【介護業界に興味のある方へ】介護施設経営者が介護未経験者の悩みトップ5に答えてみた!
こんにちは! あきた創生マネジメント代表の阿波野聖一(あわのしょういち)です。
これから迎える超高齢化社会に向けた対策として、介護職の人材を確保することについてnoteで発信してきました。海外の学校と提携して、インターンシップを取り入れることで日本介護における循環型社会を作り上げることで人材を確保することを目指しています。
しかし、介護業界を盛り上げていくためには、新しい人材の確保と同時に介護業界から離れてしまう人たちのフォローも必要です。
2023年10月23日、日本経済新聞が「介護就労者初の減少」との記事を報道して話題となりました。厚生労働省の雇用動向調査によれば、介護業界の就労者の増減を測る指標が、2022年はマイナス1.6%。人数にして約6.3万人が減少したと発表されました。
介護業界は2019年から就労者人数は増加傾向にあったのにも関わらず、2022年には減少しています。介護就職者の必要数が年々増加傾向にあるにもかかわらず、約6.3万人もの減少は非常に深刻な問題です。2023年度には約233万人を確保する必要があると試算されています。
介護業界で働く人たちの人数が減少している理由の一つに「働いているイメージがつかない」があります。業界の理解度が低いことで人材の確保やイメージと違ったなどのギャップで離職してしまう人もいます。就業者が減少してしまっている中で、離職に繋がらない仕組みを作ることも必要です。
今回は、介護業界の理解を深めるために、介護職員が抱える悩み・原因とあきた創生マネジメントが実際に取り組んでいる内容についてご紹介させていただきます。
1. 介護の仕事は心身面できついと聞く
介護職は、患者や入居者の身体的なケアや移動支援が含まれ、重たい物の持ち上げや長時間の立ち仕事が必要です。体力的な負担も大きいことでイメージされているのではないでしょうか?
しかし、体力的にも負担が大きいですが、メンタル面もキツい面があります。それが今でいう、ご家族のカスタマハラスメントや入居者のセクハラ、パワハラにつながってしまうケースもよく聞きます。また社内の人間関係に悩んでいるケースもよく聞きます。
あきた創生マネジメントの取り組みとして、教育、労働環境の改善、テクノロジーの活用、組織文化の醸成、社外専門家との連携があります。
介護人材育成の参考記事:
2.介護現場のリーダーが育っておらず、未経験者を受け入れられない
とくに未経験者は、介護施設での実務経験が不足しており、状況に適切に対応する自信を持つのが難しいです。そのために具体的なスキルの習得やトレーニングを行い、従業員を教育していくことが求められますが、現場を回せるリーダー格の人材が不足していることから未経験者に充分な教育の機会を与えられない状況が問題だと考えています。
介護現場でリーダーが育たないことは業界でもよく叫ばれていることです。
「介護専門職としての教育が優先されすぎている」
「リーダーになっても同時に現場仕事もこなさなくてはならないので大変」
「リーダーになりたがらない人も少なくない」
など、さまざまな要因がありますが、一番の要因はそもそもリーダーを育てようとしていないことです。
私自身もリーダーポジションを任されましたが、自分の実務が増えてしまったことで、チームのマネジメントまで手が回らなかった経験があります。まさにリーダーを育てる環境が整えられていないことが原因でした。
そこで私たちは創業10年目を迎えた2021年度から「リーダーマネジメント研修」をスタートしました。
リーダーマネジメント研修は現職のリーダーだけでなく、リーダーを目指すスタッフも本人の意思で参加することができます。リーダーを育成する環境づくりが介護事業の教育を担っていくと考えています。
リーダー教育の参考記事:
3. 利用者とその親族とのコミュニケーションが難しい
利用者には、さまざまな状態にあり、感情やコミュニケーションが難しい場合があります。認知症など病も影響しているので、入居者様の本当の気持ちを理解しきることができないこともしばしば、、、。また、利用者の親族との会話も必要となるため、介護スタッフもコミュニケーションを積極的に取ることを意識する必要があります。
当社では、「その人らしさを追求し、自然な表情、仕草、言動を引き出すケア」を心がけています。ショートステイでありながら、5年以上ともに生活をする利用者様もおり、家族以上に生活を共にする方もいらっしゃるほど。
コミュニケーションを増やすために、利用者の日々の出来事をスタッフからご家族様にテキストや写真で共有し、ケアの判断に迷われた際はすぐ双方相談し、回答ができる仕組みづくりを行ったところ、ご家族様とのメッセージグループ内で生まれた対話がきっかけで利用者様の好きな演歌歌手を知り、音楽を実際に視聴いただくことで喜んでいただけたなど印象的な場面が多々ありました。
そのおかげもあり、利用者様の親族から「人生の最後を支えてくれないか」と相談を受けることが増えました。
会話を増やす仕組みの参考記事:
4. シフト勤務が不規則で私生活が不安定
介護職は夜間や週末にも勤務が必要で、不規則なシフト勤務が一般的であることから、私生活にも影響が出てくるかもしれません。
基本的に介護の仕事は人を見ることが前提です。相手が人である以上、まずは24時間、365日対応はしないといけないことから、弊社は変動勤務を少なくしたり、夜勤専従にしたり、日勤専従、短時間、土日祝休等多様な働き方、Wワーク、テレワークなど多様な働き方を推進する制度も作りました。
家庭を持つスタッフもいることから多様な働く環境が整っていることで、スタッフのライフスタイルも尊重できる働き方ができます。
5. 介護業界の未来が不透明
介護業界の将来について、需要と供給の不均衡、資金不足、人手不足などの問題が浮上し、キャリアの安定性と将来の展望に不安を持つ人もいるかもしれません。今後、介護業界で働いていくためにも目指すべきゴールを設定していくこと(当社ではビジョンマップと読んでいます)が大事です。
私たちのビジョンマップは以下になります。
①グローバルメンバーの受け入れ
当社ではインドネシアの学生をグローバルメンバーとして受け入れています。当社で日本の介護技術やスキルを学び、母国で介護に活かすために働いています。当社は登録支援機関として、今後も海外からの人材受け入れを促進していき、海外の大学と提携して「インターンシップ事業」を開始しました。
インターン生の受け入れによって、大学卒業後に特定技能生として再来日して働けるように取り組んでいます。グローバル人材を確保することで、人手不足問題を解消していきます。
②人材育成
外国人労働者が単に技術やスキルだけを身に着けるのではなく、将来のキャリアアップに役立つよう、研修を通してマネジメントやリーダーとしての人材育成に力を入れていきます。現場を管理するリーダーが育たなければ、万全な教育体制を整えることができません。
当社も「リーダーマネジメント研修」を活用して、現場をより円滑に回せるリーダーの育成に取り組んできます。
③グローバルメンバーとのコミュニティ作り
海外から働きにきてくれるグローバル人材は、単なる海外労働者とは違い、私たちは「共に働く仲間」という認識を持っています。そのため地域とのつながりも重視し、積極的に交流を重ねています。こうすることで、地域での外国人労働者受け入れの基盤を作り、外国人労働者が安心して生活し、そして働ける環境づくりに役立てています。
④テクノロジーの導入
テクノロジーに事業投資を行うことで、作業効率や利用者の安全性を向上させることが期待できます。当社も記録システムやインカム、介護見守りロボットを活用しています。それぞれではかなりの生産性を上げ業務効率化、負担軽減にはつながっているので、投資対象としての費用対効果も申し分ありませんでした。
このように私たちとあきた介護マネジメントでは、ビジョンマップを活用して、介護業界で叫ばれる問題に向き合っていきます。
あわの社長から読者さんへメッセージ
秋田県はこれからさらに人口減少が進み働き手は減っていき、高齢者の割合は増え、介護の需要だけは増加していくことが予想されるのです。これは危機的な状況です。
しかし、裏を返すとチャンスともいえます。これから海外も含めて少子高齢化は進み、秋田のような状況をむかえるでしょう。その時に向けて、今の秋田が未来の介護、未来の地域づくりのカタチを示せたら、世界にこのロールモデルを提供できると思っており、そのために今を精一杯考え、動きます。
これからも読者さんに介護業界について深く学んでもらうために、noteを書いていきますので、次回の投稿も楽しみにしていてください。
追伸1:
あわの社長のメンバーシップ:新"真"時代とリデザインのメンバーを募集します。リリースは追って連絡しますね。
少子高齢化先進県の秋田から介護事業通して地域の未来と世界への展開を創造しているあわの社長と地方の事業の経営者・管理職・リーダー、これからの世代の子たちがそれぞれの立場の悩みを共有し、解決やヒントをもらいながら、それぞれの想いの実現に向けて、想いをカタチにしていくコミュニティです。
■活動方針や頻度
■このメンバーシップがおすすめな人
特に相談できる人が周りにいなくて一人で悩んでいる人は歓迎。もちろん、経営者・管理職・リーダーになりたい方も参加OKです。
追伸2:
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