仲間。 今でも彼女は 訪問看護が好き。 訪問看護は楽しい。 というのに。 力になりたいと願うほど、力になれない。 支えになりたいと願うほど、自分の非力を知る。 誠実に向き合えば向き合うほど、傷つく。 命の重さを知れば知るほど、持ちきれなくなる。 訪問看護って、ほんとはそうじゃない。 自宅で過ごしたい方がいて 訪問看護を必要とされる方

「ふつうのこと」がふつうにできる

昨年、訪問看護師を対象とした、県立子ども病院での1日病棟実習に参加させていただいた時の話です。 私自身が実習生として教わる立場は久々で、少々緊張感を感じながら、実習病棟に向かいました。 私の小児病棟のイメージは、 「大人の病棟とは違って、お子さんばかりの病棟なので少しにぎやかなのだろう」 と思っていたのですが、うかがった病棟ではとても静かに静かに時間が流れていました。 ・・・・・・・・・・・ 私が担当させていただいたKくん。 人工呼吸器を使用されています。 今

原付ライダー明日も行く!

今ではわたくし、原付に乗り訪問看護をする「原付ライダー」ですが、昔はフルフェイスのヘルメット、黒の革パンツ、ブーツ。テントと寝袋を持ち国内をツーリングする「250ccライダー」でした。行く先々で、風の感じや空気の匂いが変わるところがとても好きでした。 ずいぶん前、私はバイク走行中に車と衝突し、事故に遭遇し、全身打撲・頸椎捻挫・骨折2か所。1カ月の入院を余儀なくされました。2週間は仰臥位のみのベッド上安静。側臥位もダメ。ギャッジアップは食事の時のみ30度まで可能。という指示が

人が老いて人生を終えてゆく姿 〜ひいおばあちゃんのこと〜

モクレン(木蓮)の花が咲いているのを見かけると、ひいおばあちゃんのことを思い出します。 私が子どもの頃、祖祖母も一緒に暮らしていました。実家の離れに住んでいて、その離れの前の植え込みにモクレンの木がありました。春になると紫色の花を咲かせていました。 祖祖母はもう90才近かったので、身の回りの手伝いが必要で、祖母(実娘)が世話をしていました。物忘れや、思い違いも頻繁にあったように思います。食事をしたことを忘れる、お風呂の中で寝てしまう等は珍しいことではありませんでした。