都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲番外篇拾❳　附・詩人の為のワードローブ集

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲番外篇九❳　附・詩人の為のワードローブ集

気が滅入ってしまうので、ぐんぐん飲んだ、酔っぱらって前後不覚、カルモチンよりアルコール、天国より地獄の方が気楽だ！（種田山頭火）

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲卅❳　附・詩人の為のワードローブ集

ダメヨ、ダメダメと、逃げる芳恵に、私はなおも執拗に迫っていく。引っ掻かれようと蹴飛ばされようと、坊主頭をふりたてて蒸気機関車のD51(デゴイチ)のように突進する。(『ネコさんの好色十三月夜』金子信雄)

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲廿伍❳　附・詩人の為のワードローブ集

スウィフトの死後、封筒に入れた一つまみの女の髪の毛が残っていたことは有名な事実だが、(『スウィフト考』中野好夫)

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲廿四❳　附・詩人の為のワードローブ集

..最高の悪は最高の善意の一端である。そして最高の善意とは創造的な善意である。(フリードリヒ·ニーチェ)

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲廿参❳　附・詩人の為のワードローブ集

二人の思いはしばし声もなく相並んで往き、やがて遠く離れたところで、ふたたび言葉の中に浮かびあがつた。それでも、思いはなおも無言のまま手に手をとり、すべてがすでに語られたかのようだった。(｢愛の完成｣ロベルト·ムジール - 古井由吉訳)

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲廿壱❳　附・詩人の為のワードローブ集

(近松)秋江はまず｢無駄話家｣として文壇に迎えられたのである。（柳沢孝子）

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲廿❳　附・詩人の為のワードローブ集

前に暗さということを言ったのはあるいは必ずしも妥当ではないかも知れないが、古代にはなかった暗さ、古代以後のヨオロッパにはない明るさというものを適宜に言い表すのは難しい。(吉田健一『ヨオロッパの世紀末』)

都築郷夫　ちよつとはみだ詩・❲十八❳　附・詩人の為のワードローブ集

そらは青く、水はまんまんとニッパ椰子のしげる岸をひたして、押上げていた。(『マレー蘭印紀行』金子光晴)