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原付ライダー明日も行く!

今ではわたくし、原付に乗り訪問看護をする「原付ライダー」ですが、昔はフルフェイスのヘルメット、黒の革パンツ、ブーツ。テントと寝袋を持ち国内をツーリングする「250ccライダー」でした。行く先々で、風の感じや空気の匂いが変わるところがとても好きでした。

ずいぶん前、私はバイク走行中に車と衝突し、事故に遭遇し、全身打撲・頸椎捻挫・骨折2か所。1カ月の入院を余儀なくされました。2週間は仰臥位のみのベッド上安静。側臥位もダメ。ギャッジアップは食事の時のみ30度まで可能。という指示が出ました。

天井を見て過ごす毎日。

身体の痛みで眠れない夜の長いこと長いこと・・・。

わざわざナースコールして、お願いするのが申し訳なく我慢。

食事を運んでもらい、体を拭いて着替えさせてもらう。

何もできない私。

「看護師の私」ではない、ただの「私」。

すでに看護師として働いていましたが、怪我や病気や入院は自分とは関係ない、どこか他人事のように思っていました。でも、それは突然やって来て、私の日常を奪っていきました。

自分が思うように、したいことができる健康のありがたさ。

仕事をし、社会で活動できる事の素晴らしさ。

時間が過ぎていくのを、ただじっと天井を見て待つ日々。

そんな日々を過ごしたことがありました。

先日、リハビリスタッフと同行し訪問させていただいたSさん。大腿骨骨折の手術後、まだ以前のように歩けませんが、それでも電車に乗って通勤されています。

「改札でもたついていると、自分が邪魔になっている事はわかっている。嫌になるよ。転びそうになると不安になる。でも、俺は負けないよ。失った自信を取り戻したいんだ。」

そう話してくださいました。多分、ご自身に言い聞かせ、ご自身をふるい立たせる言葉だったのかもしれません。

訪問を終え、私は自分の入院生活の事を思い出しました。勝手な解釈ですが、
Sさんが、私に対しても同じように言ってくださったような気がしています。

原付ライダー明日も行く!

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