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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】不妊症と鍼灸

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。
いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

生理がやってくる度にまた今回もだめだったと残念な気持ちでいっぱいになり、赤ちゃんが欲しくてがんばっているのに~と悔しくて涙があふれてきてしまう。。。
なんども妊活にトライするも、残念な結果が続くと、もしかしたらわたしは赤ちゃんを一生授かることができないのではないか、という絶望的な不安感と焦る気持ちでいっぱいになってしまう。

不妊治療を受ける女性の多くはこんな気持ちを抱えながら、一生懸命に治療に励んでいます。

今回は、東洋医学的には『不妊症』はどうしておこるのか、そのタイプや原因、治療方法についてみていきましょう。

なお、本編の中では、実際に鍼灸治療により妊娠に成功した症例をひとつご紹介していきます。
不妊症で悩む女性のみなさまへ東洋医学と鍼灸の素晴らしさを届けたい、下を向いて悩んでいてほしくない、鍼灸あやかざりからお届けする、この冬の№1トピックスです!


1.不妊症とは

不妊症とは、避妊をしないにもかかわらず2年以上たっても妊娠しないことを指します。
西洋医学的に考える、妊娠の成立条件としては、

1.女性の排卵が正常
2・男性の射精が正常(精子の数、形態、活動)
3.卵子と精子が結合できること
4.受精卵が着床できること

などがあげれらます。

これらのどの条件が満たされなくても不妊症になりえるため、不妊で子供を授かることができずに悩む場合には、男女双方の検査が必要となります。

2.西洋医学的にみる原因

西洋医学的にみる不妊症の原因のおもなものとしては、以下のようなものがあげられます。

1.排卵障害
卵巣の発育不全・炎症・腫瘤・創傷、垂体機能の不全による無排卵。

2.精子の生成不良
睾丸の発育不全・炎症・損傷・手術による摘出、放射線治療の後遺症など。

3.結合障害
輸精管、輸卵管の閉鎖・炎症、奇形

4.着床障害
子宮内膜の炎症・腫瘤、内分泌異常による子宮内膜の発育不全

5.全身症状
ストレス、栄養不良、内分泌疾患、結核、炎症など

これら、生殖機能に関する器質的な異常と内分泌(ホルモン)の異常の有無に関しては、不妊症外来のある病院や産婦人科で検査を行うことができるほか、最近では、結婚前のブライダルチェックとして男女ともに検査を行うこともできるようになっています。

また、女性の場合には、基礎体温を計測することにより、女性ホルモンの変動、および正常な排卵が行われているか、簡単に知ることができます。
基礎体温は低温期と高温期の二相からなり、それが一定のサイクルで繰り返されていきます。
基礎体温の変化は、自分自身のカラダの状態を知る大きな手がかりになりますので、面倒と思わずに、ぜひ毎日の習慣として計測をしてみてくださいね!

3.東洋医学的にみる原因

東洋医学では、不妊のことを『不孕』といいます。
及ぶ子と書いた2文字目の漢字『孕』ですが、、単独では「はら(む)」と読みます。
この文字の由来は、妊婦の腹の中に子を包んでいる様が形象化されたものだという説があります。
まさに、妊娠という状態を表現する文字であり、妊娠をすることができない=不孕、ということになりますね。

東洋医学的に不妊の原因を考える場合には、西洋医学のように、器質的な異常の有無やホルモンの値をもとにして診断を行うことはしません。

西洋医学的な検査の値、ホルモンの値等を参考にすることはしますが、「体質、食事、疲労、ストレスなど、何らかの要素が原因となり、身体が妊娠しづらい状態になっている」と考えて問診を行うほか、お身体全体の状態(脈、顔色、舌の状態、お腹・背中・手先・足先などのツボの状態等)を診て、総合的に根本原因を探っていきます。

問診情報の中でも、特に重要になってくるのは、月経および帯下(おりもの)の状態です。

月経および帯下は、妊娠環境・子宮内がどのような状態にあるかを示すバロメーターであることから、以下のような情報を得ることで、不妊症の原因特定に役立てることができます。

・月経周期
・月経期間
・色
・血のかたまりの有無
・月経痛の部位と性質
・月経に伴う症状:眠り、排便、感情変化、頭痛、肩こり、頭痛など
・月経の前後での体調変化
・帯下の量と色と質
・初潮から現在までの月経の変化

では、次に、東洋医学的にみる不妊について、その原因をタイプ別にみていきたいと思います。

3-1.身体エネルギーの不足によるもの(腎虚型)

ひとつめは『腎虚型』です。
人体の成長・発育・生殖を支える、身体エネルギー=『腎精・腎気』が不足していることが原因と考えられます。
身体エネルギーの不足が続くと、身体を温める作用が低下してしまい、身体が冷えやすくなることから妊娠がしづらくなります。
また、身体エネルギーの不足は、身体に栄養を与えるための血の不足をまねき、より良い子宮環境が整わなくなることから、やはり妊娠がしづらくなります。

腎虚になりやすい原因には、以下のようなものがあります。

・先天的な虚弱体質
・大病を患った、病気がちで身体が弱い
・加齢
・習慣性の流産を繰り返したことがある
・節度のない性生活

このタイプの場合、
・初潮が来るのが遅かった
・月経が遅れがちで量が少ない
・いつも腰や下半身がだるい
といった身体の特徴がみられやすいです。

3-2.精神的ストレスによるもの(肝気欝結型)

ふたつめは、『肝気欝結型』です。
精神的なストレスが原因で、身体の循環をうまくコントロールできなくなり、結果、妊娠しづらくなっている、と考えられます。
また、精神的なストレスの中でも、不妊治療を長期にわたり繰り返し不安感や焦り感が強くなっている場合には、『不妊による不安・緊張 → 身体循環の停滞 → 妊娠に成功できない → 焦り感 → 不妊による不安・緊張』という負のスパイラルにおちいってしまうことから、注意が必要です。

このタイプの場合、
・緊張しやすい
・いらいらしやすい
・おちこみやすい
・鬱々として楽しくない
といった精神面の特徴がみられやすいです。

3ー3.血流の悪さによるもの(瘀滞胞宮)

三つ目は、『瘀滞胞宮型』です。
血流が悪く、子宮内に血の停滞、澱みができて妊娠を妨げている、と考えられます。
また、常に寒い環境で仕事をして下半身が冷えやすい等の場合にも、手足、内臓が冷えてしまい、子宮内に血の停滞、澱みができて妊娠を妨げることにつながります。

このタイプの場合、
・下腹部がキリキリ痛むことが多い
・月経前の痛みが強い
・月経に塊を含みやすい
・月経量が少ない
といった身体の特徴がみられやすいです。

3-4.体内老廃物の蓄積によるもの(痰湿内阻)

四つ目は、『痰湿内阻型』です。
肥満体型で味の濃いもの、脂っこいもの、辛いものを好み、頻繁に食べている場合、および過去に過度なダイエットで大幅な体重増減を繰り返したことがある場合、胃腸の消化吸収力が低下して体内に老廃物がたまりやすくなります。
老廃物は、体内の循環停滞をひきおこすため、結果、妊娠しづらくなっている、と考えられます。

このタイプの場合、
・食べるのが好き
・無理なダイエットを繰り返したことがある
・肥満体型
・むくみやすい
といった身体の特徴がみられやすいです。

4.西洋医学によるアプローチ

西洋医学での不妊症の治療は、その原因に応じて最適な治療法が選択お粉われます。
まず、器質的な異常がある場合には、外科的治療である内視鏡手術(子宮鏡・卵管鏡・腹腔鏡)により不妊の原因となるものを取り除きます。
その上で、以下のような治療が行われており、それぞれの治療を行っても妊娠に成功しない場合にはステップアップすることが医師から提案されます。
また、器質的な異常等があり妊娠しづらいと判断される場合には、早期から人工・顕微・体外受精をすすめられることもあるようです。

・タイミング法
・排卵誘発法
・人工授精
・顕微授精
・体外受精

5.鍼灸によるアプローチ

「不妊症は鍼灸で治療できるのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、不妊症も鍼灸で治療可能な症状の一つです。
その効果は、世界保健機関(WHO)も認めています。
参考リンク:公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
西洋医学での不妊治療を受けている方の中には、『いつまで不妊治療を続けようか、あきらめようか』『治療法のステップアップには不安と抵抗がある』『どうしても自然妊娠をあきらめきれない』『ホルモン薬の投与は身体に負担になりそなのでしたくない』と考えていらっしゃる方も多いかもしれません。
一方、鍼灸治療による不妊症の治療は、「3.東洋医学的にみる不妊症の原因」でご紹介をしたような原因を正すことによって、妊娠しやすいように心身全体を整えていきます。
なお、鍼灸治療は、西洋医学の不妊症の治療と併用して行っていくことが可能です。

6.鍼灸治療で妊娠に成功した症例

次に、鍼灸治療で不妊症が改善し、妊娠に成功した症例をご紹介したいと思います。
一度の施術で使うツボは1~2つで、施術時間は休憩含めて約1時間程度です。
なお、鍼をする前には、予め、詳しく問診をする必要があり、症状だけでなく、他にもある様々な身体の症状(随伴症状といいます)、その人の体質や体格、その時の体調、施術をする時の季節、天気なども考慮する必要があります。
その上で、その人の身体全体の状態(脈、舌、顔色、身体の熱冷のかたより、身体の緊張、手足ツボの反応など)から、トータル的にみて、最も原因にふさわしいツボを選び鍼灸の施術をします。
そのため、症状や原因が同じでも、その時々で使用するツボも変えることが必要となります。
 また、不妊治療に際して気を付けなければいけないことの一つに、妊娠の可能性がある場合には過度な刺激はさける、ということがあります。
そのためには、常にどのような段階にあるのかをしっかりと問診した上で身体全体を診て、使用するツボと刺激量には最新の注意をはらいます。
また、状態によっては、刺さない鍼を用いたりお灸を使用するなど、やさしい刺激による治療を行うこともあります。

【患者】30代後半女性、専業主婦、身長15Xcm、体重5Xkg。
【初診】202X年8月XX日
【主訴】不妊症
【問診】
体型は普通体系。食欲は普通。
便秘傾向は幼少期よりある。
性格的に心配性なところがある。
先天異常があり、生後は保育器に入っていたことがある。
幼少期は虫垂炎を繰り返す。
成人した後は大腸ポリープがみつかり内視鏡で切除する。
精神的ストレスにより寝ようとしても寝れないことがある。
過去に2度の自然妊娠を経験しているが、早期に流産をした。
人工授精を数回試みるが、着床にいたらず、ホルモン剤を使用するようになってからは、身体のだるさ、顔のほてり、気持ち悪さなど、身体の不調が排卵期のあたりに出るようになってきた。
妊活に疲れてしまったことから数カ月間休憩をした後に、鍼治療を併用してみようと思い来院をした。
【その他の症状】
・両こめかみの頭痛 ズキズキする、低気圧と朝に悪化。
・手足のしびれ ホルモン剤を投与するようになってから
・腰痛 腰の下のほうがだるおもい
・身体のだるさ 低気圧で悪化
・身体のかゆみ ホルモン剤を投与するようになってから、夜痒い。
【診断と治療方針】
肝鬱気滞、腎虚、血虚を原因と診断。
自然妊娠と流産を繰り返したことで腎虚、血虚が深刻化したと考えられる。
流産後には月経の量が少なくなってしまった。
体質的な下半身の巡りがあることに加え、妊娠による影響から、さらに循環が停滞しやすくなった。
妊娠前から、性格・精神的な負荷による心身の過緊張が強く、不眠や頭痛の症状を誘発しやすい状態にあった。
妊娠初期から安定期までは、上半身を中心に暑くなりやすく頭痛も頻発になりがちだった。
上記より、身体の過緊張をとりながら、身体のエネルギー・血の不足を補うように処置をしていく。
【日常生活での注意点】
・身体の緊張をとり循環をよくするように、軽い散歩をする。
・妊娠について過度の心配したり、焦らないようにする。
【経過】
初診~3診目 腰のだるさと不眠を改善することを中心として処置を行い、改善する。
3診~6診目 人工授精をする。直後より、妊娠陽性のような体調の不安定さが半月程度継続する。妊娠の可能性を考えて処置にあたる。
7診~12診目 妊娠薬による陽性反応があり、その後に病院を受診して妊娠陽性と正式に判定される。
13診目~ 過去に流産をしていることから安定期に入るまでは週に1回のペースで鍼灸の施術をする。

施術時には、その時々に応じた症状の改善と胎児の発育を中心にして、最初に診断した通り、肝鬱気滞、腎虚、血虚の程度に応じた処置をする。

その後、安定期に入り、特に身体の不調および胎児の発育にも問題がなく、病院の主治医からも流産の危険な時期は乗り越えたとの診断があった。
鍼灸治療に関しては、本人も希望もあり、今後も継続をしていく。

7.まとめ

今回は不妊症について、症状ごとのタイプや原因、治療方法について解説をしました。
東洋医学においても、不妊症に対する治療が可能なことはご理解いただけたでしょうか。
今回はここまでとなります。最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
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画像の出典:https://www.photo-ac.com/


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