『きしみ卿のタンタカタン ~ざらりときしむ~ 短歌10+1首』
「木工場の甘い香りがしたから帰ります 母。」ケモノのにほひ
母さんが昨日男と寝て用意した給食費だから盗まれていい
白と黒の渡り廊下で出会った君 すっと裂いた手首が景色破ってく
空からピンク色の鳩の腸ぶら下がりよじれてる昇れば平和か
(不倫の代償…)
よく冷えたビール片手に音頭とる上司の家庭に無言電話す
(背中にナイフを忍ばせて…)
駆け落ちははやらないよと薄笑う男の顔を見れない私
母親の体温奪うあの夜の男ども私の舌まで舐め
(少女が殺し屋になったわけ…)
レイチェルは牧師を殺して服を着た10歳だった、もう祈らない…
白痴にね、白痴になって、生きてある りゆう知りたい、白痴になって
ちづる“足らず”に生まれ毎日ハダカなり 川歩ぐたび股いぢられ泣ぐ
くさはらに おきざりにした あのこたち ゆめもみないでねむりつづけて
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。