人を助けるとはどういうことか?
今年、近所の八幡神社への初詣で御神籤を引いてみた結果、主な勢運の内、【願望】(願い事の行方。)が「他人を助けよ 人の助けにて叶います」だった事を思い出したので、人を助けるとはどういうことなのか?について、少し考えてみました。
私たちは生活していく中で、人を助けたり、人に助けられたりしながら生きています。
特別に意識する機会というのは少ないかもしれないけれど、家族間であれ、ビジネス上の関係であれ、医者と患者の間であれ、相手の役に立つことを行う行為を支援と、とらえることができると思います。
私のように、支援という言葉が空気のようになってしまい、普段、気に留めることもなくなった人には、改めて捉え直す、考え直すヒントを得ることが出来ると思い、以下の本を紹介させて頂きますね。
「人を助けるとはどういうことか―本当の「協力関係」をつくる7つの原則 (第2版)」シャイン,エドガー・H.(著)金井真弓(訳)金井壽宏(監訳)
普段、意識していない方にとっても自らの生活が双方向性の支援で成り立っている事とその動態、重要性が腑に落ちると思います。
そして、それは、当たり前に流れていた生活を、天災等を切っ掛けに捉え直す視点を得られる良いきっかけになると思います。
本書は、「はじめに」と「最後に」で同じメッセージを投げかけてきます。
それは「われわれが支援者としてもっと有能になれたら人生はより良いものになる」というものです。
よかれと思って手助けしたつもりが、 かえって相手の機嫌を損ねてしまうことになってしまったことが、日常で、仕事場で、こんな経験、私もよくありました。
支援は、相手との相互関係なので、 一方的なものになってはいけませんし、相手にも役に立つと思ってもらわなければなりません。
親切のつもりでかけた言葉や行動が、相手に一段低い所に置かれたと感じさせてしまうなど、 なかなか難しい面もありますよね^^;
必要なのは、相手の理解と信頼なのだと思います。
私たちは、普通に生活していれば、支援する側にもされる側にも成り得るし、事実、そうした両方の役割を頻繁に入れ替えながら生活しています。
災害時の支援も、基本は同じで、個々で違う悩みを理解するために、まずしなければいけないことは、尋ねることです。
「何かお手伝いをすることはありませんか?」
「どなたか、困っておられる方をご存じありませんか?」
できることなら、なんでも!
そして、何かを求められ、それができそうならば、何でも応えていくということです。
では、それほどにありふれた支援について、なぜ今私たちが、今までの天災を教訓にして学ばなくてはならないのか?
それは、支援という行為が、本書の言葉を借りれば、『日々の生活の中で、支援そのものが重要な社会的通貨であり、適切な対応がされなければ不均衡が生じるということだ。いつ、どのように支援を与えるか、他人から支援をいつ、どのように受けるかを知っていると、人間関係はさらに生産的で喜ばしいものとなるだろう。つまり支援とは、あらゆる社会的行動の根底に存在する交換という日常的なプロセスであると同時に、ときには通常の流れを邪魔して、とりわけ気配りを持って扱わねばらない、特別なプロセスでもあるのだ。(p.60)』という、日常にありふれた行為だからこそ、ということになります。
また、『どのようにして支援関係を築き、維持するかという疑問への基本的な答えは矛盾したものとなる。というのも、その定義や説明はあきれるほど簡単なのに、確実に実行することは途方もなく難しいからだ。(p.116)』と言っているけれど、頭で理解しても実際の支援をうまくできるかどうかは別問題です。
「善いことをしているのだから、何でも許される!」ということはないし、物理的にも精神的にも厳しい立場にある被災者の方々に対して、あくまでも謙虚な姿勢が大切なのだと思います。
つまり被災者の方々が一番困っている問題は、全体の被災状況の傾向という大雑把な言葉には収まりきらないものであり、一人ひとり違うものだからです。
しかし、どこの、だれが、どのような悩みを抱いているかをすべて把握することは、今の状況の中では、ほとんど不可能です。
一人ひとりにとって、もっとも重要な問題は何なのか?
それは、分かりませんとしか答えざるを得ないのが、現状なのだと思います。
そのような状況でできることは、尋ねて聴く御用聞き的な対応と、求められたら何でも応じていくよろず相談的な対応なのかもしれませんね。
完璧な支援関係を築けるわけではないのだから、それでも私たちは間違いを繰り返しながらでも、せっかく手を差し伸べるなら、少しでも相手の気持ちを察して上げられる心を身につけ、 独りよがりな支援にならないようにしたいものです。
少しでもより良い関係作りと有効な支援関係を増やしていければと思っています。
最後に、自分のためではなく、他の人々のために祈った体験を、きっと誰もが持っていることと思います。
病気の家族や友人のために祈る、困難な状態にある人々のために祈る、などです。
こうした祈りには、大きな効果があることが実験で認められているそうですよ(^^)
【参考サイト】
祈りが及ぼす患者の回復への影響がアメリカの大学や病院で実験されています
https://diamond.jp/articles/-/98488
人の幸せは、時代が与えてくれた”物語”で決まる
https://blog.tinect.jp/?p=60323
誰でも運が悪ければ路上生活者になりうる。己の幸運に感謝し、彼の不遇に祈りを唱えたい。
https://blog.tinect.jp/?p=44709