副業Webライターが実母の検査のため帰省した時の気づき~デジタル・高齢化社会の光と影について考える
こんにちは、水無瀬あずさです。2月に入り、寒さも厳しくなってきた今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
認知症のため名古屋のグループホームに入居している実母を検査に連れて行くという大役を父から仰せつかり、有休をとって2/1の夜から2/2で帰省していました。父もガン治療中の身で動きづらく、実家で同居しているはずの兄がポンコツすぎるがゆえに駆り出された形です。
すっかり認知症の進み、私のことすら分かっているかどうか怪しい状態の母を見るのはなかなかに胸が痛く、とはいえ遠方に住んでいるため普段はノータッチなので、せめてこんなときくらいはと駆け付けたのです。が、とはいえ、そんな状態の母と対面すると考えただけで、気持ちがどうしようもなく沈む沈む。おかげで行く先々でなんか涙が出そうになって、noteに泣き言を書き込むなどもしてしまいました。
おかげさまで、沈んだ心を何とか鼓舞しつつ、なんとか乗り切れました。のど元過ぎれば何とやらですが、今はとても晴れやかな気持ちです!終わった、終わったぞー!!
とはいえ振り返ってみると、気の乗らない帰省のなかでも、車いすという普段あまり関わることのなかった乗り物に触れ、いろいろと気づかされることがありました。そこで今回は、要介護の母に同行することで感じたいろいろな気づきについてまとめてみます。デジタルと超高齢化が進むなか、世の中はずいぶんと便利になってきました。そういうことを体験として実感できたという意味で、今回の帰省はとても意義深いものだったように思えたんです。そんな私のもろもろの体験を、身近に高齢者が居る居ないにかかわらず、超高齢化社会のリアルを知る一助として、皆さんが考える機会にしていただければ嬉しいです。
名古屋の両親の現状について
これまでも名古屋の実家の両親についてはしばしば触れてきたので、いつも私のnoteを読んでくださる心優しい方は状況をご存じかもしれませんが、念のため現状についてまとめておきます。
■実父
・悪性リンパ腫(血液がん)のため治療中(自宅から通院)
・今年75歳
・現役時代は報道記者歴40年のモーレツ仕事人間
・我慢強く何でも一人で何とかしようとする
・兄に対して過保護すぎるきらいがある
■実母
・認知症要介護5のためグループホームに入居中(2023年5月~)
・今年78歳
・専業主婦
・お嬢様育ちでプライドが高い
・父に対して極度に気を遣い、いつも怒られないかとおびえていた(暴力とかはなかった)
・兄に対して過保護すぎるきらいがあった
■実兄
・実家に同居
・今年48歳
・ポンコツ
グループホームの母は現在要介護がMAXの5。入居から1年も経たないうちに一気に症状が進行してしまったようです。家庭内暴力があったとかではないのですが、仕事人間でいつも機嫌が悪かった父にいつもビクビクしていた母なので、父と離れてホームに入ったことで糸がプツッと切れてしまったんじゃないかなあと思っています。
そんな母、年末から寝たきりになっていることが多く、もしかすると脳の病気ではないかとの疑いがあり、検査に行こうということになったそうです。兄から「検査に行くかも」と雑な連絡をもらい、父に「大丈夫?一度お見舞いがてら行こうと思うけど、都合どうよ?」と連絡を入れたところ、「ちょうどよかった、だったら検査に連れて行く日に合わせてきてくれないか?薬のせいで正直体がしんどくて・・・」と言われたのです。
いや全然行くけどさ、私が声をかけなければどうするつもりだったのか(自分で何とかするしかないと思っていたっぽい)。あとそういうのは、遠方に住む娘よりもまず同居している息子にお願いするべきでは?兄も兄で、私に「検査行くかも」とか連絡する前にまず父に、「手伝おうか」とか声かけられへんのかと思いましたよね。同じ家に住んでいるのに、意思疎通がまったくできていないポンコツ二人にビックリです。割と非常事態ぞ?
そんなこんなで、意志疎通のできない男どもに代わり、私が母を市民病院へ連れて行くことになったのでした。やれやれですよ。「やっぱりこういうときに頼りになるのは娘だな」じゃねえんですわマジでさ!!
実母の検査で帰省した7つの気づき
ということで2/1~2にかけて、実母を検査に連れていくために帰省した際の私の気づきを挙げてみます。
ストレス耐性が下がりすぎている
今回とてもとても強く感じたこと、自らのストレス耐性の無さです。今回なんて、わずか数時間で完結するちょっとした検査だし、検査結果は後日なので告知とか嫌なことを聞くわけでもなく、病院まで連れて行って連れて帰ってくるだけの、本当に大したことないことなのに、それがもう本当に心から嫌で嫌で仕方がなくて。考えるだけで胃がキリキリして、お腹もすかなくなり、なのにお腹を下すという、体がなぜか拒否反応を示す事態に陥りました。いや弱すぎるやろ私のメンタル。
フルリモートワークで本業・副業とも快適に働いている現状の私、ありがたいことにほぼストレスとは無縁の生活をしています。基本すべてのことが家の中で完結するので「嫌なことはしない」を素で実現できていて、それはそれでとてもありがたいことです。が、あまりにもノーストレスすぎてメンタルよわよわになっている気がしました。もう少し緊張感のある仕事もしなければいけないのかもと思い始めています。どうするべきか・・・。
タクシーがとても便利になっている
今回、母のグループホームが不便な位置にあるため、基本的にタクシー移動をしました。タクシーなんて、子どもたちが小さいころに急な発熱などの際に使って以来で、たぶん6年ぶりくらい。久しぶりに乗ったタクシーは、6年前とずいぶん変わっていました。まずQRコード決済に対応している!
一昔前のタクシーは、クレジットカード対応している車両としていない車両があって、「やばい現金下ろすの忘れた!足りるかな・・・」とかよくあったんですが、今は完全にクレカ&QRコード決済に対応しています。これが本当に助かる!乗り降りでわちゃわちゃしているときに財布なんて出したくないので、スマホで決済できるのはありがたかったです。
あとはタクシーアプリGOの存在ですね。わざわざ電話しなくてもタクシーを呼べるというのは非常に大きいと感じました。
配車の予約をすると、到着予定のタクシーのナンバーやだいたいの到着時間と費用が表示されるので、事前に把握できてとても助かります。ただ費用、実際2500円くらいだったのですが、3800円と表示されていたので、見たとき「たかっ!」ってなりました。このへんは改善の余地があるのかも(いや安くなる分には全然かまわないんだけど)。
指定場所へ向かっているタクシーは地図上に表示されるので、今どこの位置にいるのかもよく分かります。とても素晴らしい機能です。到着したタクシーの運転手さんが不慣れだったのか、近くにいるのに小道をうろうろしているのが地図上で見られ、「あっこれ迷ってる?」と心配になりましたけど、GOの使い勝手としては非常に満足のいくものと感じました。使ったことのない方も、機会があればぜひ使ってみてくださいね。
車いす対応タクシーはありがたい
GOアプリは非常に便利なのですが、車両の指定はできません。なので、「車いす対応のタクシーをお願いします」ってしたいときは、やっぱり個別にタクシー会社へ電話しなければいけません。
車いす対応のタクシー、私は今回初めて利用したのですが、乗り降りの時には運転手さんがしっかりと車いすをベルトで固定するという作業が必要になります。「なるほど、これはしっかりと運転手さんが研修を受けて使えるようにならないと無理だな」と思いましたね。しかも皆さん、にこやかでとても親切に応対してくださって助かりました。
車いす対応などのタクシーって、GOのように気軽にアプリで呼べるわけではないけど、安全面で大切な部分をしっかりと押さえてくれているんですよね。こういう細かな配慮や気遣いこそ、アプリタクシーと通常のタクシー会社の大きな差別ポイントになるんだろうなと感じました。最終的にはやっぱり、人間性なんだよなあ。
車いすの移動はとても大変
育児でベビーカーを押すことはありましたが、車いすを押す機会はありませんでした。「どうせベビーカーと同じような感じでしょ?」となぜか勝手に高をくくっていたのですが、全然違いました。そりゃそうです、ベビーカーとは違って大人を乗せるんだから。考えりゃ分かりそうなものなのにね私。
ベビーカーなら、ちょっとした段差だと迂回するのもめんどくさくて、無理やり上がったりしていました。が車いすではそうもいきません。ちょっとした段差なのにいちいち回らなければいけないの、改めて大変だなって感じてしまいましたね。まあ私がガサツすぎるのがいけないんですが・・・。
ベビーカーさえ押したのはかなり昔のことで、もはや距離感がバグっています。車いすを押しながら、病院の自動ドアとの距離感を誤り、ドアの端にガンッ!と当ててしまったりもしました(母がびっくりしていた)。私のガサツさ度合いも折り紙付きってところですね、てへぺろ!(反省しろ)
ところどころに「母らしさ」も見えた
検査自体は、脳波の検査1時間と、MRIが30分ほど。朝10時半スタートで、12時半には終わっていたのですが、父に頼まれて昼食を食べさせてあげました。
実家で持たせてもらったイチゴとキウイ、リンゴ(タッパ2つぶん)と、コンビニで買ったサンドイッチとコーヒー。「体は小さくなっている割にずいぶんと食べるなあ」って感じでしたが、フルーツとパン、コーヒーが好きな母だったので、今も好きなんだなあって思ったら嬉しかったです。
あと、食べさせながら私がちょっとわちゃわちゃしていたら、「なになになになに?なんなのよ?」と、昔よく聞いたような言い回しの言葉を発していました。それと私のスマホケースについている押し花を見て「キレイ・・・」ってつぶやいたのも、花好きの母らしかったな。
昔と比べるとやせ細って、髪も真っ白になり、体も自分で満足には動かせなくなった母。今の変わり果てた姿を見ると胸が痛むけど、しぐさや言葉の端々にはしっかりと「母」がいて、当たり前なんだけど、改めて「この人はお母さんなんだよな」って感じることができました。ごめんね。
高齢者医療費、やすい
脳波とMRIの検査、どちらも先進医療の検査だと思うので、いかほどの高額請求をされるのかとビクビクして会計に臨んだのですが。全部で3500円でした。え、やっす。
高齢者医療、窓口負担は見直されたものの、これだけガッツリ検査してもらって3500円は普通に安いですよね。日本大丈夫か。
気軽に医療にアクセスできるのは素晴らしいことですが、働く世代の人口は減少しており、お医者さんの人手不足も深刻と聞きます。コロナで顕在化した部分も大きかったですよね。医療費はこれからどんどん膨れ上がってくると見込まれるなか、もっと見直しが行われないと持たないのではないかと心配になりました。
あと今回利用したのは地域医療拠点になっている市民病院(市立大学の隣)だったのですが、なるほど地域医療って大変だわと思うほど高齢者だらけで本当に驚きました。私が住んでいる横浜のあたりは、私と同じような世代が暮らすマンションが立ち並び、少子化と言われるなかでも子どもが特に多い地区です。こんなたくさんの高齢者を見ることはめったくなく、「少子高齢化って言ってもねえ」とどこか高をくくっていた部分があったのですが、今回その認識が大きく変わりました。日本の高齢化、割とガチでヤバい。
行って帰るまで現金をほぼ使わない!
タクシーの話にも関連するのですが、今回新幹線に乗って名古屋へ行き、ホテルに泊まり、タクシーでグループホームや病院へ行き、新幹線で横浜に買ってくるまで、ほぼ現金を使わなかったんです。これはすごい。
新幹線はJR東海のエクスプレス予約を利用します。時間や座席の指定もでき、ICカードと紐づけられるので、乗車はスイカがあればできます。チケットレスは本当に便利。
ホテルはじゃらんで予約し、支払いはクレカ。できればQRコード決済にも対応してほしいけど、これはまだ先かな。
タクシーはアプリGOで予約し、支払いはQR決済。病院の支払いはクレカ、お土産やお弁当の購入、コンビニではすべてQR決済です。ということで、現金を出す機会は、ICカードに電車代をチャージするときだけでした。このICカードのチャージの仕組みさえもっとスマートになれば、現金を持たなくても済むんだけどなあ。
コロナ禍によって現金決済が減り、デジタル活用でずいぶんとキャッシュレスが進んだ気がします。これからさらに便利に、シームレスな世の中になっていくのかなあって思うと、ちょっとわくわくするなあとも思いました。
結び
心が沈む帰省ではありましたが、それでもいろいろなことに気づけたのは良かったとも思いました。転んでもただでは起きないのだ!人間、経験してみなければ分からないことって多いですよね。今回の経験を生かして、これから母とももう少し前向きに向き合えるようになりたいと感じました。あとポンコツの兄にはもっと頑張ってもらいたい。
そういえば、母の検査をすべて終え、名古屋駅に着いたとき「ダメだストレスで胃がキリキリする・・・こんな時はあれだ、散財だ。なんかストレス発散になるものを買おう」と思い、名古屋駅のリラックマストアに行きました。
でカワイイキイロイトリのぬいぐるみを見つけ、ホクホクしながら3つほど買いましたら、「あれ?胃がキリキリしなくなった!」ということで、治りました。私、ちょろいな。
ストレス発散は大事ですよねってことでね。もっと短く終わらせるつもりだったのに、ずいぶんと長くなってしまいました。帰省中に読んでいた本が面白かったので、次はその紹介記事なども書きたいと思いつつ、今回はここらでお開きと相成ります。最後までお付き合いありがとうございました!
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