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【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 頑張るのやめれた時にしか見えない夜空があって深く澄んだ青で

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 灯してく真っ暗な部屋に帰れずに 「ただいま」と「おかえり」を偽装す

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 俄然宇宙代表としてトイレットペーパーの気持ちになって流され

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 真ん中の海をちぎって途切れた青へ 詰め替え用の人生を捨てて

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 軽はずみじゃない人生にうぬぼれ 赤い風船に手が届かない

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 枯れるまでちゃんと叫べたかほんたうに? 老いや死も歌えたか? 残せたのか、種を?

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 しなびれて光り失くしたヒマワリの 八万本のため息を聞く

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 テーブルで笑ってたはずの人形が 後ろから「遊んでよ」笑ってない

『きしみ卿のタンタカタン ~きしむ夏~ 短歌10+1首』

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 手品師が指を鳴らせば街の端から折り畳まれて月までパタリと

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 ゆっくりと踏みしめながら味わうの 冷たく朽ちる肌と肌の群れの

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 特別なクラスにいた目のはなれた娘(こ) 馬鹿にする人にまじらないで

『きしみ卿のタンタカタン ~ざらりときしむ~ 短歌10+1首』

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 縁側で洗濯物をたたむ君の背中がななめで夕暮れみたい

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 誰にも手を繋いでもらえなかった日は猫の鳴き真似をして屋根の上へ

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 なめらかな振りをして笑ったまぶたから出た水はグシャグシャでボロボロで

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 ・きしみ度0%の場合 星々が夜空に散ってまたたいて 暗き道ゆく我をも照らし ・50%の場合 ロバの耳のぞきこんだら王がいた 複合的に鼻を噛まれた ・100%の場合 宇宙宇宙 宇宙宇宙尻宇宙宇宙 宇宙宇宙尻宇宙宇宙宇宙

うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 母さんが昨日男と寝て用意した 給食費だから盗まれていい

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 もうまわり終えたコマみたいカタリコトン 乾いた音立て消えたトモダチ

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 駅のないホームで猫撫で声を出し 世界の終りせがむ腐乱死体たち

うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 ちんすこうヴァイスヴルストに恋をして ヴィシソワーズもストロガノフも

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 つけたまま やってやられて つけたまま やられてやって つけたままつける

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 極々、甘いラーメンを啜って 夕闇へと繰り出すどんぶり達

うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 次々と空から零れてくるものの正体は死んだ雨粒の死がい

うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 ほんたうに鼻がもげ去り駈けてゆく 別れ惜しむ間もない鼻なしの身

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 庭の花壇に入りきらない夕暮れを 博士は恋と呼びました。かしこ

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 オサカナだ!ねえパパ見てよ!オサカナさん! ああホントだねうまそうだ、「え…」 (子供白目・字余り)

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 「レレレのレお出かけですか?」と問う君に かける言葉が見当たらぬ

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 空からピンク色の鳩の腸ぶら下がり よじれてる昇れば平和か

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 ヒトさんまいにおろし盛り付けあさっての方へドーン!と投げて知らぬふり

【うたがわきしみの短歌集『きしみ卿のタンタカタン』より】 特大のニート33歳のカレー食べた 消えたニートは出汁になってた