宇都宮借家横丁の昭和史(その1):離婚家族の話
■宇都宮借家横丁私が小学生の頃に住んでいた町は、四条町といって、かつて釣り天井で有名な宇都宮城の城下町であった。
お城を中心にして、南北に通じた道が東から西の方向へ、一条通り、二条通り、三条通り、四条通りと、京都に倣って道をつけたのである。
その名残りが町名として残っているのである。
四条町の横道を入った所に、十軒の貸家があった。この貸家は中村源兵衛という味噌問屋の金持ちが建てたものである。この十軒の貸家には、いろいろな人が出たり入ったりして、借家住まいをしていた。
靴屋の番