台湾薬膳スープの世界 #2
小飛
第2回:「蒜頭雞湯」〜スタミナ満点!にんにく鶏スープ〜
こんにちは!台湾人の小飛です。
突然ですが、最近こんな事に悩んでいませんか?
・体の冷えを感じる
・風邪が心配
・疲れやすい
今回紹介する台湾薬膳スープはそんな方におすすめのスープですよ!
今回の薬膳スープ「蒜頭雞湯」
シリーズ第2回目の今回は「蒜頭雞湯(スァントウジータン)」のレシピを紹介します。
「蒜頭雞湯」なんて聞いたことがないよー!って人の方が多いと思うので、どんなスープか説明していきますね。
「蒜頭」は「にんにく」、「雞湯」は「鶏スープ」なので、「蒜頭雞湯」は日本語にすると「にんにく鶏スープ」という意味です。
にんにくを丸ごとたっぷり使ったスタミナ満点のスープで、台湾では特に季節の変わり目に風邪予防としてよく食べられます。
「でもたくさんにんにくが入っているなんて臭いがきつそう!」と思われる方や、そもそもにんにくが苦手な方もいらっしゃいますよね。
ですが心配ご無用!「蒜頭雞湯」のにんにくは、煮込むことによって特有の辛味とにおいがほとんど無くなり、ほくほくとした食感と甘味が出ます。
いつものイメージとは違ったにんにくを楽しめるので、苦手な人でも案外美味しくいただけるかもしれませんよ。
メイン食材のにんにくと鶏肉に、中国伝統医薬学で期待される効能は次のようなものがあげられます。
にんにくは殺菌効果、消化不良や下痢、冬風邪による悪寒・発熱などに効果があると考えられています。
また栄養が豊富で滋養強壮、疲労回復にも効果があると言われる食材です。
鶏肉は胃腸の虚弱による食欲不振、無気力、咳に効果があるとされています。
そのため、「蒜頭雞湯」は風邪予防や免疫力アップ、栄養補給、さらに寒い時期に冷えた体を温める効果が期待できます。
材料 (4人分)
手羽元 ………………………… 1kg
にんにく ……………………… 2個
ゴマ油 ………………………… 大さじ4
紹興酒(または料理酒) …… 大さじ3
塩 ……………………………… 適量
青ネギ(輪切り) …………… 適量
☆鶏肉:にんにく:水(分量外)の比率は、1:1/3以下:1.5が良いですよ!
作り方
(1)鶏肉に塩(適量)をふって揉み、下味をつける。
(2)にんにくを一片ごとに分け、薄皮を剥く。
(3)フライパンにゴマ油を熱して、中火で鶏肉に焼き色がつくまでじっくりと焼く。
(4)半量のニンニクを加えて、鶏肉と一緒に炒める。
(5)ニンニクに焼き色がついたら、材料が浸るくらいまで水を注ぐ。
(6)沸騰したらアクを捨て、フライパンの中身を鍋に移す。
(7)残りのにんにく、紹興酒(または料理酒)、残りの水(5.で加えた水量と合わせて鶏肉の1.5倍となる量:合計1.5L)を加え、再度沸騰させる。
(8)蓋を閉じて弱火で10〜15分くらい煮込み、適宜、塩で味を整える。
(9)器に盛り付け、青ネギを振りかければ完成!
たっぷりにんにくを入れたのに、煮込むことでにんにく特有の匂いはほとんどなくなり、おまけに甘味が出ます。(にんにくの甘みを感じたことがありますか?)
炒めたにんにくと煮込んだにんにくの食感や風味の違いも楽しんで下さいね。
ほくほく、トロッとした優しいにんにくは食べるとほっこりします。
そして、もちろん手羽元の骨から出た旨味を含んだスープと煮込んだ柔らかな鶏肉もとっても美味しいですよ!
この一品だけでも充分満足できるスープです。
今回の薬膳スープに他の生薬を加えて食べるのもおすすめです。
ナツメやクコの実、トウキを加えた「薬膳蒜頭雞湯」の動画を、以前私のYouTube で紹介しました。
シイタケを入れて食べるのもおすすめです!食物繊維が豊富に含まれているので腸をきれいにしてくれる効果が期待できますよ。
本場・台湾の有名店!
最後に台湾の有名店の紹介です。台湾を訪れる時はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
・御膳煲養生雞湯館
場所:台北市光復北路60巷17號1樓
台北にある鶏スープ専門店で、時間をかけて煮込んだいろんな種類のスープが楽しめます。
HP: https://www.ysbsoup.com.tw/zh_TW/
・文。茶園
高雄にある現地の人に人気のレストラン。ハマグリの入った「蒜頭蛤蜊雞湯」は美味しいと評判!
場所:高雄市鳳山區文龍東路732號
・府城騷烤家
台南駅近くにある焼き料理が人気のレストラン。雞湯の有名店というわけではないですが、友達とこのお店に行ったときは必ず「蒜頭雞湯」を注文するので紹介。(笑)
場所:台南市東區前鋒路122號