【身体測定】体組成計で体脂肪や筋肉量などの情報がわかるため健康管理やダイエットに役立ちます
■どうして「体組成」をはかるの?
体組成とは、わかりやすく言うと
「からだが何で出来ているか」
ということ。
からだを構成する成分には大きく分けて
「脂肪」
「筋肉」
「骨」
「水分」
等があります。
脂肪が多すぎたり、筋肉が少なすぎたり、体組成が乱れることは、生活習慣病や体調の乱れにつながります。
そのため、
「体重」
や
「体脂肪」
を測るだけでなく、自分の体組成を体組成計でチェックし管理していくことで、体重計や体脂肪計ではわからなかった
「筋肉量の低下」
や
「基礎代謝の減少」
「内臓脂肪の増加」
等の身体の変化に気づくことができ、それらの変化に気づくことで、健康の悪化や間違ったダイエットを防ぐことができる、これが体組成をはかるメリットです。
体組成計とからだカルテを利用して、
「からだ」
と
「生活習慣」
を、適宜、見直してみることが、自身の健康管理にとって非常に大切だと思って、体組成計を自己管理に活用しています。
PC対応体組成計と、からだカルテのグラフ機能を利用すれば、変化を目に見える形で記録することができるため、はかったデータが自動でグラフ化される
「簡単さ」
も、体調管理やダイエットが続く大切なポイントです。
■ぜひチェックしていただきたいのが骨格筋率
骨格筋とは、体を動かすための筋肉で、運動など自分の意思で増やすことができます。
筋肉を筋肉量で見ると一見わかりやすいのですが、減量すると筋肉量も減るので、ダイエット中は、
「筋肉が落ちてしまった」
と感じやすいんですね。
なので、減量している人は、筋肉量ではなくて、体重あたりの骨格筋の割合を見る
「骨格筋率」
が維持、もしくは増加しているかを、確認いただくのをおすすめします。
骨格筋が増えれば、基礎代謝が上がり、エネルギーを消費しやすくなるので、骨格筋率を下げないようにすることで、より太りにくい体質になります。
骨格筋率は、日々大きく変わるものではありませんが、変化した時に気づけるように、月に一回くらいは、着目していただくと良いかと思います。
また、一般的に、筋肉は、加齢とともに減少する傾向にあります。
特に、運動不足を感じている方は、長く健康でいるために、骨格筋に着目してみていただきたいです。
このような変化も記録をしていないと気付けないので、できれば毎日測って推移を見て、健康的な身体作りを目指していただけたらと思います。
■ここに注目!体組成計の「測定項目」
■事例紹介:自動身長計付き体組成計(DC-250)の測定結果の解説
■体脂肪率
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合を数値化したもので、体脂肪量(kg)を体重(kg)で割って100を掛けた値(%)で表されます。
体脂肪率の目安は、男性では10~19%、女性では20~29%とされています。
体脂肪率がこれ以上になると肥満と判断されます。
体脂肪率の判定基準は、次のとおりです。
男性:10%未満でやせ、10%以上~20%未満で標準、20%以上~25%未満で軽肥満、25%以上で肥満。
女性:20%未満でやせ、20%以上~30%未満で標準、30%以上~35%未満で軽肥満、35%以上で肥満。
体脂肪率を減らすには、筋トレや有酸素運動などの運動を取り入れるとよいでしょう。
■脂肪量
脂肪量とは、体内に蓄積されている脂肪の量です。
体脂肪量を測定するには、体脂肪計や体組成計を使用します。
体脂肪量を測定する方法は、体内に微弱な電流を流して電気抵抗値を測定し、その値から体脂肪の重さを推定して体脂肪率を算出します。
体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合を表す数値です。
体脂肪率の平均値は、男性が10.0~19.9%、女性が20.0~29.9%とされています。
体脂肪率の判定基準は、体組成計に付随する説明書や、計測器メーカーのウェブサイトなどに書かれています。
体脂肪には内臓脂肪や皮下脂肪などがあり、それぞれ脂肪率の平均値やリスクも異なります。
内臓脂肪や皮下脂肪が多くなると様々な病気のリスクがあります。
■筋肉量
筋肉量とは、体内の筋肉の重さです。
骨格筋、平滑筋、心筋などの筋肉の総重量を指し、脂肪や骨、水分を除いた値です。
筋肉量は、筋力や代謝に関係する数値で、筋肉量が多いほどエネルギーを消費しやすくなります。
筋肉量を増やすには、適度な運動やタンパク質の摂取が効果的です。
▶筋肉量の計算方法
・体重から体脂肪量を引く
・体脂肪以外の重さを2で割る
筋肉量が減ると、エネルギー消費が減って脂肪が蓄積されやすくなります。
また、骨密度も低下し、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を発症しやすくなる可能性があります。
■体水分率
体水分率とは、体重に占める体内の水分の割合です。
体内の水分は、血液の循環や体温の調節、栄養素の運搬など、さまざまな生体機能を支えています。
体水分率は、年齢や性別、体型などによって異なります。
胎児では体重の約90%、新生児では約75%、子供では約79%。
成人では男性が約60~65%、女性が約45~60%。
高齢者では約50~55%。
体水分率を把握することで、水分補給の調整や健康の維持に役立てることができます。
体内の水分は、経口摂取や代謝によって取り込まれ、尿や便、発汗や呼気などで排出されます。
水分が不足すると、疲れやすくなったり、体温調節や代謝に影響が出たりする可能性があります。
■推定骨量
推定骨量とは、骨全体に含まれるカルシウムなどのミネラル量(骨塩量)を統計的に推定した値です。
体組成計の測定項目の1つで、脂肪以外の組織(除脂肪量)との相関関係をもとに算出されます。
推定骨量は、骨の硬さや強さ、骨折の危険性を直接推定するものではありません。
骨密度や骨粗しょう症の診断は医師に相談しましょう。
推定骨量が多いと、骨全体に含まれるミネラルの量が多いことを意味します。
骨量は加齢とともに減少するため、適度な運動と食事によって筋肉と骨を一緒に維持・増進することが大切です。
■基礎代謝量
基礎代謝量(BMR)とは、安静な状態で生命維持に必要なエネルギー量です。
1日の総エネルギー消費量の約60%を占めており、ダイエット時の摂取カロリー量の目安を決める際に重要な指標となります。
基礎代謝量を向上させるには、筋肉量を増やすことが効果的です。
筋トレや適度な運動、バランスの良い食事を心がけることで、基礎代謝が高まり、健康状態の維持が期待できます。
基礎代謝量は、体格、年齢、性別だけでなく運動習慣やホルモンなどさまざまな因子の影響を受けます。
基礎代謝量の計算式には、ハリス・ベネディクト方程式(改良版)などがあります。
■体内年齢
体内年齢とは、体組成や基礎代謝量などのデータから算出される、体の年齢を示す指標です。
生活習慣や健康状態が身体に与える影響を把握し、健康改善に役立てることができます。
体内年齢は、体脂肪率や筋肉量、基礎代謝量などの要素に基づいて計算されます。
同じ体重でも、筋肉量が多く基礎代謝量が高いほど、体内年齢は若くなります。
体内年齢が高いと、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。
体内年齢を下げるには、バランスの良い食事と適度な運動が有効です。
体内年齢を測定できる機器には、体組成計などがあります。
■内臓脂肪レベル
内臓脂肪レベルとは、内臓の周りに蓄積されている脂肪の量を表す数値です。
内臓脂肪レベルは、体重体組成計や腹部CT検査などで測定することができます。
内臓脂肪レベルの判定基準は、次のとおりです。
9.5以下:標準レベルで、内臓脂肪の蓄積リスクは低い
10.0~14.5:やや過剰レベルで、運動やカロリー制限によって標準レベルを目指すことが推奨される
15.0以上:過剰レベルで、運動やカロリー制限を積極的に行い、減量する必要がある
内臓脂肪は生活習慣病と関係が深いと言われているため、低いレベルで保つことが大切です。
内臓脂肪を減らすには、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的です。
内臓脂肪の割合を正確に知るには、病院で検査を受ける必要があります。
■脚点
脚点は、体重に占める脚の筋肉量の割合を点数化した指標で、足腰の健康度を示します。
脚点の判定は、50~150ポイントで
「良い」
「やや低い」
「低い」
の3段階です。
脚の筋肉量が減ると、立ち上がりや歩行、階段の昇り降りなどの日常生活に必要な能力に影響がでます。
脚点の改善には、日頃の適度な運動が効果的です。
BMIと脚点の組み合わせを考慮して、ウォーキングやジョギング、スクワット運動、ランジ運動などの運動を行うとよいでしょう。
■BMI
BMI(Body Mass Index)とは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出される体格指数です。
肥満や低体重(やせ)の判定などに用いられ、健康診断や人間ドックなどの結果に記載されていることがあります。
BMIの計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なります。
日本肥満学会の基準では、BMIが25以上を肥満と定義しています。
また、BMI22前後が最も病気が少なく、この時の体重を標準体重としています。
一方、WHO(世界保健機構)の基準では、BMIが30以上を肥満と定義しています。
BMIは、健康を維持するために日頃から把握することが重要です。
BMIの上昇とともに死亡リスクが上昇するとされています。
BMIは身長と体重から単純に計算された値であり、筋肉量や体脂肪率など、体の組成を反映していません。
そのため、BMIだけでなく、体脂肪率や他の健康指標も考慮に入れることが重要です。
■標準体重
標準体重とは、統計的に最も健康的に生活できると認定された体重です。
病気の予防や健康維持に役立ちます。
標準体重の指標は、国際的に用いられている体格指数「BMI(Body Mass Index)」の値が22のときとされています。
BMIは、体重(kg)÷(身長(m)の2乗)で求めることができます。
たとえば、身長が165cmの場合、標準体重は次のとおりです。
標準体重(kg)=22×1.65×1.65=59.9
標準体重を維持すると、心と体に障害がなく過ごせる期間が長くなるという研究結果があります。
ただし、病気や体質などの影響で標準体重の維持が難しい場合もあるので、主治医の指示に従って、自分に合った体重を維持しましょう。
■肥満度
肥満度とは、身長と体重から算出されるBMI(Body Mass Index)で、標準体重との比較によって肥満の程度を判定する値です。
肥満度は、肥満の程度に応じて肥満1度、肥満2度、肥満3度、肥満4度と分類されます。
肥満度の計算式は、次のとおりです。
BMI=体重kg/身長cm^2
たとえば、身長170cm、体重75kgの場合、BMIは次のとおり計算できます。
BMI=75kg/1.7m^2=25.95
肥満度は、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを判断する指標として用いられています。
肥満の予防には、食生活の見直しと運動を取り入れることが有効です。
■体水分量
体内の水分量は、年齢や性別、体格などによって異なります。
新生児では約75%、4~5歳児では約70%、成人男性では約60%、成人女性では約55%です。
年齢とともに水分量は減少し、高齢者では50~55%程度に減少します。
女性は脂肪が多い傾向があるため、水分量の割合は男性より低くなります。
体内の水分は、細胞内液と細胞外液に分けられます。
細胞内液と細胞外液の標準的な比率は、62:38です。
体内の水分が不足すると、筋肉の痙攣や循環不全などの症状が現れる可能性があります。
また、脱水症状や熱中症などの症状が現れる可能性もあります。
体調を良好に保つには、発汗によって失われた水分量と電解質を補給することが重要です。
■骨格筋率
骨格筋率とは、体重に占める骨格筋の割合を示す指標です。
体組成計で測定でき、ダイエットやトレーニングの成果を判断するのに役立ちます。
▶骨格筋率の意義
骨格筋率は、運動やダイエットの成果が出ているかどうかを判断する指標です。
骨格筋を増やすことで基礎代謝が高まり、エネルギーを消費しやすい体質になります。
骨格筋率が高いと見た目は引き締まって見えます。
▶骨格筋率の測定
市販の体重体組成計では、BI法(Bioelectrical Impedance<生体インピーダンス>法)と呼ばれる方法で骨格筋率を大まかに測定できます。
各メーカーから出されている判定基準を参考にするとよいでしょう。
▶骨格筋率の増減
骨格筋はトレーニングを行うと増加し、加齢とともに減少します。
加齢に伴い筋肉量は40歳頃から低下し、筋肉を構成する筋繊維の数は20歳代に比べ80歳代で半減するといわれています。