【ポッドキャスト連動記事②】中国語大好き漢詩の旅:絶対に負けられないPodcast
また、前回の記事をまだ読んでいない方は、
先にこちらを読むと理解がより深まります。
⑵なぜ漢詩を学ぶのか?
日本での【漢詩を学ぶ理由】
必修科目の一部であるため、大学受験のためという理由が大きい。
学習指導要領より、細かく説明すると、
①古文・漢文の意味用法、構造を理解する。
②人間・社会・自然に対する思想や感情を豊かにする。
③日本文化と中国文化の関係について考える
中国での【漢詩を学ぶ理由】
生まれ持った心や身の性質や能力を育て、
精神世界を豊かにするため。
自慢をしたり、知識の広さを威張るためではない。
詩を読むことで作者になりきって広い心が持てる。
3歳前後から学び初めて、
中には赤ちゃんの頃から聞かせる家庭もあります。
唐诗三百首は日本版かけ算九九。暗記が必須です。
※三国志絵本朗読音声
⒉日本で有名な漢詩の紹介
⑴孟浩然:春暁(春眠暁を覚えず)
①作者・孟浩然について
盛唐の人物。詩才を認められながらも、
仕官することなく52歳で没した。
裏表のないさっぱりした性格。
40歳で科挙に失敗し、
故郷へ帰って隠遁生活を送ります。
立身出世と引き換えに自由を手に入れました。
②書き下し文
春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知るいくばくぞ
③日本語訳
寝過ごしてしまった春の朝
小鳥の声で目がさめた
夜中にきいたあの嵐
花はどれだけ散っただろうか
③中国語白文
⑵杜甫:春望(国敗れて山河在り)
①作者・杜甫について
唐代の人物。官僚。
庶民が幸せに暮らせる社会の実現を目指して政治家を志します。
しかし戦乱や飢饉に阻まれ(安禄山の乱)
手腕を発揮することなく59歳で没してしまいます。
貧困と飢餓に追われ家族と放浪に明け暮れた人生でした。
庶民の苦しみを詩に描いた社会派の詩人です。
②書き下し文
国破れて山河あり
城春にして草木深し
時に感じて花に涙をそそぎ
別れを恨んで鳥に心を驚かす
烽火三月に連なり
家書万金に低る
白頭掻けば更に短く
すべて簪に勝えざらんと欲す
③日本語訳
国は敗れてしまったが山河はもとのまま
長安城に春が来て草木はまた生い茂る
人の世の脆さを感じては花を見ただけでも涙がこぼれ
家族との別れを嘆いては鳥の声にも心が乱される
いくさののろしは三月も止まず
家族からの手紙は万のお金にもかえがたい
嘆きつつ掻く白髪はいよいよ短く
もうすぐ簪もさせなくなりそうだ
ちなみに、
松尾芭蕉は平泉(奥州藤原氏の乱)
で杜甫と同じような気持ちになり、
この春望の詩を踏まえて
「夏草や つわものどもが 夢の跡」という俳句を詠みました。
③中国語白文
(おまけ)李白:静夜思
①作者・李白について
李白ママが李白を身ごもった際、
太白星(金星)が体に入り込む夢を見たので
名を「白」字を「太白」と名付けました。
父親が異民族出身で、
緑色の目をしていたとの逸話もあります。
朝廷の官吏になってからは、
酔った勢いで玄宗皇帝の腹心(高力士)
に靴を脱がせるなど問題行動を起こして
一ヶ月半でクビになりました。
(享年61歳)死因は諸説あり
・船の上で酒を飲んでいる時川面に映った
月をすくい取ろうとして溺死
・普通に病気で亡くなった
②書き下し文
牀前月光明らかなり
疑うらくは是れ地上の霜かと
首を挙げて明月を望み
首を低れて故郷を思う
③日本語訳
枕辺に明るい月の光
庭いちめんに白い霜が降りたよう
頭を挙げては明月を眺め
頭をたれては故郷を思う
※眠れぬ夜、遠く離れたふるさとを想う詩
③中国語白文
今回は、ポッドキャストの放送範囲に
合わせているため、以上になります。
先行してこの記事をお読みいただいた方も、
ぜひ8/23配信の放送を聴いてみてください。
また、放送を聴いて、
「絶対に負けられないPodcast」
に興味を持ったという方は、
私の個人的なおすすめ回をまとめているので
こちらもよろしくお願いします。
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