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30年かけて【11月】を好きになれた (命を考えるノンフィクション)
私は11月のひんやりと乾燥した空気を感じると、空を見上げてしまう。
それは覚えている限り中学生の頃から。
(普段ヲタ向けショート書いてる人が、
今日は突然のノンフィクション失礼します)
私は暑がりなうえに汗っかきなので、
夏の終わりに夕方涼しさを感じる時期から日に日にテンションが上がる。
どんどん空気がひんやりしてきて、
晴れてても汗をかかない頃になれば毎日ルンルンで過ごせる。
自分の誕生日は2月と真冬だが、鼻がツンと赤くなる程寒いのだって、全部脱いでも暑い夏よりマシだ。
だけど11月だけは、
決していい意味ではなく特別で、毎年空を見上げては微妙な気持ちになってしまう。
~父の命日が存在するのが、11月~
いきなり重たくてすみません、
でも30年前なのでケロッとこの話をしてます。そこをご了承いただきたいです、最終的に伝えたいのはそこではないので。
しかも私の父は残念なことに、事故でも病気でもない。
そう、こんなに可愛い娘が大きくなるのを見届けなかった残念な父なのです。
生きたくても生きれない人がたくさんいるのに、生きてさえいれば可愛い孫だって見れたのに。
私が空を見上げ始めた事を覚えてる中学生時代。
一般的に言う思春期ですよね。
実はこの頃まだ私は母の優しさに守られていて、父の死因は知りませんでした。
それでもふと、今まで普通だと思って過ごしてきた"母子家庭"という事実に感傷的になってしまったりするのが、思春期さん。
母には言ったりしませんでしたが、
同じく母子家庭だった当時の親友は父の暴力で離婚した子で、
私は「お父さんに会いたい、お父さんの所へいきたい」
親友は「1回親父を見つけて殴りたい」
と、なんとも物騒な話題で毎日のように盛り上がっては、お互いに「それはダメだよ!」
と謎の支え合いをしていた中学生でした。
ちょっと過去の話が長くなりましたが、
そんな私も大人になり今旦那さんである人とお付き合いを始めてからは、少し前向きな11月を過ごせるようになりました。
彼の誕生日が、11月なのです。
これも今思うと偶然なのか必然なのか。
プレゼントを考えたり予定を考えたり…
あ、大変ケーキも予約しなきゃ!
なんて慌ただしくしていると、感傷的になる隙もおのずとなくなってくるもので。
さらに夫婦そろって大好きな世界的なネズミさんのお誕生日も11月!
あら11月って忙しいじゃない素晴らしい!
そんな7年ほどの期間も経て、ついに今年…
旦那さんのプレゼント考えつかなくて
注文してないほどに、忙しかった!
今年からどハマりしている韓国アイドルの
日本でのCDリリース活動(通称イル活)がありましてね!
結局そこかいって話ですが、父の命日の翌日がCD発売日でそれはもう見事に感傷的になるヒマなんてなく今日まで11月を過ごせているのです。
結局なにが言いたいかというと、
私の場合は夫の誕生日や推し活でしたが
きっかけは人それぞれ。
きっかけは本当になんでもいいので、
忘れないことも大切かもしれないけど
今を尚生きている人が、前を見て
楽しく生きていく為には、
適度に忘れることと、適度な忙しさ
が大事なんだなということ。
それは1番悲しくて大変なはずの喪主がなぜか1番忙しい、日本の葬儀の奥深い優しさにもいえることかなと思うのです。
悲しむ暇がないくらい葬儀で忙しいからこそ、1番はじめに人間が乗り越えなきゃならないサヨナラとの2~3日間を生きて過ごせるのではないかと。
あくまでも、たまたま5才から
死について考える機会のあった35才の
個人の見解ですが。
時間が経った、大人になったというのもいろいろ統合されての結果だとも思います。
もしも叶うなら、1人で娘2人を育てる時には必死であまり笑わなかった母が、孫が笑っただけで爆笑するその隣で、あなたにも笑っていてほしかった。
ともあれ、30年かけて【11月】を好きになれてよかった。
来年の11月は、旦那さんのプレゼント間に合うように反省もして、推し活との両立を頑張って迎えたいと思います。