ペアリングイベント2024 / 3rdのはなし outro
この解説まで終えて自分の中でイベント一連が終わった感覚である。
年内に収められたのを喜ばしく思います。
今回は間断なく2nd、3rdと続いたようなものだったので息つく間もなく、モードがそのままであったのは辛い部分もあったけど、中途半端に時間が空くより良かったかも知れない。
メリットは前述通りシームレスに思考できるので切り替える必要がないこと。
デメリットは新しいものを入れられないこと。
最近はちょっとインプットに欠けているな、と反省する部分もあるので入れておかねばとイベント後に思いつつできていない。
「反省だけならサルでもできる」とは昔よく言われたものだけど、「ヒトもサルの延長線上の生物だしコレはコレで仕方ないじゃん」と開き直ったりもしている。
さて、振り返ってみる。
今回は"グラスより提案する一皿"というのを新趣向として出してみた。
参加された方々からの反応は案の定で様々。
あからさまな否は無かったものの、「うーん…」みたいな空気を感じる瞬間があった事は否定できない。
デザート側はこういう一皿ってごく稀だろう-よりはっきり言えば提案される事は無いと思う-し、提案してみたこちら側としても初の試み。
これは「とにかくやってみない事には始まらないし、始めれば道が見えるはずだからやってみよう」というプレゼンター主体イベントにおける強権発動の顕著な例であったと思う。
互いに期間内でのベストは出したものの、やはり反省・改善点は出る。
これに懲りず次回以降も組み込めるタイミングがあれば積極的に組み入れて完成度の高いものにしたいと思っている。
「歩き出せばその一足が道になる」と言ったのは誰だったか。そんな(自分としては)獣道なカクテル×デザート、今後もお付き合いください。
もちろん気に入ってくれた方も一定数いた。やはり好みはさまざまであるなあと思った次第。
ところで今回のドリンク、最も高い評価をもらえたのは三杯目。最もポップなドリンク。どの回でも「合わせてティラミスになった!」と驚きの声を聞けたのは満足でした。
しかし、ここまでわかりやすいものはつまらなくて評価されないんじゃないかと思っていたので意外でもあった。
これは作り手と受け手の視点の乖離というか期待値の読み違いというか、そんなものがもろに出たと言ったところでしょうか。
ここまで読まれた方はおわかりかと思うけど、こちらは一杯目がベストだ、と自惚れも甚だしいことを考えておりました。苦労しただけに可愛さもひとしお、みたいなところですね。お恥ずかしい。
二杯目のメルバカクテルは捻ってはみたものの、デザートとの距離が最も近い無難な構成ゆえに堅実な立ち位置(可もなく不可もなし)となるであろうことは予想していた。モクテルはココが見せ場だったわけですが。
ちなみに前回の野口さんとのイベントはモクテルを希望する方がけっこういらしたので、今回もそういう傾向かと思って蓋を開けたら片手に満たないほど。これが前回同数程度だったらスモークガンは使わなかったよなあなどと思ったり。
ともあれ、全て期限内で出来うることを尽くしたわけで、体感による順位づけが今後の何かを変えるわけでもない(そもそもそれならアンケートでも採るべき)。
今後も提案されるデザート / 提案するデザートに対して「僕が」ベストだと思えるグラスを粛々と作っていきます。
来年も企画しているものが少しあるので不定期に開催します。
もし、これを読んでやってみたいと思ってくれる職人の方々(菓子でも料理でも問いません)いらしたらぜひ一度DMを。また、逆に「来てくれ」ってオファーもあれば喜んでお待ちしております。