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怒ることも大事なんだと思う(育児日記)

季節の変わり目か、寒いうえに強い風が吹いていました。
幼稚園から帰る途中、年長の長女が被っていた帽子が風に飛ばされ、車道にまで出てしまいました。

早く追いかけないと帽子が飛ばされてしまう。
でも道路は車が来るから危ない。
(・・・どうすればいいの!?)

幸い、たまたま後ろを歩いていた先生が帽子を取って届けてくれましたが、娘は初めての経験に軽くパニックになっていました。

昨日起きたその出来事を思い出してしまったのか、幼稚園に行く直前に珍しく長女が行き渋り。
「風が強いのが怖いから、休みたい」

でも今日は、次女のおゆうぎ会のリハーサル。
遅刻するわけにはいかないので、妻と次女だけ先に幼稚園に行きました。

長女は、妹のリハーサルを見られるこの日を楽しみにしていました。
育休中の私がしばらく家で説得しましたが、風が怖いと言って行こうとしません。
帽子は手で持てばいいよ、冬はこれからずっとこんな天気だよ、と言っても応じることはありません。

ま、そんな日もあるか。
明日は行くって言っているし、今日は休ませよう。

風が強いから休むなんて納得できませんが、怒ることなく子どもに寄り添い、言い分を聞いて、受け入れてあげる。
わがままを聞いて甘えさせてあげるという、教科書的な対応でしょうか。


ところが、次女を送って帰って来た妻は、そんなこと認めません。
怒りの感情が表に出た、強い態度で迫ります。

「先生になんて言うの?
 風が強いから休むなんて言えないよ?
 冬はずっと休むつもり?自分で電話しなよ。
 ママからはそんな理由で休むなんて言えない。
 他に理由があるなら言って。」

妻と長女のやりとりがしばらくあり、沈黙が過ぎます。
そして、長女が口を開きました。

「Kちゃんに怒られるから行きたくない」
「Kちゃんが、なんでもダメ!って言うのがこわい」
「仲良しのお友達は今日は用事で早く帰るし、
 Kちゃんと2人きりで遊ばされるのがイヤ」

Kちゃんはたまに話題に出る。
他の子と遊ぶのを禁止したり、自分がしたい遊びを強制してくる子。
怒りを前面に出して、何でも自分の思い通りにしようとする。

「そっか。教えてくれてありがとう。
 それならいつもより1時間早くお迎えに行くね。
 その時間ならお友達もまだいるはずだから。
 次女のリハーサル見に行こう!」

それから長女はすんなり幼稚園に行って、結局は楽しい一日を過ごすことができました。


妻の対応は、半ば強引だったかもしれません。
子どもに対して怒っているし、わがままを受け入れていない。

妻曰く、
長女はこの日を楽しみにしていた。
そんな理由で休ませるのはもったいない。
選択肢は逃げるだけじゃない。今は女の世界の練習中。
これからも人や場所が変わる度、女の世界に出くわす。
お友達にも、もっと主張できるようにならないといけない。
嫌なことは「イヤ」と自分から言えるようにならないといけない。


教科書的な対応と、半ば強引な対応、どちらが正解なのかは正直分かりません。

でも、長女は園に行ったから、楽しい一日を過ごすことができました。
長女から本当の「イヤ」を引き出せたのは、妻でした。


子どもに対して怒ることはよくない、という論調をよく目にします。
怒っても無駄だし、怒る親は未熟だと。

でも、「怒る」って、そんな単純な話じゃないと思うんです。

確かに、日々のルーティンの中で怒る回数を減らす工夫は必要だと思います。
相手に何かを要求するときも、怒るのはあまりよくはない。

それでも「怒り」の感情は、大切なものを守るために必要になるときがあるはず。
今回守ったのは、長女の楽しい思い出と、誰かの言いなりにならないための強さ、でしょうか。

女の世界は、厳しい。
グループを作って仲間外れにしたり、面と向かって突き放すような発言を、園児でも普通にしていて驚かされます。

大人になると「イヤ」と言えない女性は、悪い男に付け込まれます。

もちろん女性だけではありません。
ときに怒りをもって大切なものを守らないといけない場面が、人生では多々あります。

やりたくないことをさせられてばかりの人生では、なかなか幸せを感じられません。


怒るのはよくない、ではなく、怒りとうまく付き合いたい。

まったく怒らないと大切なものを守れないし、怒ってばかりだと誰からも守ってもらえない。

他人からの要求を受け入れる「優しさ」と、自分のイヤを主張する「強さ」のバランスを大切にしたいですね。

<今回のポイント>

  • やりたくないことをさせられてばかりの人生では幸せを感じられない

  • 大切なものを守るために怒ることも大事

  • 他人からの要求を受け入れる「優しさ」と
    自分のイヤを主張する「強さ」のバランスが大事

今回の記事で、子育てと気楽に向き合えるパパママが増えてくれると嬉しいです。

またねー。
ベテランパパ

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