【1週間短歌ごはん生活】6月に旬を迎える食材と短歌
6月は、気温が上昇してくるとともに、梅雨の時期を迎え、ジメジメしてきます。
そのため、体がだるく感じたり、体調を崩しやすくなる時期でもあります。
6月は、ミネラルや、ビタミン豊富な夏野菜や、魚などが、流通し始める時期ですので、旬の食材を取り入れて、梅雨を乗り切り本格的な夏に備えていきましょう。
と言うことで、そんな6月に旬を迎える食材を詠った短歌に食指が動いてしまわない、かな?(^^)
【6月に食べたい旬の魚や野菜と短歌】
■アジ 鰺
「冷凍の鰺の開きの帯びし霜朝のシンクに払いていたり」
(小島一記「酒とジュース」(角川「短歌」2018年9月号)より)
■アユ(若アユ) 鮎
「ラップされ鮎は一点見つめおりその一点を家まで運ぶ」
(川野里子『歓待』より)
「われの名は魚(さかな)と言えばああ鮎かと答えぬ不思議そうに見つめて」
(飯沼鮎子『土のいろ草のいろ』より)
■イカ 烏賊
「夜の道来つつし見れば凍りたる立方体の烏賊をほどける」
(玉城徹『樛木』より)
「おやつなりし烏賊煎餅が烏賊の香を院長室に籠もらせてゐる」
(井野佐登『自由な朝を』より)
「烏賊の白いからだを食べて立ち上がる食堂奥の小上がり席を」
(山崎聡子「生きなおす」(「短歌研究」2018年10月号)より)
「烏賊一杯まな板に今宵どこまでも透きとおりたい私がいる」
(辰巳泰子『いっしょにお茶を』より)
「歯の欠けし口中に噛む烏賊の足しだいに何か悲しくなりぬ」
(岡部由紀子『父の独楽』より)
「流星群に降られつつ烏賊を剥いてをりどこから指かもう分からない」
(朝井さとる『羽音』より)
「くらき海ほたる烏賊あふれ口数のすくなき街と遠くつりあう」
(中田明子『月と水母』より)
■イワシ 鰯
「携帯と鍵を忘れて妻を待つ和金のような鰯雲見つつ」
(上田康彦「短歌」2019年1月号「角川歌壇」より)
■ピーマン 甘唐辛子
「連休もひっそり暮れし夕厨ピーマンふたつ水桶に浮く」
(古林保子『ローカル線辺り』より)
■パプリカ 洪
■きゅうり 胡瓜
「正月も胡瓜出まはる世になりて胡瓜の和布和わかめあへの旨しも」
(高野公彦『水の自画像』より)
「きうり用の網を明日は求めむか空を探れるあまたの蔓へ」
(秋山佐和子『豊旗雲』より)
「まりこさんまりこさんなら誰でもいいきゅうりパックの隙間より笑む」
(飯田有子『林檎貫通式』より)
「いただきものの初物きゅうり食みながら名のなかにのみ残る畑は」
(石畑由紀子『エゾシカ/ジビエ』より)
「六十四まで生きえしこの身をよしとせむ生れ月七月は黄瓜の匂ひす」
(河野裕子『蟬声』より)
■トマト 蕃茄
「「2度熱傷」そのものなればするたびに心が痛むトマトの湯剝き」
(久山倫代『星芒体』より)
「てのひらに稚きトマトはにほひつつ一切のものわれに距離もつ」
(滝沢亘『断腸歌集』より)
■なす 茄子
「赤茄子の腐れてゐたるところより幾程(いくほど)もなき歩みなりけり」
(斎藤茂吉『赤光』より)
「ひとりゐて飯(いひ)くふわれは漬茄子(つけなす)を嚙むおとさへややさしくきこゆ」
(斎藤茂吉『小園』より)
「紺いろに枝より垂るる茄子の実は悲哀のごとしふぐりの如し」
(玉城徹『樛木』より)
「母と子が互ひを責めてゐるやうな袋の小茄子触れては鳴りぬ」
(川野里子『太陽の壺』より)
「秋茄子を両手に乗せて光らせてどうして死ぬんだろう僕たちは」
(堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』より)
「なすの馬の脚のういたいつぽんだけがいまもあるいてゐるつもり」
(平井弘『遣らず』より)
「ゆふべ煮付けし茄子とズッキーニよく冷えて蕎麦のお菜に夫のよろこぶ」
(秋山佐和子『豊旗雲』より)
「マグカップに湯注ぎ生まれ出ずる茄子悲しみに似る真夜の空腹」
(小原和「白木蓮」(「ヘペレの会活動報告書」vol.1:2018年)より)
■とうもろこし 玉蜀黍 玉米 唐黍
「神の掟不意に畏(おそ)れつ唐黍の粒のひしめき列なしてゐる」
(村山美恵子『溯洄』より)
「公園にトウモロコシを食う人のつかのまの幸吹き渡る風」
(大島史洋『ふくろう』より)
「オリベッティ・タイプライター打つやうに玉蜀黍を端から食べる」
(石井雅子(2015年・出町柳編集室)より)
■さくらんぼ 桜ん坊 桜桃
「桜桃はてりつつ持てるかなしみのいろあり掌(て)にはのせがたきかな」
(藤井常世『紫苑幻野』より)
■スイカ 西瓜
「足裏より夏来て床に滴りしすいかの匂いまばゆい午後だ」
(天道なお『NR』より)
「買い被られているようであり馬鹿にされているようでもある真冬の西瓜」
(東洋『青葉昏睡』より)
「今は西瓜に頭を突っ込んで眠りたい 内側の赤をなだめるために」
(安川奈緒『Melophobia』)
「天国の求人票をまき散らし西瓜畑へ遊びに行こう」
(服部真里子『行け広野へと』より)
「先割れスプーンで西瓜の種を落とすときましろき皿に五線紙の見ゆ」
「佐藤モニカ『夏の領域』より)
「床板の割れ目に西瓜の種落としおおきくなれよとひそかに願う」
「父親がもらった西瓜の一切れをからだに沈めるように食べていた」
(山崎聡子『手のひらの花火』より)
「ようこそと聲の聞こえてぽかんぽかんとみなもに浮かぶ西瓜たくさん」
(川崎あんな『エーテル』より)
「冷蔵庫さわさわと鳴く夕闇に西瓜を洗う ひざ洗うように」
(小守有里『素足のジュピター』より)
「切り分けし西瓜を食ひしステテコの父はも笑ふ貧の記憶に」
(柳宣宏『施無畏』より)
■メロン 甜瓜
「メロンパンの袋をあける いつもとは違うあけ方でとても綺麗に」
(二三川練「それを夜と呼ぶ」(『象』第五号:2017年)より)
「まよなかのメロンは苦い さみしさをことばにすれば暴力となる」
(兵庫ユカ『七月の心臓』より)
「ひとりきりの夜のテーブルに匂い立つメロンの網目どこから解く」
(久保みどり『熊野のアリア』より)
「ストッキングよりもしづかなゆふぐれに春のメロンをあなたと掬ふ」
(都築直子『淡緑湖』より)
【飲食(おんじき)の歌】
日本家政学会が行った調査によると、食欲の増進は、
「優和性」
「高尚性」
の高い音楽を聞いたときに、みられたという結果が、報告されています。
「優和性」「高尚性」が最も高い音楽ジャンルは、クラシックで、逆に、「激しい曲調の洋楽」では、優和性が低いという特徴が、明らかになりました。
この調査結果から、食欲を増進させたい場合には、
「クラシック音楽」
または
「優雅な音楽や洋楽」
を選ぶのがよいと考えられます。
そう言えば、クラシック音楽の世界にも、「食卓の音楽」が存在しているので、紹介しておきますね(^^♪
テレマン「食卓の音楽(ザクセン・ヴィルトゥオーゾ/ギュトラー)」
テレマン「ターフェルムジーク(食卓の音楽) 第1部 - 四重奏曲 ト長調 TWV 43:G2」
テレマン「ターフェルムジーク(食卓の音楽) 第2部 - 終結部 ニ長調 TWV 50:9」
テレマン「ターフェルムジーク(食卓の音楽)第2巻 第4曲 三重奏曲 第1楽章」
テレマン「ターフェルムジーク(食卓の音楽) 第3部 - 2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調 TWV 54:Es1 IV. Vivace」
ビーバー「食卓の音楽(ラ・フォリア・ザルツブルク)」
また、食欲の秋!には、相当早いけど、音楽で三ツ星フルコース気分が味わえる楽曲は、こんな感じですかね♪
1.ヴェルディ :歌劇「椿姫」 - 第1幕 乾杯の歌「友よ、さあ飲み明かそう」 - La traviata, Act I: Libiamo, ne' lieti calci, "Brindisi" (Drinking Song)
2.ヨハン・シュトラウスII世 :シャンパン・ポルカ Op. 211 - Champagner-Polka, Op. 211
3.モーツァルト :セレナード第13番 ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K. 525 - I. Allegro
4.ヘンデル :合奏協奏曲 ハ長調「アレクサンダーの饗宴」 HWV 318 - I. アレグロ
5.テレマン :ターフェルムジーク(食卓の音楽) 第2部 - 三重奏曲 ホ短調 TWV 42:e2 - III. Dolce
6.ロッシーニ :老いの過ち 第5集「幼い」子供たちのためのアルバム」 - No. 10. Ouf! Les petits pois
7.ロッシーニ :老いの過ち 第5集「幼い」子供たちのためのアルバム」 - No. 11. Un sauté
8.ロッシーニ :老いの過ち 第5集「幼い」子供たちのためのアルバム」 - No. 12. Hachis romantique
9.プーランク :ギヨーム・アポリネールの4つの詩 FP 58 - L'anguille
10.プーランク :ギヨーム・アポリネールの4つの詩 FP 58 - Carte-postale
11.プーランク :ギヨーム・アポリネールの4つの詩 FP 58 - Avant le Cinema
12.プーランク :ギヨーム・アポリネールの4つの詩 FP 58 - 1904
13.レスピーギ :バレエ音楽「魔法の鍋」 P. 129 - Danza cosacca
14.サティ :梨の形をした3つの小品 - 3 Morceaux en forme de poire
15.サティ :短い子供のお話 - Valse du Chocolat aux amandes. Valse
16.ロッシーニ :老いの過ち 第12集「アルバムのためのいくつかの些細なこと」(抜粋) - No. 15. Petite Galette Allemande: Allegro brillante
17.J.S. バッハ :コーヒー・カンタータ「そっと黙って、お喋りなさるな」 BWV 211 - Aria: Ei! Wie schmeckt der Coffee susse
朝に聴く爽やかなクラシック曲:作業用BGM
心が落ち着くランチタイムミュージックミックス【仕事・勉強用】レストランBGM、ラウンジミュージック、ショップBGM
Classical Music for Luxury hotel ~高級ホテルのクラシック【エントランス、ラウンジ、スイートルームのBGM】
五つ星ホテルのロビーで聴く癒しのBGM Relax in the Luxury hotel lobby
食事の時に流すのがオススメなクラシックBGM
作業用、食事用クラシックBGM ゆったりとしたランチにおすすめなクラシック音楽 Classical music for a leisurely lunch time
食事の時に流すのがオススメなクラシックBGM
【参考記事】
【おまけ】
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