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mojira
2021年5月13日 00:10
好きと気づいた瞬間涙がこぼれたのは嬉しかったからなのか哀しかったからなのかわからない叶わない恋だということだけはわかっているそれなのに私の時間は動き出す派手な音をたててグラスに投入された氷コーラの甘い香りは君の魅惑的な微笑み細かい無数の泡は言葉にならない私のときめき茶色く暗い液体をじっと見ているだけ運命を変える力があればいいのにコーラの泡が消え
2021年4月16日 00:08
乾いた髪の毛うなだれた頭くしゃくしゃに撫でて下さいそうしたらあなたを忘れるからもう何も云わないで明日へひとりで帰るから空高くには光る満月「かぐや姫みたいだ」そう思ったら涙で月が滲んだ
2021年4月18日 00:05
私の心を取り出して綺麗に綺麗に洗いたいごしごし擦って汚れた心をすみずみまで磨く雑念や悲観や誰かの言葉に傷ついた痕など染み付いてしまったかわいそうな汚れを過去など一切なかったことにして綺麗に綺麗に磨きたいぴかぴかになった私の心は新しい光を放って新しい明日を語り始める
2021年4月13日 00:21
見つめて抱きしめた夜秘密の場所だった自転車置き場ノートをめくるように簡単に私の時間から君は消えたほどけた刺繍みたいに美しさが息づく哀しい春
2021年4月11日 08:24
あなたを想い続ける限り流れ続ける水ときにせきとめる現実誤解を助長する言葉わだかまったまま流れない水はやがてまた何かの拍子に愛しさを増して涙となってこぼれる
2021年4月9日 00:28
価値なんてないと思っていた見向きもしなかった石ころが通り過ぎた後で眩しい光を放つ瞬間心に鋭い痛みが走るなぜ立ち止まらなかったのかなぜ大切に拾わなかったのか粉々になった光と石の悔いの破片がまぶたを閉じても突き刺さるとめどなくこぼれる滴振り向いた道の真ん中にあった思いがけない宝石もう拾えない私の手のひら
2021年4月8日 00:10
小石を並べて母親に見せる素直な子どものように清流の前でこの気持ちをぜんぶ並べて見せたらあなたが黙って微笑んで抱きしめてくれたらいいのに
2021年4月5日 00:06
君が母親になってゆくのを哀しい気持ちで見ていたよ恋が愛に変わるなんて誰が言ったの?もう戻れないね二度と手をつなげないんだねだって君の両手はふさがっている僕が立ち入ることのできないサークル君と彼が約束を結んで年輪のように少しずつ大きくしていく幸福のサークル
2021年4月3日 01:06
あなたの知らない窓があるそこは夜でも満開の花暗闇でそっと華やぐ涙で育った花だから濡れた想いは茶化せない晴れた日には嬉しくて膨らむ蕾ときめくたびに光る窓一枚のガラスを隔ててあなたの笑顔を映すからそこに近づいても触れられないそれでもいいと喜んでそれではちょっと切なくてあなたとはきっと抱き合えず切ないほどに光る窓そこに映った優しい背中
2021年4月2日 00:26
森の中をさまようみたいに君の豊かさに戸惑う差し込む光になれないのならさえずる小鳥みたいにほんの少しでいいそっとそばにいたい
2021年4月1日 00:36
ともに生きていくありふれた幸福を小さな温もりを手放した風の中狂ったように泣き叫ぶように散る花びら
2021年3月31日 00:07
君に見せたい胸の宝箱が開かない光り続ける寂しさの鍵
2021年3月29日 09:10
優しさをなくした背中に諦めた瞳「これ以上孤立しないで」君の声の幻が聴こえたこんなはずじゃなかった土砂降りの雨みたいに心が真っ暗でびしょびしょ本当は君に花束を届けたかっただけなのに塞がれた灰色の空に行き先を見失ったまま片方の眼からこぼれた涙誰に向かって叫ぶこともなく願いは乾いて幻の翼飛びたい…君の胸の青い空憧れ続けて
2021年3月27日 20:26
不本意な誰かの邪気によって君の顔が曇るそんな時はすかさず君の好きな花を摘みに行こう大地の確かな息吹を一歩一歩踏みしめてそこにある山も谷もあるがままを見つめる喉が乾いたとしても平気川の水を手のひらですくってごらん、変わり続ける世界の澄んだ光をその瞳に映すんだ