芸術家に捧げる料理 〜カルパッチョ〜
イタリア料理の前菜の定番カルパッチョ。
日本のレストランではお魚の薄造りにオリーブオイルやドレッシングなどでお馴染みのお料理です。
こちらのお料理、元々は仔牛のフィレの赤身を使ったお料理でした。
その発祥はベネチアの老舗ハリーズバー。創業者でありチーフバーテンダーだったジュゼッペ・チプリアーニが、医者から食事制限を受けている常連客のために考えた料理だと言われています。そしてそのメニュー名をつけるのに迷っていたところ、ちょうどベネチアで「ヴィットーレ・カルパッチョ 生誕500周年回顧展〉が開催されていたことから、「カルパッチョ」と名付けたそうです。
ヴィットーレ・カルパッチョはベリーニなどと並ぶルネサンス期のベネチア派の巨匠。
お料理に使う赤身肉と白いマヨネーズのコントラストは、彼の色彩へのオマージュとも言われています。
イタリアでは海辺の一部の地域を除いて、生のお魚を食べる文化が無いのですが、今では日本食ブームの影響などもあり、イタリアでもお魚のカルパッチョを見かけるようになりました。
日本のイタリアン レストランからの逆輸入的な感じなのですが、食にこだわるイタリア人の懐の広さを感じますね。
ちなみにここでご紹介したハリーズバーですが、とても有名なカクテルの誕生の地でもあります。
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