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最新版!若手育成についての事情アレコレ
だんだんと暑い日が続くようになりましたね。
私は6月中旬から7月中旬まで、ある企業様の外部人事として都内近郊の高校訪問をしております。場所によっては交通機関の移動より自転車の移動のほうが早いので、レンタサイクルを借りるのですが、おかげで、こんがり日焼けモードになってきました。
本格的な夏になったらどれだけ暑いのでしょう。皆様も水分を取って、体調には気をつけてお過ごし下さい。
さて、若手社員の育成に関しては、こちらnoteの過去エントリ
新人育成のイロハ、お伝えします(前編)(後編)
ピカピカの新入社員、一人前の人材に育てよう!(前編『最初の第一歩』)(後編『石の上にも3年、一人前に磨きをかける』)
など、何度も取り上げてまりましたが、これはひとえに若者の育成に困りごとを抱えている企業がとても多い、ということに他なりません。
当note永遠のテーマと言ってもいい(笑)若手社員の育成。日々対策を講じても、毎年新卒さんは入社しますし、事情も年々変化していきます。
私自身も日々、情報をアップデートしながらお客様とお話しをしています。先日開催された経営塾での勉強会でもシェアさせていただいたのですが、とても興味深い調査情報がありましたので、こちらでも皆さまと共有しながら、改めて若手社員の育成、今現在!の最新事情に迫りたいと思います。
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最新版!若手育成の悩みとは?
早速まいりましょう。まずはこちらの資料をご覧ください。
大手企業のマネージャー職を対象に、若手社員の育成・マネジメントについて感じている点についてのアンケート結果です。
調査については、管理職の若手育成に関する定量調査として、1000人以上の従業員規模の課長級管理職(正規の社員・従業員である者)、29歳以下・正規社員の部下を1名以上持つ者を対象として実施した。実施時期は2023年3月17日~20日、無効な回答を除外しサンプルサイズは1083であった。(省略)回答者は年齢では50代が最も多く54.6%、次いで40代が35.8%であった。性別では男性がほとんどで95.3%である。
「マネージャーはこれからも若手を育てられるか」
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こちらの調査によりますと、
最も多かったのは「自分の頃と同じように育てられない」(34.4%)
次いで「若手育成と労働環境改善の両立が難しい」(31.4%)
「若手の成長にとって十分な業務経験や機会が提供されていない」(29.1%)となっております。
大手企業であっても、実にマネージャーの75%が、「若手が十分に育っていない」と感じている、ということです。皆さまの抱える悩みは、ある意味において普遍的な、ありふれた問題だということですね。特に、50代や40代の管理職からすると世代間ギャップによるところも大きいのかなと思います。
若手社員はどんな人?確認しましょう!
なぜ、若手社員に対して納得のいく育成ができない、と感じるのでしょうか。まずは「若手」とは、どんな人なのかを知らなければ対策の立てようもありません。
過去エントリ「新人育成のイロハ、お伝えします(前編)」でお伝えした通り、2023年現在の若者=Z世代(1990年代後半~2010年序盤に生まれた世代)には、以下のような特徴と、独自の価値観があります。
・デジタルネイティブ
・ネットリテラシーが高い
・ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(受容)を重視
・新しいテクノロジーへの関心が高い
・消費傾向/地に足のついた経済感覚
・働き方の傾向/自分らしさを大切にする
・真の価値を求める
また、就職先を決める際の決め手となるものは何かと聞いたアンケートでは、以下のような結果となっています。就職先を確定する際に最も決め手となった項目、民間企業への就職確定者へのアンケート結果です。
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出典:株式会社リクルート/就職みらい研究所/2022年12月15日配信 就職プロセス調査(2023年卒)「2022年12月1日時点 内定状況」 (recruit.co.jp)
「自らの成長が期待できる」と、2番目に高い「希望する地域で働ける」との差が前年に比べ小さくなりました。
また、成長への期待が最も高い傾向は変わらないのですが「福利厚生や手当が充実している」も増加し、学生自身にとっての働きやすさを重視する傾向が強まり、ある意味において、より保守的・安定志向になっている、と言ってもいいかもしれません。
その他、2023年卒で増加傾向にあるのは、「会社・団体で働く人が自分に合っている」「会社・団体の理念やビジョンに共感できる」これらが3年間で徐々に増加しています。その先、働くにあたっては、実際に社員や職場の雰囲気、風土が自分に合うかをより重視しているようです。
今どきマネージャーの育成方法とは?
こんな傾向にある若手に対して、最近のマネージャーはどのように接しているのでしょうか。以下のデータをご覧ください。
若手とのコミュニケーションスタイルとその頻度に関するアンケート結果になります。
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出典:リクルートワークス研究所/2023年4月26日配信
「マネージャーはこれからも若手を育てられるか」
若手とのコミュニケーションでもっとも重要視されているのは、「褒める」となっています。一方、叱責の機会はかなり少なくなっています。と同時に、フィードバックや指導も相対的に少なくなっております。
そしてこちらのデータです。
若手への具体的な働きかけの頻度は以下の通りとなっております。
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出典:リクルートワークス研究所2023年4月26日配信
「マネージャーはこれからも若手を育てられるか」
「部下にわからないこと、不明確なことがあるかどうか確認する」や
「部下のやりたいこと・やってみたいことを聞く」が多くなっております。
一方で「部下に自身の知り合いを紹介する」や「イベントや社内外の勉強会等に、部下を誘う・紹介する」は頻度が低くなっております。
これらのデータを総合的に判断すると、こうなるでしょうか。
「自分らしさを大切にするZ世代の傾向をそれなりに理解しており、過度な働きかけはせず、若手の気持ちを大切にしている。気持ちを大切にするあまり、積極的に褒め、厳しい指導もせず、若手へ『気遣っている』ような傾向すら見える。若手社員は構われるのも嫌だろうと、飲みに誘ったりする機会も減ってきている」
どうでしょうか。マネージャーさんの若手に対する苦労が垣間見えるようですね。
若手社員のホントの気持ち
では一方、若手はどのような職場環境を望んでいるのでしょうか。
以下のデータをご覧ください。
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「歴史と伝統のある企業である」「安定し、確実な事業成長を目指している」など、保守的な傾向が見られる一方で、「現場の社員主導で事業運営が行われる」など、自主性を重んじていることも伺えます。
また、「会社の持つノウハウや型を学ぶことができる」「どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく」がという汎用的なスキル習得を会社に望んでいる一方、「短期的な成長はしにくいが、体力的・精神的なストレスがかからない」も高く、学びは得たいがストレスは避けたい、という若手社員の考えは、我々(笑)昭和世代からしたら、時に理解に苦しむこともあるかもしれませんね。
そして、注目していただきたいのは、コミュニケーションスタイルです。
若手社員のノミニュケーションは時には必要⁉
コミュニケーションスタイルに関して、若手は「ウェットな人間関係で、プライベートでも仲が良い」「コミュニケーションが密で、一体感を求められる」、共に高いスコアを出しております。
これは一見すると、Z世代の特徴と相半するような結果に見えるかもしれません。
昭和世代の考える「密な人間関係のある職場」とは、家庭を顧みず、自分の時間も犠牲にして会社の人間関係を優先させるもの、との思い込みがあるのではないでしょうか。
Z世代は別に、濃密な人間関係を避けているわけではありません。むしろ、仲の良い職場を望んでいます。要するにプライベートも大切にしつつ、会社の人とも良好な関係を築きたいと考えているということですね。
なので、若手社員との関係性を深める食事会や親睦会は、お互いに合意があれば、時には有効なのではないでしょうか。いや、むしろ好意的に考えている方も多いかもしれません。しかし同時に、たとえ上司の誘いでも、予定があれば断るのは抵抗がない方々もいるようですが(笑)
上司は若手社員に一度断られると、もう誘わない方が良いのかな、など考えてしまいがちですが、単に予定があっただけで、予定さえあれば、喜んで参加したい、食事会自体を嫌がっているわけではない…なんてことが多いのかもしれませんよ。
実際に職場における若手社員との日々のコミュニケーション別、育成効果実感が高いと感じた打ち手として以下のようなアンケート調査があります。
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出典:リクルートワークス研究所/2023年5月19日配信「若手育成実感が高い管理職を科学する」
明確に特殊なポジションなのは図の左上に位置する「部下に自身の知り合いを紹介する」、さらに視界を広げれば「イベントや社内外の勉強会等に、部下を誘う・紹介する」であり、高頻度で行っている管理職は少数派であるがその効果は高い、という結果が出ているようです。
若手社員を理解しつつ、変化を恐れない!
Z世代の希望する職場の条件は、一見すると「そんな都合の良い仕事はありませんよ」と言いたくなるような、相反する要素が含まれておりました。しかし、これが彼らの本音です。
では、企業としてはこのような条件を揃えなくてはならないでしょうか。もちろんそれは無理な話です。
彼らだって、ストレスが少なく、安定していて成長も期待できる、そんな自由度の高い仕事はそうそう無いことは理解してるはずです。
Z世代が大切にしている価値観を理解し、御社の良いところをしっかりと理解してもらえれば良いのです。
「弊社は育成が充実しています」「安定した職場です」「プライベートを大切にしながら働けます」これら、自社の強みを明確化し、伝えることが大切なのではないでしょうか。
Z世代は、私たち40代や50代の世代とは違う価値観を持っているのは事実です。しかし、だからといって顔色をうかがうことはありません。
彼らは決してわけのわからない宇宙人のような存在ではなく、飲みに誘えば喜んでくれますし、ちゃんと楽しんでもくれます。断られた時は、単に予定があっただけ、と考えた方が自然でしょう。
若手を理解するのは大切ですが、傾向を知り、目の前にいる彼らの特徴に向き合い、尊重しつつ、コミュニケーションを深めていくことをおススメします。
具体的な若手育成ポイント
理解しつつ、恐れずに若手に接しよう!を大前提として、では、具体的に、若手にはどのような関わり方が有効なのでしょうか。
図をご覧ください。これは自社の制度と管理職の育成成功実感率のアンケート結果を示したものです。
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出典:リクルートワークス研究所/2023年5月19日配信「若手育成実感が高い管理職を科学する」
・社内での複数の部署の兼務
・社内キャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントへの相談体制
・管理職等への部下とのコミュニケーションや指導方法の研修
・社内旅行や社員レクリエーションなどの社員が参加するイベント
・職場を横断する社内勉強会やコミュニティ
・若手だけで行う企画・プロジェクトの実施
これらが有効であったとのことです。
どうでしょう、意外とコミュニケーションを重視した、「ウェットな」項目が多いな、とお感じになるのではないでしょうか。社内旅行なんて、若手社員は嫌がるだろう、と思ったら実はまったく逆なのですね。
こういった成功例を参考にしつつ、若手育成に取り組んでいただければと思います。
いかがでしたでしょうか。若手の育成、想像通りな面もある一方、意外な部分もあったのではないでしょうか。
「現代の若者」という言葉は、しばしば理解できない者の代名詞のようにも使われますが、決してそんなことはありません。時事変化する若手の傾向を理解することで、若手育成をしっかりと進めていただきたいと思います。
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