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【どうする家康】田鶴は夫を裏切ったのか?キタキタオヤジ左衛門尉も遂に城持ちに!第10回「側室をどうする!」もっと深掘り

NHK大河ドラマ『どうする家康』(以下、『どう康』)第10回のもっと深掘り感想です。
(※本記事は一部有料です。ドラマレビュー箇所はすべて無料でご覧いただけます)
前回の感想はこちら↓

(※以下、ネタバレ注意)
(※本記事のセリフの引用箇所は一部ノベライズに準拠しており、ドラマのセリフとは異なる場合がございます)

(前書き)ジワジワ進む今川領地の切り取り。戦略的にも見逃せない回だった

今週3回目の『どう康』第10回のレビューになります。「ギャグ回」と言いながら、3周、4周するとどんどん見どころが深まっていく回だったと思うんですけど……あんまり周回しすぎてると「平原よ、お前、今週『どう康』以外のドラマ見れてねーんじゃねぇの?あるいはよほど暇なのか?」とか思われそうですな……。

実際、最終回ラッシュなのにどれもチェックできてないんですけどね。『どう康』では榊原康政(小平太)を演じている杉野遥亮さんもご出演の『罠の戦争』とか見たいんだけどな……「ネトフリで見れるや」とか思ってると、ついつい後回しになりがちでいけません。

ただ改めて振り返っていくと、第10回って今後の展開にも重要そうな箇所が多々ありまして。どうしても「ただのギャグ回」とか「国と国との戦略的なものだけ見たい人はスルーしていい回」というわけにはいかないんですな。

そこで今回は、主に「三河の周囲で何が起きていたのか」にスポットを当て、改めてレビューしていきたいと思います。また最後の方には「投げ銭オマケ」も付けていますので、「面白かったよー、お金出す価値あったよー」という方だけご覧いただければ幸いです。

「遠州忩劇」は丸々カット?飯尾連龍がディフォルメされた理由とは

まずアバンの飯尾連龍(演:渡部豪太)さんなんですけど、家康と密かに通じていましたね。

一応、ドラマで描かれなかった出来事としては、「遠州忩劇」なる「遠江国内の主に天竜川流域における複数の国衆による駿河今川氏への大規模な叛乱」が「永禄5年(1562年)から同9年(1566年)」に起こっていたそうで、飯尾連龍も今川方に対して反旗を翻していたりしたらしいんですけど。

飯尾氏当主・飯尾連龍は松平氏に内通して永禄6年(1563年)12月に今川氏から離反し、頭陀寺城に飯尾家臣・飯尾土佐と江馬弥七が立て籠もった。今川氏は飯田口合戦で飯尾方を打ち破り、氏真が富士又八郎・小笠原清有・朝比奈信置らに感状を与えている。翌年(1564年)2月にも引間口で合戦が起きているが、今川氏が中々飯尾氏の叛乱鎮圧を行えずに苦戦していたようである[2]。4月に飯尾連龍は松平家康と対面し、鷲津本興寺に松平軍が乱入し各地の今川方への攻撃が行われた。

遠州忩劇│ウィキペディア フリー百科事典(2023/3/18)

ドラマでは、こちらはカット。「なんでカットしちゃうんだよー!」と言う歴史好き勢の方々の嘆きの声も上がっていたようですが、そもそも家康目線のストーリーなので詳しく描く必要ないんじゃねーの?と……

拾えるとしたら「鷲津本興寺に松平軍が乱入」のエピソードぐらいでしょうが、そこでゴチャゴチャ描いても一般視聴者が混乱しそう。

それに、ただでさえ日本列島アッチコッチで戦が繰り広げられてる時代ですし。「『遠州忩劇』が見たかった方は、今後の大河に期待!」ということで良いのではないでしょうか。

むしろ飯尾連龍が、松平家と通じることで、今川氏真を裏切るというよりも「間をうまく取り持ちたい」キャラとして描かれたのは、『どう康』の家康とも利害が一致していたようにも思えます。「大戦をしても誰も得をしませんでな」なんて連龍も言ってましたけど……岡田信長が聞いたら「そんなこと言う輩と通じるなど、いまだ白兎か!さっさと戦をし、今川を切り取れ‼」とかブチ切れられそうですけど⁉

ただ、三河一揆鎮圧の直後ですもんね……国力は疲弊してるし、できれば戦は避けたいところ。戦うだけが生き残る術じゃないよ、無用な戦は避けることこそ大事だよ、みたいな話は過去の大河でも何度も語られてきたテーマではあります。むしろそうやって避けてたのに、結局は戦になってしまう悲劇的な展開も見物だったりするんですけどね……(フラグ)。

左衛門尉、東三河の旗頭に任命。いつの間にか吉田城も攻略か

そして左衛門尉は、またもや宴会芸・えびすくいを披露。もう踊りたくてしょうがなくなってんじゃん。名作漫画『魔法陣グルグル』のキタキタオヤジを彷彿とさせるようなゴリ押し感でしたけど。

はい、これも続編が長らく続いてますけどねwすごいね。ずっと単行本買い続けてるシリーズの1つですわ。

……話が逸れました。そんな左衛門尉も、今回は宴会芸やったり、殿の側室オーディションで清水あいりさんに鼻の下伸ばしたりしてただけではありません。

ドラマの終盤の方では「左衛門よ、そなたはもう東三河の旗頭なんじゃ…」なんてセリフも殿の口から出ていましたけど、これ、何気に重要なセリフなんですよね。

1565年、つまり三河一揆の翌年であり、お葉が姫君を産んだ年には、吉田城を攻略していたと。あの第6回で、瀬名ら関口家の皆さんが遠距離を歩かされ、連れてこられた先の城ですよ……って言ってもほんの少しのシーンだったんで、「そんな城は覚えてない」と言う方の方が多いと思いますがw

そして攻略してからは、左衛門尉がこの城の主になっていたそうな。ついに城持ちか!出世したねぇ!

1565年には、今川家から離反した松平家康(徳川家康)が大原資良の吉田城を9ヶ月に渡る兵糧攻めを行った。
陥落後は、重臣の酒井忠次が、吉田城主として入ります。

三河・吉田城 今川と徳川の激しい攻防があった続日本100名城│お城解説「日本全国」1300情報【城旅人】

信玄、立つ。アニメ的な悪役演出に「ここだけ作画違う」感が相変わらず半端ねぇ!

そんな左衛門尉が、ラストに大慌てで持ってきたのが、武田信玄からの書状でした。「し…信玄から?」「会うそうでござる」「会う?信玄が?わしに?」「はい」「会う?」「はい!」「信玄が⁉」「はい!」なんてやり取りにもちょっと笑っちゃうんですけれどw

武田信玄、いよいよ今川領の攻略に動いたということなんですな……大量の碁石金をばらまきながら「今川氏真の家臣、ことごとく調略せい」なんて言ってましたけど。ちなみにこの碁石金というのも、甲斐国特有のものだったらしいですよ。

甲州金は戦国時代の甲斐武田氏支配期にはすでに存在していた。以後、江戸時代に至るまで甲斐国に見られた「特別な金貨」である。
 当初は「碁石金」とも呼ばれた金の粒で、刻印もなく、むしろ貨幣というよりも軍用金や恩賞に使われた特別な価値を持った「もの」であった。

甲州金│甲斐黄金村 湯之奥金山博物館

そして、信玄の前に控えていた三人衆……山県昌景(やまがたまさかげ)、穴山信君(あなやまのぶただ)、千代といった面々。まじでヒーローものの「悪の組織」感あってすごいのよ。「ここだけ作画が違うw」みたいなことSNSでもよく言われてますけど、むしろ特撮ドラマやアニメ的な演出をするために意図的にやってる感はありますね。

個人的な欲を言えば、隻眼の軍師、山本勘助もここにいたら「まさに悪役!」って感じで完璧なんですけど。僕、『風林火山』好きだからさwこれも割と「ドロ臭い」って批判されますけど、名作よ。一応、推しておきます。

(※ちなみに山本勘助は、永禄4年(1561年)の川中島の戦いで討ち死にしてるので、この頃すでにいません)

そして次回はいよいよ、信玄と家康が出会いを果たすことに……これも「あり得ない」とおっしゃる歴史ファンも多いようですが、ここも時代考証の平山優先生が「前半部でもっとも時間を割いた」とおっしゃっています。

「記録にはないけれども、ひょっとしたらあり得たかもしれない場面」として、ぜひ注目してみてみようではありませんか!

尾張もネクストステージへ。浅井との同盟で、次に起こる「どえりゃーこと」とは?

一方、岡田信長が治める尾張は。中盤でも木下藤吉郎が、お市の方を嫁がせて浅井と組んだことを家康に報告してきてましたけど。「西の浅井様と東の松平様、このお二人がしっかりとお役目を果たしてくださりゃー、我が殿はまっとまっとどえりゃーことがおできになるでよ!」と。

「どえりゃーこと」って……まぁ、歴史ファン、大河ファンの方々にはわかりますよねw

ヒントと言いますか、ドラマ終盤では柴田勝家が「都より急報あり。将軍様、お討ち死に。天下はますます乱れましょう」なんて報告をしに来ていました。「将軍」とは室町幕府第13代将軍、足利義輝のことを指します。ここは『麒麟がくる』でも詳しく描かれていたよねぇ。

「戦国時代」とは言いますけど、一応、学校の日本史で習う歴史区分としてはまだ「室町時代」で、この頃は幕府も健在なんですよ。ただ1467年の応仁の乱のせいで、その権威はほとんど失墜してたんですよね。

そしてこれから信長がどう動くか……ってことは、↑見るだけでもネタバレしちゃうんだけどさぁwまぁ、ドラマでも山場として描かれることになりそうなお膳立てがされている感じもしますので、この記事内での言及は控えましょう。

まぁ普通にこの時点で、これから何が起こるかなんてまだ誰も想像できてないだろうしな、ドラマの人物たちは。信長だけが「フフッ…」と笑っていたのがめちゃめちゃ不気味ではありました。

っていうか、マニアックな話していい?あのとき、文字通り「矢継ぎ早」に弓を射ってた信長さんですけど。どうやら「日置流(へきりゅう)」と呼ばれる射法だったそうな……。

こちら、「日置當流徳山弓道場」さまのリプライによれば「番組でご一緒した時に手の内の簡単な説明をしただけ」と書かれていますが……

それであんな美しいフォームで射ることができるなんて、岡田准一さん、すさまじすぎますな。

田鶴は夫を裏切ったのか?早くも飯尾連龍退場の闇

そしてラストに、まさかの飯尾連龍、一発退場……ちなみに連龍を切った武士、ドラマでは霧に隠れて表情も見えなくなってましたが、副音声で「飯尾の後ろに立ち、刀を振り上げる岡部元信」と解説されていました。また出たな岡部ェ!w(一応、オープニングのキャストにも名前がありました)

これ、連龍が松平と通じたのを、田鶴が氏真に密告したということだそう。「まさか、妻の裏切り?」「いやそんなわけないだろ、また良かれと思ってやっちまったパターンだ」と、SNSでも意見が分かれてるようでした。

ドラマの演出的には、花を生ける田津の指に棘が刺さって、血が出るという……それを唇に塗るんですよ。真顔で。「痛い!」なんて言って舐めるではなく。

これ「あ、裏切ったな?」なんて僕は感じたシーンだったんですけど。「いくらなんでも、裏切りで夫を殺すか⁉」みたいな疑問は残りますが、夫婦仲に関して、ドラマではほぼ描かれていませんでしたからね……ひょっとしたらただの政略結婚で、冷え込んでいた可能性もありますし。

何より、田鶴は幼少のころから家康(当時は次郎三郎)を下に見ていました。松平家が独立してからは敵視するようになっていましたし……さらには兄・鵜殿長輝も殺されてしまったわけで。夫への気持ちよりも、家康への恨みの方が勝ってしまったと見るのが、ドラマの演出的に自然な気がします。

むしろ、「(結果として)関口家を裏切ってしまったことに対する、自己肯定のため」という見方もあったのは「なるほど!」と思いましたね。

いや、これも最終的に、第11回になってみたらどう描かれていくのかわからんけどね……ともかく予告では、女城主として田鶴が鎧をまとって戦場に立つシーンが映されていました。きたよ、戦国大河の華、合戦シーン!次回は熱くなるぜぇぇえ!

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