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『きしみ卿のタンタカタン ~きしむ夏~ 短歌10+1首』

夏路地の影をぬいぬい渡り鳥 日蔭をなめて顎まで濡らして

夏が見てるじりっとぢゅうっとずっと見てる 痛い痛いと泣き叫ぶ細胞が

ガラス細工のひまわりみたく透明な君の心臓に飛び込むのが得意

しなびれて光り失くしたヒマワリの八万本のため息を聞く

枯れるまでちゃんと叫べたか本当に? 老いや死も歌えたか? 残せたのか、種を

脱け殻を壊れぬようにそっとくわえ往時の体温思い出す君の

目のふちに飛び込んできた夏小虫 飼うつもりだった、涙が殺した

扇風機をつけるのは涼むためじゃなく籠から風を逃がすため

水の家で風が泳いで波さらい星が落ちたら夏が泣いていた

ぬるくなるどんどんどんどんぬるくなる夏のじゃぶじゃぶボクはじゃぐち

夏は黒 積みタイヤ越し影揺れて 傘下のしら雪 少女の肩こぼれ

※夏。積み上げられた黒いゴムタイヤから生理的に見たくないほど暑さ感じる。そこにしゅっとした可愛い子が、傘下のしら雪のような肩半球だして行き過ぎたら救われる。と思って。



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うたがわきしみ
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。