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子どもにAIの正しい使い方を教えよう!~勉強にChatGPTを活用する是非と具体的な方法について考える

こんにちは、水無瀬あずさです。怒涛のような一週間もようやく終わりを迎えつつあり、フラフラになりながらもなんとか乗り越えられたことに安堵しています。一週間、長かったなあ・・・!

とはいえ、心身に多少負荷をかけてもゴリ押しで何とかなっていた二十代・三十代のころとは違い、少しでも無理をすると2~3日再起不能になってしまうのが不惑の四十代。身体のゴキゲンを取りつつ、無理のないギリギリの範囲で出来ることだけをやろうと心がけています。年を取るってことは、少しずつ下がっていく自分の中での「大丈夫」のラインを把握し、それに合わせて自分のハードルを下げていくという作業なんだなあと思う今日この頃です。

さてそんなこんなで、やや低浮上ではありつつも時間は待ってくれないわけで、相変わらず踏ん張りながら仕事を頑張っております。でもって最近こんな話題ばっかりで非常に恐縮なのですが、今回のnoteは「子どもとAI」というテーマで見解などをまとめていきたいと思います。

保護者の皆さん、お子さんにChatGPTを使わせていますか?こんな質問をすると、「子どもにAIを使わせるなんて!」とお怒りの方もいるかもしれませんが、ご家庭によって見解はさまざまだと思います。AIに否定的な方には申し訳ありませんが、身も蓋もない話をしてしまえば、AIってそれはそれは高度な技術ではありますけれど、所詮は道具です。道具は使うものであり、正しい使い方をしなければいくらでも悪用できてしまいますよね。だったら保護者がやるべきことは、道具を禁止することではなくて、道具の正しい使い方を子どもに教えてあげることなんじゃないかなって思うんです。

教育や学習へAIをどのように取り入れるべきかという議論は、いまだ結論の出ていない難しい問題です。ただ、今こうしてAIが私たちの生活に浸透しつつあるなか、もはや一律に「子どもには禁止!」とするのはナンセンス。未来に向けて、「どうすればAIという道具を誰もが適切に使えるか」ということを、私たち一人ひとりが真剣に考える時期にきているのではないでしょうか。

この記事が、そんな思考と気づきの機会になれば嬉しいなあと思います。最後までよろしくお付き合いください。


AIによって「代替」されていく社会

いきなりで大変恐縮なのですが、例によって最近ずっと執筆しているCodezine様のレポート記事が公開されました。

生成AIの登場によって、難易度の低い低レイヤーな仕事はプログラミングも含めてAIに代替されていくだろう。そうすると結局、人間にしかできないこと、たとえば意思決定をしたり、マネジメントしたりコミュニケーションをしたり、そういったことが出来る人の価値が高まっていく。だから簡単なタスクはAIに任せちゃって、みんなそっちに向かって行こうぜって話ですね。非エンジニアの方にもわかりやすい内容となっているかと思いますので、ぜひご一読ください。

この流れに便乗して、私も「ライターの生存戦略」というnote記事を書きました。頑張って書いたので、こちらもよろしければどうぞ(宣伝)。

で、ご紹介した記事の結論としてはつまり、「AIに使われるのではなく、使う側になれ」っていうことです。新しい技術にワーキャー踊らされるのではなく、どうすれば活用できるのかをしっかり考えていくということ。AIは目的ではなく手段なので、使い方をしっかり理解して、必要なところで使って行けば全然怖くありません。AIに仕事を「奪われる」のでなく、「任せていく」というふうに、考え方を切り替えるのが大事です。適材適所、人間には人間の、AIにはAIのやるべきことをやって、人材不足、労働力不足を補っていきましょうよってね。

子どもが勉強でChatGPTを使うのはNG?

でここからが本題。皆さん、お子さんの勉強にChatGPTを使っていますか?我が家では、私たちが見ているところでなら使ってOKとしているのですが、先日長男くん(中3)がテスト前のノートまとめに使っているのを見て、「非常にいい使い方だな」と感心しました。ズルして勉強で楽をするためにAIを使うのは確かに褒められたものではありませんが、AIにだって適切な使いどころというものがあり、必要なところで道具として活用するのはむしろ推奨すべきではないかなと思ったんですよね。

子どもとChatGPTという話題でいうと、少し前の調査にはなりますが、保護者の約7割が「規制が必要」と回答しています。

質問の母数の問題だと思いますが、回答者(つまり保護者)の3割しかChatGPTを使ったことがないということなので、そりゃ子どもにも使わせようってならないんじゃないのと思ったりしましたけども。

記事を読んでいただければわかるんですが、これってたとえばスマホとかパソコン、ゲーム利用でも全く同じことが当てはまると思っていて。つまりしっかりとルールを決め、親子で適切な使い方を共有し、管理できていれば規制なんて必要ないわけで。なんていうか大人が非常にAIという未知のものに振り回されすぎているんじゃないのかなあと思いました。

こういうのを見ていると、まあChatGPT丸写しの課題やら読書感想文を提出したお馬鹿さんがいたということで規制はやむなしとしても、だからって全面的に禁止しちゃっていいの?と心配になります。だってこれから社会はますますAIに向いて行く中で、未来を生きる子どもたちこそAIの正しい使い方を学ばなければいけないはず。デジタル教育と並行してAI教育もしていかなきゃ、大人になってからAIを満足に使えないんじゃないの?と考えるわけです。

ただまあ、私も含めて大人がまだAIに対して模索段階ななか、それを子どもに教えろっていうのが難しいのも理解はできるので、そこはなかなかジレンマでもありますね。

ちなみに文部科学省は2023年段階でガイドラインを公表しており、それによると、排除はしきれないんだからファクトチェックをしたうえで限定的に使って行くのがいいんじゃないのとしています。

出典:初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン|文部科学省

①現時点では活用が有効な場面を検証しつつ、限定的な利用から始めることが適切である。生成AIを取り巻く懸念やリスクに十分な対策を講じることができる一部の学校において、個人情報保護やセキュリティ、著作権等に十分に留意しつつ、パイロット的な取組を進め、成果・課題を十分に検証し、今後の更なる議論に資することが必要である。
② その一方、学校外で使われる可能性を踏まえ、全ての学校で、情報の真偽を確かめること(いわゆるファクトチェック)の習慣付けも含め、情報活用能力を育む教育活動を一層充実させ、AI時代に必要な資質・能力の向上を図る必要がある。
③ 教員研修や校務での適切な活用に向けた取組を推進し、教師のAIリテラシー向上や働き方改革に繋げる必要がある。

引用:初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン|文部科学省

我が家は私も夫もエンジニアということもあり、「仕事や生活にChatGPTをどう活用すべきか」みたいなことをよく話しているし、子どもたちにも必要に応じてChatGPTを活用するように言っています。今の時代、こういうデジタル分野は子どものほうがよほどうまく使いこなせたりするものですし、答えを丸写しにするとかではなく、アイデア出しや思考を補助する道具だということを伝え、使えるところをどんどん増やして行ってほしいです。デジタルネイティブではなく、AIネイティブに育ってほしいよ私は。

子どもの勉強におけるChatGPT活用事例

子どもが勉強にChatGPTを使うことには是非があるとは思いますが、我が家の長男くんを見ていて、「むしろこういうところには使っていいんじゃね?」と思うことが多々あります。ここでは、勉強の補助として役立つChatGPT活用方法について例を挙げてみます。

テスト対策

社会のテスト前に、長男くんがChatGPTに問題を出してもらっていました。

単語問題と解答
答えと一緒に解説も作ってくれている

こういう学校教育課程の問題を出すぐらいだったら、ChatGPTで十分だよな。下手な問題集を買うよりもいいのかもしれないですね。なるほどそういう使い方があったんだなと感心しました。

提出用ノートまとめの補助

長男くんの通う公立中学校では「ノート点」なる内申点がありまして、ノートを独自にまとめることで内申が加算されます。ということで、テスト前に復習も兼ねてノートをまとめるのにChatGPTを使っていました。

比較表の作成
折れ線グラフの作成

グラフに対してさらに疑問を投げかけているのも良かったです。

折れ線グラフが急に上がっている理由を聞いているプロンプト
棒グラフの作成

ChatGPTはシレッと間違ったことも言うので、内容に関してはいちいち検証が必要ではありますが、授業や教科書の内容を深掘りするという意味では非常にうまい使い方だなと思いました。理解が深まっていいよね。

興味のある勉強に関する疑問の解消

長男くんは最近高校数学と物理が好きらしくて(キモイ)、何やら難しい本を読んだりWebサイトを見たりしています。私は何を言っているのかほぼ理解できませんが、何やらそのあたりで疑問に感じることをChatGPTに聞いているようです。

シュレーディンガー方程式ってなんだよ
ほぼ何を言っているかよくわからん

好きなことを調べるならネット検索でもいいですが、こと学術系とか演算系に関してはChatGPTのほうが効率的な気がします。まあこちらも情報の正確性は不安なところもありますが、とりあえずの疑問は解消できるようで、「ChatGPTすげえ~」って感動していました。

そういえば長男くん、学校ではChromebookが一人一台支給されているのですが、「数学で教科書にない難しい解き方を知りたくてChatGPTを調べようとしたら、教育委員会にブロックされていて使えなかった。でもBingはブロックされていなかったからcopilotを使った」と言っていて、うーん我が子ながら見事と思ってしまった。普通の中学生は「ChatGPT使えないからBingにしよう」とはならないわなあ。

子どもの勉強にChatGPTを活用する際の注意点

我が子にはChatGPTを使わせていますが、「AIは必ずしも正しくない、答えを鵜呑みにしない」ということを教え、学習の補助として使う場合にのみ許可している形です。何事もそうですが、子どもに道具を与える際には「自由に使っていいよ!」ではなくて、使い方や使いどころ、ルールを守る大切さを教えることが大切です。

保護者の見えるところで使う

ゲームを子どもに渡してしまうと、保護者の見えないところでこっそりやって怒られるってことがありますよね。私は子どものころ、兄がこれをやってファミコンを隠されたことがあり、「親に隠れて何かをやるとロクなことがない」と強く思ったのを思い出します。

生成AIはまだまだ大人にも未知の分野であり、子どもが利用する際にはしっかりと監視することが大切だと私は思います。子どもにChatGPTを使わせる際には、かならず保護者の見えるところで使うことをルール付けましょう。

我が家で子どもたちがChatGPTは使うときは、基本的に私か夫のアカウントを使います。これにより質問もChatGPTの回答もすべて記録に残るので、おかしなことをしていないかがすぐわかります。

「あくまで道具の一つとして使う」ことを教える

ChatGPTはときどき平然と嘘を言います。これを専門用語でハルシネーション(幻覚)と言います。AIがあたかも幻覚のように嘘をいう現象です。AIを使う際には必ずハルシネーションリスクがあるので、帰ってきた答えを鵜呑みにしないこと、常にファクトチェックを怠らないことは伝えるようにしましょう。

また仕事でChatGPTを活用するのは可能な限り「考える作業」を減らすのが目的ですが、勉強はそもそも考えるのが目的なので、そこをChatGPTに任せていては意味がありません。ChatGPTはあくまでも勉強の補助となる道具であり、答えをそのまま書き写すことは「あなたのためにならない」ということをしっかり伝えましょう。

まあChatGPTの答えを丸写しして単位だけ取ろうって大学生は今後も一定数出てくると思うので、今後は課題を出す側も「AIには答えられない問題」っていうのを工夫しなければいけないんじゃないのと思いますね。

結び

AIの波は大人・子どもに関係なく着実に迫ってきているので、40代の私たちはおそらくちゃんと使えるようにならないと今後仕事にならなくなると思うんですよね。まあ50代・60代なら、使えなくても逃げ切れるかなってところですが、若い世代はもうAIを使うことが大前提となってくると思うんで、「よくわからない」と恐れることなく、とにかく使ってみる。さらに子どもたちにもしっかりと使い方を教えていくことが大事なんじゃないかなと思っています。皆さんはどのように感じられたでしょうか。

ってなかんじで、AI系の記事に携わりながら、毎回「何言ってるか分かんないよ難しいよ・・・」と涙ぐみながら執筆している私です。この年になってもまだまだ勉強することはたくさんあります。子どもたちと一緒に、つねに挑戦者の気持ちで!AI社会に立ち向かっていきたいと思いました。

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