台湾薬膳スープの世界 #4
小飛
第4回:銀耳蓮子湯 ~カラダ潤う、美容女子の薬膳デザートスープ~
こんにちは!台湾人の小飛です。
今回紹介する薬膳スープはほどよい甘みの薬膳スイーツ「銀耳蓮子湯(インアァリェンズゥタン)」です。
「えっ?薬膳料理なのに甘いの!?」とビックリするかもしれないですが、薬膳スープにはしょっぱいものだけでなく、甘いものもありますよ。
「銀耳蓮子湯」に使われる生薬
今回紹介する「銀耳蓮子湯」には、4つの生薬がはいっています。
・銀耳:白キクラゲ(左上)
・枸杞:クコの実(右上)
・紅棗:ナツメ(左下)
・蓮子:蓮の実(右下)
銀耳(白キクラゲ)とは
白キクラゲについてはあまり知らない人が多いと思うのですこしだけ紹介しますね。
白キクラゲは、文字通り白色をしたキクラゲの一種です。一般的に乾燥した状態で売られていますが、水で戻すとふわっと膨らんで、人の耳のように柔らかく弾力性があるため、台湾では「銀耳」と呼ばれています。
日本でもキクラゲを漢字に変換すると「木耳」となりますよね。
白キクラゲは、古くから王侯貴族が延命長寿の薬として様々な調理方法で食してきましたが、その中でも「銀耳蓮子湯」は最もよく知られているスイーツです。
中国伝統医薬学では、白キクラゲは栄養が豊富で、のどや肺の乾燥による空咳への効果や、体や皮膚に潤いを与える働きがあるとされています。
特に食物繊維や植物性コラーゲンが豊富に含まれているため、美肌効果が期待できますよ。
昔から白キクラゲは「庶民のツバメの巣」と呼ばれていて、白キクラゲを使った「銀耳蓮子湯」は台湾の女性とって、たいへん人気のある薬膳スイーツです。
夏の時期には暑さをうち払うために冷たい状態で食べられ、冬の寒い時期には温めて食べられます。季節を問わず、一年中食べられていますよ。
また、蓮の実、クコの実、ナツメの働きも加わって、さまざまな効果(イライラ解消や美容など)が期待できます♪
材料 (4人分)
白キクラゲ …………… 40グラム
蓮の実 ………………… 50グラム
ナツメ ………………… 50グラム
クコの実 ……………… 30グラム
氷砂糖 ………………… 適量
作り方
(1)白キクラゲを一晩水に浸けておく。
(2)翌日(1)の水を捨て、数回白キクラゲを洗ったら、ハサミで石づきを切り取り、食べやすい大きさにちぎる。
(3)ナツメとコクの実を綺麗に洗い、30分ほど水に浸けておく
(4)蓮の実の中に胚芽(※)があれば竹串などを使って取り除いた後、水で軽く洗い、10分ほど水に浸けておく。
(※胚芽:蓮の実の中にある緑色の芽のようなもの。普通は取り除かれていますが、たまに中に残っていることがあります。残ったままだと苦みが出てしまうので注意!)
(5)鍋に白キクラゲ、ナツメ、蓮の実と1.5Lの水(分量外)を入れて、沸騰するまで強火で煮込む。
(6)煮立ったら蓋を閉じて、とろみが出るまで弱火で1時間ほどじっくり煮込む。
(7)クコの実と適量の氷砂糖を入れて甘みをつける。
(8)お気に入りの器に盛り付けたら完成!
好みの食感に合わせて煮込む時間を調整してもOKです!個人的にトロっとした食感が好きなので、今回は1時間ほど煮込んでいます。
銀耳蓮子湯はほかのスイーツに比べて、すごく甘いわけではなく、本当に素朴で優しい味です。それぞれの素材の甘みや食感の違いを楽しみながら味わってみてください。
今の季節は肌ものども乾燥しやすいので、この薬膳スイーツを食べるにはピッタリですよ。ご自宅で作って召し上がってみてくださいね♪
本場・台湾の有名店!
台北の有名店の紹介です。台北を訪れる時はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
・阿猜嬤甜湯
場所:台北市萬華區華西街3號
いろんな種類の台湾デザートスープが食べられる有名店です。添加物を使っていないのも健康志向の方には嬉しいですね。
最後に
4回に渡って紹介した台湾の薬膳スープはいかがでしたか?
台湾人は健康な体をつくるために、季節によって様々な生薬を組み合わせた料理を作ります。
薬膳は台湾に根付いた食文化なので、台湾好きの方は積極的に日常に取り入れてみてくださいね。
台湾には今回までに紹介したスープはもちろん、その他にもいろんな薬膳料理があります。次回の台湾旅行では薬膳スープとの出会いも楽しみの一つに加えてみてはいかがでしょうか。再見!
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