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良心の重みとは

こんにちは。こちら朝晩に寒さが戻ってきてしまい、起きるのが辛いです。さて今月は中旬に本屋大賞が発表される予定ですが、ちょうどその時を待っていたかのような作品に出会い、読み終えました。
それは碧野圭さんの「書店員と二つの罪」という作品です。

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書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが……。出版・書店業界の裏事情を巧みに盛り込んだ、著者渾身の長編小説。(Amazon内容紹介より)

最近話題になるのが受刑者、または刑を終えた人の手記のような作品についてを扱っている書店、図書館の応対に対する考察も含め書かれている点は書店員経験者ならではでしょう。
また、受刑者の家族、被害者の家族はもちろん、それらの身近だった人、特に未成年たちで友人だった人たちへの衝撃と、その後の誹謗中傷も含め世間からの目の厳しさも今回のこの作品はうまく描かれていると思います。

そして事件後、いじめを受け引きこもりとなった正和の弟の秀和の言葉が、現代社会の問題を提起していると思いました。

「俺は社会の仕組みから逸脱している。社会に順応するためには、自分を殺し、思考を停止しなければやっていけない。この社会は不平等で、悪がはびこっている。うまく立ち回った人間が利権を得て、大衆から搾取している。社会のシステムにそれが組み入れられているから、多くの人が思考を停止させて、命じられるがままに金や労働を差し出す。そうしないと、こころの安寧が崩れるからだ。企業や国の奴隷だと認めたくないからだ。思考停止はしていても、その不平等を嗅ぎ取っているから、大衆は誰かを攻撃せずにはいられない。潜在的に凶暴性を秘めているんだ。だけど、教育という名の洗脳で去勢された大衆は、それを行動に移せない。だから、せいぜいネットで憂さを晴らすか、陰口を叩くかしかできない。そして、創(殺人事件の犯人)は英雄なんだ。去勢された奴らが、こころの奥底に秘めている願望を実行したからだ。無知蒙昧な大衆が望んでも決してできないことを、やってのけた」(本文抜粋)

表題の二つの罪の意味はミステリーですので、その評価はぜひ読んで確かめていただきたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日のnoteは↓

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