【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】かき(柿)で若返り!?
鍼灸治療では、症状の改善に役立てる、日常的な養生の方法のひとつとして、食生活上で気を付けることをお話することがあります。
今回は、そんな食養生の中から、秋の味覚『かき(柿)』をとりあげ、かきのヒミツ、かきパワーのすごさをご紹介していきます。
『4.かきレシピ』では、わたしが実際に作ってみてとっても美味しかった簡単かきレシピ【かき&クリームチーズのディップ】をとりあげています。
では、最後までお楽しみください。
1.かきの由来
かき(柿)は、カキノキ科の植物で、原種は中国大陸から伝来しましたが、その後日本でよく改良が加えられて、現在の形になりました。初めてかきの葉を利用したのは日本である、と言われています。
かきには「柿の七絶(シチゼツ)」といって、以下のような七つの長所があると古い書物(和漢三才図会)に記録されています。
1.長寿
2.陰(熱をさまし潤すなどの働き)を養う、木陰が大きい
3.カキの木に鳥の巣はなし
4.木から落ちる虫なし(虫が食わない)
5.霜後紅葉は目の保養になる
6.カキを客のもてなしに
7.落ち葉に落書きできる
2.栄養学としての効能
かきは、タンニンやビタミンCを含むことが、栄養学的な特徴です。
タンニンは、抗酸化作用やアンチエイジングなどの作用で注目されている栄養素で、渋く青い柿と柿の葉に多く含まれており、シブオールといったものがそれにあたります。
ビタミンCは、抗酸化作用やアンチエイジングや粘膜細胞を丈夫にして抵抗力を高める作用のほかに、コレステロールを減少して高血圧、糖尿病などに効果もある大事な栄養素で、かきや柿の葉に多く含まれています。
100グラムのかきには70ミリグラムのビタミンCが含まれており、その量は、なんとキウイフルーツを上回る量といわれています。
また、柿の葉もビタミンCの含有量がトップクラスですが、柿の葉は苦くて渋いものですので、食用というよりは、薬として昔から使用されています。
このように、女性の皆様にとってアンチエイジング効果が期待できる栄養素を豊富に含むという点で、かきは魅力的なフルーツであり、今回の「かき(柿)で若返り!?」というテーマを題した理由はまさにここにあるのです!
また、かきに含まれるアルコールデヒドロゲナーゼという酵素にはアルコールを分解する働きがあり、かきを二日酔いの人に食べさせたところ、かきの血中アルコールを促進する効果が確認された、という実験結果も出ています。
これら、かきの栄養素の上手な取り方ですが、タンニンは酸と鉄分とカルシウムと結合して沈殿しやすいので、胃酸が多い空腹のときには食べすぎないようにしましょう。
また、食べ合わせの注意点としては、さつまいも等の芋類は胃酸を生じやすいのでかきと一緒に食べないように、牡蠣・海老・カニなどのカルシュウムが豊富な海鮮と一緒に食べると腹痛や激しい下痢の恐れがある、と古い書物に記載がありますので、気を付けるようにしましょう。
ところで、柿の葉はどうやって食べることができるの??と疑問に思われた方も多いと思いますが、薬以外に食品としては、柿の葉寿司や柿の葉茶といったものが一般的に出回っています。
柿の葉茶は通常のお茶と同じように飲むことができますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
3.東洋医学的な効能
東洋医学的には、かきは以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘、渋、涼
【関連する臓腑経絡】 心・肺・大腸経
①清熱止渇(せいねつしかつ)
熱を収め、喉の渇き、口内炎を解消します。
②潤肺止咳血(じゅんぱいしがいけつ)
肺を潤し、咳を伴った呼吸器系の出血を収める効果があります。
③渋腸和胃・涼血止血
胃腸を丈夫にして下痢を伴った下血を解消します。
④解酒毒
アルコールの分解を促して、二日酔いを解消します。
※注意事項
内臓が冷えがち、糖尿病を患っている、冷えで悪化する月経痛がある。これらの症状がある人は、かきの摂取は控えたほうが良いです。
4.かきの簡単レシピ
かきを買ってきたけど、食べきれずに困ってしまう人、案外多いようです。
そんな方へ、とっても簡単でおいしい、かきを使ったレシピをひとつご紹介します。
【かき&クリームチーズのディップ】
1.下ごしらえ
かきを綺麗に洗い、水分をよく拭き取っておきます。
硬めのかきの場合には、包丁で皮をむき、小さめサイコロ状にカットします。柔らかい柿の場合には、包丁で半分にきって、スプーンを使いボールに中身とりだします。
※種有りのかきの場合は、種を取り除くのをわすれずにしてください。
2.クリームチーズとあわせる
室温程度に戻したクリームチーズと1.のかきをあわせてよくまぜる。
かきがどのくらい熟しているかによって水分の量が異なるため、できあがるクリームチーズの軟らかさに違いがでてきます。
そこは、ご自身でクリームチーズの量、またはかきの量を調整して、お好みの硬さのディップに仕上げてください。
また、甘さは好みに応じて、砂糖、黒糖を加えたり、ディップの上からはちみつを少したらしてみるのもよいですよ。
冷蔵庫で冷やして数日の間に食べきるようにしましょう。
ぱんにのせてたべたり、ワインのおつまみとしてクラッカーにのせたり、ベーグルにあわせたり、と使い方はいろいろで、とてもおいしいですよ!
また、ディップに洋酒を数滴加えると、あっとゆうまに大人の味わいに変身します!
かきをスーパーや八百屋さんの店先で見かけたら、ぜひ一度簡単レシピをお試しくださいね。
そのほか、インターネット上には、かきを使ったたくさんのレシピが出回っています。
それらを活用して、かきを上手に食生活にとりいれて元気になりましょう!
いかがでしたでしょうか?
『かき(柿)で若返り!?』はお楽しみいただけましたでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
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参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』
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